沖縄そば

【沖縄そば】の種類について解説。押さえておきたい沖縄の有名店も紹介

2022.11.21

沖縄の代表的な食べ物と聞いてパッと思い浮かぶメニューは、「沖縄そば」ではないでしょうか。うどんでもそばでもない、沖縄ならではの麺料理です。沖縄県民だけでなく、県外に住む人にも多くのファンがいます。

沖縄そばと一口に言っても、種類が豊富にあるので、この記事では沖縄そばにまつわるあれやこれについて詳しく説明していきます。

目次

  1. 沖縄そばとは
  2. 沖縄そばの歴史
  3. 味付けや具材によって特徴が異なる沖縄そば
  4. 地域によって独自のスタイルがある沖縄そば
  5. 美味しい沖縄そばが食べられる有名店を5つ紹介!
  6. まとめ

1.沖縄そばとは

沖縄そばは、沖縄で1日に約20万食ほど食されている、地元の人も愛する郷土料理です。

沖縄県内では、「そば」あるいは方言で「すば」「うちなーすば」と呼ばれています。名前に「そば」と入っていますが、和食の蕎麦とは異なり蕎麦粉は一切使用していません。小麦粉のみで作られ、麺にはかん水または、薪を燃やして作る灰汁が練り込まれています。これによって、麺に柔らかさや弾力性をもたらすことができるのです。一般的に、麺は太めで和風の出汁を使用しているので、食感はラーメンよりもうどんに近いと言えます。

発祥については諸説ありますが、明治以降とされています。ただし、県民食として広く普及したのは戦後です。その後、県外にも沖縄そばが認知されるようになっていきました。

2.沖縄そばの歴史

沖縄そばの歴史は、琉球王国時代まで遡ります。中国南部から伝わり、中国からの使者を接待するために料理に取り入れられたという説があります。しかし、伝来当初は広く知れ渡りませんでした。

その後、沖縄そばが沖縄県民に親しまれるようになったのは、明治中期以降です。最初に、沖縄でそば屋を開業したのは唐人でした。その時に提供していたメニューは、沖縄そばではなく「支那そば」という料理になります。この「支那そば」が、沖縄そばのルーツになっていると考えられています。

大正に入ってからは、街中にたくさんのそば屋が増え、一般庶民でも気軽に食べられるようになりました。当初は、豚の出汁をベースに醤油で味付けしたスープ、具材は豚肉とねぎのみと、シンプルな調理法で日本本土の支那そばと同じものになります。それを、沖縄県民の舌に合うように研究と改良を重ね作られたのが、現在の沖縄そばです。

現在の沖縄そばは、中華麺と同じく小麦粉と塩水、そしてかん水を使用して麺を作っていますが、当時かん水は高級品でした。なので、灰汁というガジュマルなどの亜熱帯の樹木灰を水に溶かした、上澄み液が代用として利用されることがほとんどでした。今では、灰汁を使用した伝統的な製法で作られるそばを「木灰そば」と呼んでいます。

第二次世界大戦が開戦してからは、老舗の沖縄そば屋も沖縄大戦や戦時中の食糧不足によってほとんど全てが無くなってしまいました。終戦後から、米軍占領下で小麦粉が出回るようになり、沖縄そば屋が次々と復活しています。沖縄そば復活に活躍したのは、戦争で夫と死別した女性たちです。新店舗を続々と開店させたことによって、戦後の沖縄を支え、沖縄を代表とする食べ物にまで急速に成長させました。

こうして生まれた沖縄そばは、沖縄本土に県民食として定着すると同時に、地域によって形を変えながら、今もなお愛され続けています。

3.味付けや具材によって特徴が異なる沖縄そば

沖縄そば(三枚肉)

三枚肉がトッピングでのっているそばが、一番スタンダードな沖縄そばです。三枚肉とは、皮・脂身・赤身が三層になっているバラ肉のことを指します。砂糖醤油でじっくり煮込まれており、とても柔らかい食感は沖縄そばには欠かせない具材です。肉以外のトッピングは、ねぎ・紅生姜・かまぼこで、出汁は主に豚とカツオが使われています。

ソーキそば

ソーキそばは、スペアリブ(豚のあばら骨の部分)をトッピングしています。味付けは濃い、薄いとあり甘辛く煮込んだスペアリブは、お箸でホロホロとほぐせるほどです。基本的にソーキそばは、本ソーキそばのことを言いますが、軟骨ソーキそばと区別するために、店によっては「本ソーキそば」とメニューに記載して提供してる場合もあります。

軟骨ソーキそば

軟骨ソーキそばは、軟骨付きの豚肉をトッピングしています。味付けは、ソーキそばと同じで、軟骨がついているのでコラーゲンを摂ることができます。じっくり煮込まれたとろとろの軟骨、もしくは浅く煮たコリコリの軟骨のバージョンがあり、店によって違いがあります。軟骨と肉の部分なので丸ごと食べることもでき、ボリュームたっぷりです。

あーさそば

あーさそばは、海藻の「あおさ」をトッピングしています。他の沖縄そばにはない、磯の香りが感じられ、あっさりとしたスープと相性抜群です。店によっては、トッピングだけでなく麺にもあおさを練り込んでいるメニューを提供しています。より風味が良くなるので、味わい深くなるのが特徴です。

てびちそば

てびちそばは、柔らかく煮込んだ豚足をトッピングしています。てびちは、沖縄の郷土料理でもあります。ソーキそばと同じ味付けで煮込んでおり、豚の皮から出るコラーゲンをたっぷり摂ることができます。ただ、見た目がグロテスクなのと匂いが独特なことから、地元の人でも好き嫌いが分かれます。

中身そば

中身そばは、豚肉の中身をトッピングしています。三枚肉そばとは違い、皮や脂身はついていませんが、地元では人気のメニューとなっています。地元の人は、紅生姜を入れて食べます。

ゆし豆腐そば

ゆし豆腐そばは、ゆし豆腐をトッピングしています。ゆし豆腐は沖縄の郷土料理で、豆乳ににがりを入れた状態から固めず、柔らかいまま食べます。本土で言うと、おぼろ豆腐やよせ豆腐に近いものです。お肉より、大豆系でさっぱりと食べたいという人に人気となっています。

4.地域によって独自のスタイルがある沖縄そば

宮古そば

宮古そばは、麺の下に豚肉やかまぼこなどトッピングの具材を隠していることが特徴です。そのため、提供された状態では麺の上にネギのみとシンプルな見栄えをしています。

スープはあっさりとした味付けで、ストレート麺を組み合わせています。店によっては、調味料にカレー粉を用意しているケースもあり、カレーうどんのような風味になります。置いてある店では、ぜひ試してみてください。

八重山そば

八重山そばは、石垣島や西表島を含む八重山諸島で親しまれています。ストレート麺で丸く細い麺が特徴です。トッピングには、細切りにした豚肉やかまぼこがのっています。沖縄そばで一般的な紅生姜は、使用していません。スープはあっさりとした味付けで、優しい甘みが感じられます。

大東そば

大東そばは、手打ちで作られる沖縄そばで、大東諸島で食されています。麺は縮れており、コシが強いので食べ応え十分です。

沖縄そばのサイドメニューとしてあげられるのは、ジューシーや稲荷ですが、大東そばには大東寿司がセットで付くことが多いです。マグロやカジキの切り身を醤油漬けにし、握り寿司にしています。沖縄本島では、那覇国際通り裏にある「大東ソバ」でしか味わうことができないので、気になる人はぜひ訪れてみてください。

5.美味しい沖縄そばが食べられる有名店を5つ紹介!

1.幸ちゃんそば

https://www.sacchan-soba.jp/

あっさりとしたとんこつベースのスープに、もっちりとした麺ととろけるお肉がよく合います。麺は2種類用意されており、通常の沖縄そばの麺ともずくを練り込んだもずく麺があります。伊平屋島の食材を使用することにこだわっており、食材の旨味がぎゅっと詰まった風味豊かな一品です。

住所:〒905-0015 沖縄県名護市大南2-11-3

営業時間:10:00~16:00(スープが無くなり次第閉店)

定休日:月曜日

2.おきなわそば ヨネハマ

https://www.okinawasobayonehama.com/

豚・鶏・昆布から、贅沢に出汁をとっているスープが特徴です。12時間かけてじっくり火入れをしているので、あっさりしながらコク深い味わいも楽しめます。そして、あっさり出汁をベースに、より豚が効いたこってりスープも選べるようになっているのが嬉しいです。

お肉も三枚肉だけでなく、塩軟骨ソーキやてびちなど、豊富なメニュー数となっています。女性1人でも、お子様連れでも気軽に入れるような店内になっているので、安心して入店することができます。

住所:〒901-2201 沖縄県宜野湾市新城2丁目17−7

営業時間:月・火・金 11:00〜15:00

     土・日・祝 11:00〜16:00

定休日:木曜日、水曜日(しばらくの間)

3.浜屋

https://hamayasoba.gorp.jp/

昔ながらの醤油を一切使用せず、塩味のスープが特徴です。ソーキもごろごろとトッピングされており、お箸で掴んだだけでぷりっとちぎれます。ソーキそば以外にも、てびちそばやソーキと三枚肉両方がのっているそばも提供しており、全体的にボリューム満点の一品になっています。

住所:〒904-0113 沖縄県中頭郡北谷町字宮城2-99

営業時間:月~日 10:00~17:30(L.O.17:00)

定休日:不定休日あり

4.楚辺そば

http://sobe.main.jp/

とんこつとカツオから出汁を取った、こだわりのスープとコシのある細麺が特徴です。トッピングには、あっさり味のスープで柔らかく煮込まれた肉がのっています。古民家風で落ち着いた雰囲気の店内になっており、観光客からも人気を誇る店です。

住所:〒900-0023 那覇市楚辺2丁目37-40

営業時間:午前11:30~午後9:00

定休日:年中無休(但し正月、旧盆除く)

5.なかむらそば

https://www.ii-okinawa.ne.jp/people/menmen/

カツオをたっぷり使用した特製のスープに、自家製麺を組み合わせているのが特徴です。そして、なかむらそばでは「あーさそば」を食べることができます。沖縄特産のあーさ(一重草)をスープだけでなく麺にも練り込んでおり、香り豊かな一杯を楽しむことができます。

住所:〒904-0404 沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1669-1

営業時間:午前10:30-午後4:00  

定休日:年中無休(元旦・1月2日~5日まで休み、1月6日より通常営業)

6.まとめ

この記事では、沖縄そばの種類から美味しい沖縄そばが食べられる有名店まで紹介しました。沖縄そばは、地域によって特徴が異なったり、独自のスタイルを築いていたりする点が面白いです。沖縄に旅行した際、沖縄そばを食べるときにぜひ参考にしていただけると嬉しいです。