そば
そばに含まれる健康効果のある栄養とは?食事の工夫も紹介
2022.02.04
そばは健康に良いというイメージがついていますが、実際はどうなのでしょうか?
本記事では、そばの栄養についてご紹介します。
気軽に食べられる「そば」は日本において古くから食べられている食品の1つです。
そばは「健康に良い」というイメージがついていますが、実際のところはどうでしょう。
どんな栄養成分が含まれていて健康に良いのかわからないですよね?
実は、そばには健康に効果が期待できる栄養が多く含まれています。
今回は、そばに含まれる豊富な栄養成分や、
そばを食べることのメリットやデメリットをご紹介します。
そばを健康的に食べたい方は、ご一読ください。
1.そばとは
そばに含まれる栄養素を知る前に、そばが何からできていて。どんな種類があるのか知っておきましょう。
(1)そばの原料
一般的に、そばは「そば粉」「つなぎ」「水」で作られ、とてもシンプルな材料です。
つなぎには、小麦粉を使う事が多いですが、山芋、こんにゃく、布海苔などで作られることもあります。
風味付けに加えられる素材にも黒ごまや海苔、抹茶など多種多様です。
さらには、山椒やたけのこ、モロヘイヤなど季節の植物を練り込むお店もあるようです。
また、つなぎを使用せずそば粉だけで作ったそばの事を「生蕎麦(きそば)」と呼びます。
日本のそばは原料で決まるとも言われており、蕎麦職人はそば粉や水、つなぎにいたるまでこだわりを持っています。
(2)そばの種類
そばは、そば粉とつなぎの量を変えることで「十割そば」や「二八そば」と呼び方が変わります。
しかし、そばは江戸時代に大きく発展を遂げた食品でもあり、その他にもそば粉の違いや味付けの違いで異なるそばが存在します。
ここでは、江戸時代にその形が出来上がり現在まで食べられ続けている「そばの御三家」とも呼ばれるそばをご紹介します。
①更科そば
そば粉を挽いた時にでる一番粉「更科粉」を使っています。
そば粉の様に灰色の麺ではなく、真っ白の麺が1番の特徴です。
他のそばと比べると香りが少ないものの、ほのかな甘みと、喉越しのある食感が特徴です。
②砂場そば
砂場そばは、甘めの濃いつゆが特徴の蕎麦です。
大阪城築城の際に生まれ、砂場と言われる砂場置き場の近くに店があったことに由来しています。
忙しい労働者のために作られたそばであるため、調理が簡単ですぐに食べられることで労働者の間で広まって行きました、
③薮そば
緑がかったそばと少し濃いめのつゆが特徴です。
蕎麦を挽いてから2、3番目に出る粉を使用しているため、塩辛い風味に負けることのない香りの強い麺となっています。
「藪」の由来は諸説ありますが、薮そば発祥とされる「蔦屋」が藪に囲まれた店だったからと言われています。
2.そばの主要栄養素
そばは、健康的でダイエットにも効果的な食品です。ここからは、そばに含まれる栄養素についてご紹介していきます。
(1)そばとほかの主食との比較(100gあたり)
エネルギー | 炭水化物 | 脂質 | たんぱく質 | |
そば | 114kcal | 22.1g | 0.7g | 4.8g |
うどん | 105kcall | 21.6g | 0.4g | 2.6g |
白米 | 168kcal | 37.1g | 0.3g | 2.5g |
100gあたりで3つを比較すると、白米が最もカロリー、炭水化物が低い事が分かります。
白米よりはカロリーが低いですが、意外にもうどんよりは炭水化物や脂質が高いことがわかります。
しかし、今回比較したどの主食よりも、筋肉を作る材料になる「たんぱく質」が多く含まれています。
ダイエットやボディメイクをおこなっている方はぜひ参考にしてください。
3.そばを食べるメリット
ここまで、そばの原料やそばの主要な栄養素に何が含まれているのかご紹介してきました。
そばには多数の種類がありますが、今回はそば粉を使った一般的な「そば」に含まれる栄養素のメリットについて3つご紹介します。
そばを継続的に食べる事で得られるメリットはたくさんあるため、ぜひ参考にしてください。
(1)血圧が上がりにくい
そばには、苦味や色味成分のポリフェノールの一種「ルチン」という血管を丈夫にする栄養素が含まれています。
ルチンは、弾力がなくなり傷つきやすくなった血管を修復して、血液の流れをサラサラにする作用や血圧降下作用があるため、継続的に摂取することで、血圧が上がりにくくなります。
さらに、血管を丈夫にする機能が期待できるため、「脳卒中」や「動脈硬化」など生活習慣病の予防にも効果があります。
また、ルチンは記憶細胞の活発化にも関係していると言われているため、年齢を重ねて記憶力が落ちてしまった方でも、記憶力の向上などに有効と言えます。
(2)美肌効果も期待できる
「ルチン」にはビタミンCの吸収を促進する働きがあります。
そもそもビタミンCには、シミの原因になる「メラニン色素」の生成を抑えたり、すでに生成されてしまったメラニンを脱色したりする効果があります。
そのため、「ルチン」を継続的に摂取しビタミンCを効率よく体に吸収することで、ビタミンCには美肌効果が期待できると言われています。
大根おろしやきゅうりにはビタミンCが多く含まれているため、薬味としてそばと一緒に食べるのがおすすめです。
また、そばには、ルチン以外にもビタミンB1やB2が含まれています。
ビタミンB1には「疲労回復効果」B2には「皮膚や髪を綺麗に保つ効果」があるため、総合的に見ても美容に良い食品であると言えます。
(3)便秘解消になる
便秘解消には食物繊維が重要です。
食物繊維は、水を含むとゲル状になり便を出しやすくしてくれる効果や腸に存在する「善玉菌」のエサになり腸内環境を整えてくれる効果があります。
そばと他の主食の食物繊維の量を比較した表が以下の通りです。
食物繊維 | |
そば | 1.5g |
うどん | 0.8g |
白米 | 0.3g |
そばには他の主食に比べ2倍程度も食物繊維が含まれているため便秘解消効果が期待できます。
また、そばに含まれている食物繊維は水に溶けにくい「不溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維は、体内に入ると腸の中で便と混ざり、便のかさを増やし腸の蠕動運動(便を押し出す動き)を活発にしてくれる働きもあります。
4.そばを食べるデメリット
そばには健康に良い栄養素が多数含まれており、生活習慣の予防なども期待できる食品です。
しかし、過剰に摂取してしまうと、体調に悪影響を起こす可能性もあります。
ここでは、そばを継続的に食べることのデメリットを3つ紹介します。
(1)消化不良で便秘になる
そばを食べすぎると、便秘になる恐れがあります。
そばを食べるメリットで、便秘改善になると説明しましたが、食物繊維は人間が消化吸収できない栄養素です。
そのため、食物繊維を継続的に摂取し過剰になってしまうと消化不良になり便秘になる可能性があります。
また脂質も人間の体は消化に時間がかかります。
以下は食品に含まれている脂質の量を表した表です。
脂質 | |
そば | 0.7g |
うどん | 0.4g |
白米 | 0.3g |
他の食品よりも脂質の量が2倍程度多くなっているため、そばは過剰に摂取してしまうと便秘になりやすい食品だといえます。
(2)食べすぎるとアレルギーになる可能性がある
継続的にそばを食べる機会が多いと、アレルギーを発症する恐れもあります。
そもそもアレルギーとは、ある特定の異物に対して免疫が過剰に反応することで、くしゃみや喘息、蕁麻疹などの症状が体に出てしまう病気のことです。
アレルギーの原因は分かっていませんが、遺伝的に持っているアレルギーの他にも同じものを食べ続けることで、アレルギー物質が蓄積されてしまい、発症してしまうこともあります。
必ずしもそばを食べ続けることで、アレルギーになるわけではありませんが、可能性があるということを知っておきましょう。
また、免疫力が下がるとアレルギーになりやすくなるので、規則正しい生活やバランスの良い食事が重要です。
5.健康効果のあるそばの食べ方
そばは、デメリットを考えても、メリットの方が多い食品です。
しかし、そんなそばでも完璧ではなく不足している栄養素も存在します。
ここからは、そばに不足している栄養素を補うための具体的な方法をご紹介します。
(1)ビタミンAとCがを含む食材と一緒に食べる
そばには、ビタミンAとビタミンC、ビタミンDなどが不足しています。
ビタミンは、皮膚の健康を保つ働きや骨格を形成するために必要な栄養素です。
そのため、そばのみを食べるのでは無く、トッピングなどで栄養素のバランスを整える必要があります。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- おろしそば
大根にはビタミンCが多く含まれており、吸収を促進してくれるそばと一緒に食べることがおすすめです。
大根はすりおろすことで、「イソチオシアネート」が生成されます。
「イソチオシアネート」は、抗菌作用や免疫力を高めると言われているため、風邪予防にも効果的です。
- おかめそば
おかめそばとは、かまぼこや椎茸、三つ葉などを使って「おかめ」さんに見立てて盛り付けているそばのことです。
しいたけにはビタミンDが含まれており、かまぼこには低脂質ながらたんぱく質が多く含まれているためおすすめの食べ方です。
(2)そば湯を飲む
そば湯とは、そばを茹でた後の茹で汁のことで、白くてとろみがある事が特徴です。
そば粉に含まれているルチンやビタミンB1、ビタミンB2は水溶性のため、多くはそばを茹でる時に流れ出てしまいます。
そのため、そば湯には本来そば粉に含まれている栄養素が含まれているといえるため、そばの栄養を全て摂取するためには飲むことをおすすめします。
ただ、そば湯を飲む際に、そばつゆを割って飲むと塩分の摂りすぎになる可能性もあります。
多少「薄いかな」と感じるくらいに留めておきましょう。
(3)揚げ物と一緒に食べない
そばを食べる際は、できる限り天ぷらなどのトッピングは控えることをおすすめします。
蕎麦に限らず麺類はスルスルと食べてしまうため、満腹中枢が刺激されにくい食品です。
そのため、天ぷらそばやおかずとして天ぷらを食べてしまうと食べすぎてしまう可能性があります。
また、そばを食べ糖質を摂取するタイミングで、揚げ物など脂質の多い食品を摂取すると体に脂肪がつきやすくなってしまいます。
また、そばだけでなく麺つゆには、砂糖が入っているので、なるべく麺つゆを飲み干さないようにしましょう。
6.健康的な食事のポイント
ここまでそばに含まれる栄養や健康的な食べ方をご紹介してきました。
ここからは、蕎麦以外にも健康的に食事をするためのポイントをご紹介します。
どんな食材でも、使えるポイントなので参考にしてください。
(1)ゆっくりよく噛んで食べる
ゆっくりよく噛んで食べることで、肥満を防ぐことが出来ます。
時間をかけてよく噛んで食べることで、胃腸への負担を減らしたり、早く満腹感を覚えたりするため、食べすぎることへの予防に繋がります。
また、口の動きが脳を刺激することで記憶力が良くなると言われているため学生や試験勉強にもよく噛むことはおすすめできます。
(2)タンパク質はいろんな食材からとる
たんぱく質は、1つの食品から摂取するのではなく、いろんな食材から摂取することで、栄養素の偏りを無くすことが出来ます。
牛肉や豚肉、鶏肉などの肉類やまぐろ、鮭、エビなどの魚介類や豆腐や納豆を含む豆類などタンパク源となる栄養素は多数存在しています。
実は、同じタンパク源でも含まれているビタミンやミネラルが違います。
朝昼夕で様々なタンパク源を摂ることを意識しましょう。
(3)食べ方の癖を見つける
ゆっくりよく噛んで食べることやタンパク源をいろんな食材から摂取するなど、食事において気をつけるポイントはありますが、もうひと工夫することで、より自分に合ったバランスの良い食事に近づいていくでしょう。
実は、主食や副食など食事内容を整えることで、意識していても、ビタミンやミネラルなどの栄養素を満たすことは難しいケースもあります。
それは、個人の食べ方の癖が関係しています。以下の癖を持っている方はいないでしょうか?
- 間食をすると止められない
- 一度にたくさんの量を食べられない
- 好き嫌いが多い
- 購入する食材やお惣菜が決まっている
癖が多いと、料理の量に偏りがでたり、食材のバリエーションが少ないことで、ビタミンやミネラルなどの栄養素が偏ってしまう可能性があります。
自分の食べ方の癖を見つけておくことで、栄養バランスを整える良い指標になります。
7.そばは健康的な食事
本記事では、そばに含まれる栄養やそばのメリットやデメリットをご紹介してきました。
そばは、食物繊維や脂質が多いため胃や腸に優しい食品とは言えませんが、体が喜ぶ健康的な栄養素を含んでいる食品でもあります。
トッピングや食べ方を少し工夫することで、食べやすくしたり豊富な栄養素を無駄なく摂取することが出来ます。
ただ、食事や栄養の効果は個人差があるものです。
いろんな食材を食べたり食事の工夫を行ない、自分の体に最も合う食事を見つけるようにしてください。