そば
そばに含まれる健康効果のある栄養とは?食事の工夫も紹介
2022.02.17
【そばは太りやすい?】そばの種類や栄養を徹底解説!
「ヘルシ−ってイメージがあるけど、そばってダイエットに向いてるの?」
「そばは太りやすいと聞いたんだけど、本当?」
ダイエットをしようとした時に考えなければならないのが、炭水化物の量やカロリーのこと。
そばは、ヘルシーなイメージがあるため、ダイエット食として選択する方もいるかもしれません。
そんな時に上記のような疑問を持ったことはありませんか?
そこで、本記事ではそばはダイエットに向いている主食なのか、そばに含まれている栄養素にはどんなものが含まれているのかをご紹介していきます。
そばで、ダイエットを行おうとしているかたは、ぜひご一読ください。
1.そばとは
そばにはそば粉以外にも材料が含まれていることを知っていますか?
そばは、原料の量や種類の違いで名前や味が大きく変わります。
そばに含まれる栄養素を知る前に、そばの原料は何でどんな種類があるのか基本情報を知っておきましょう。
(1)そばの原料
そばは、「そば粉」「つなぎ」「水」の3つで作られ、とてもシンプルな構成で作られた麺です。
一般的につなぎには、小麦粉を使いますが、山芋、こんにゃく、布海苔などで作られることもあります。
さらには、各土地や季節によっては、山椒やモロヘイヤ、たけのこなどを練り込むお店もあるようです。
全国製麺協同組合連合会では、そば粉が30%以上、小麦粉70%以上の割合で混ぜているものを「日本そば」と呼んでいます。
反対に、そば粉のみを使用し、つなぎを一切使用していないものは「生蕎麦(きそば)」と呼びます。
そばは、シンプルな材料で作られているため、そばの味を材料が決めるといっても過言ではありません。
そば職人は、そば粉や水、つなぎまで、強いこだわりを持っています。
(2)そばの種類
そばは、江戸時代からかなりの発展を遂げた食品であり、そば粉とつなぎの量や種類を変えることで、名前が変わります。
例えば、そば粉のみを使用している「十割そば」やつなぎを20%使用している「二八そば」などがあります。
ここでは、江戸時代にその形が出来上がり、現在までその形を変えず存在し続けている「そばの御三家」とも呼ばれるそばをご紹介します。
①更科そば
更科そばは「1番粉」と呼ばれる白いそば粉を原料として使ったそばです。
これは、そばの実を挽いた時に一番最初に出てくるものです。
色のついた甘皮は一切入らず、胚乳の中心部分のみを集めたものであるため普通のそば粉とは違い色が白くなっています。
ほのかな甘みと喉越しの良い食感が特徴の高級感あふれるそばです。
②砂場そば
砂場そばは、そば粉を8割、つなぎを2割使用した「二八そば」です。
甘く、濃いめのつゆのため、しっかりとした味わいが特徴です。
「御三家」中で最も古い歴史を持つと言われ、始まりは江戸ではなく大阪であったと言われています。
大阪城築城の際、現場で働く労働者に向けて「砂場(資材置き場)」で提供していたことからこの名前がついたとされています。
③薮そば
緑がかったそばと少し濃いめの味付けのつゆが特徴です。
そばの風味が強い粉を使用しているため、塩辛いつゆに負けること無く香りをたのしめるそばになっています。
発祥とされているそば屋「蔦屋」が藪に囲まれていたことから、通称「薮そば」と言われていたものが、いつしかそばの名前になったと言われています。
2.そばは太りにくい
そばは、同じ麺類や白米と比べた時に、太りにくい食材だといえます。
急激に体重を落としてくれるような食品ではありませんが、主食としてご飯の代わりに食べることで満腹感を得ながら、痩せることが可能な食品です。
ここからは、そばがなぜ太りにくい食材なのかを4つの点からご紹介していきます。
(1)カロリーが低い
以下の表は、同じ麺類のそうめんと日本人の主食である白米とそばを比較した表です。
エネルギー | 炭水化物 | 脂質 | たんぱく質 | |
そば | 114kcal | 22.1g | 0.7g | 4.8g |
そうめん | 127kcall | 25.8g | 0.4g | 3.5g |
白米 | 168kcal | 37.1g | 0.3g | 2.5g |
参照 カロリーSlism
この三種類のなかでは、そばが最もエネルギーが低くなっています。
白米など主食をついつい食べてしまうことが多い人にとっては、主食のエネルギーを減らすことで、大幅なカロリーダウンが可能です。
おかずや甘いものを減らせないという方は、まずは主食をそばにしてみるのがおすすめです。
(2)炭水化物の含有量が低い
炭水化物は体のエネルギーとして使用され、使われない分は脂肪として蓄積されてしまうためできるだけ控えたいと思う方が多い栄養素です。
上記の表の3種類の中では、そばが最も炭水化物が少なくなっておりダイエットに向いている食品だと言えます。
しかし、炭水化物は私達が生きていく上で、必ず摂取しなければならない栄養素です。
炭水化物が不足すると記憶力や判断力が鈍くなってしまい、ダイエット中によくある食べ物の誘惑に負けてしまうかもしれません。
できるだけ、ダイエット中は減らしたい栄養素かもしれませんが、減らし過ぎには注意が必要です。
(3)ルチンを多く含んでいる
そばにはルチンが多く含まれています。
ルチンは、ほとんどの植物に存在している苦味や色素の成分「ポリフェノール」の1つです。
以下の3つの効果が期待できます。
- 毛細血管を強くする
- 血管を修復する
- 血圧を下げる
そのため、ルチンを不足なく摂取できれば、脳卒中や高血圧、総脈効果などを抑制してくれる効果があります。
また、ルチンは水溶性の栄養素のためそばを茹でる際に多くは流れ出てしまっています。
栄養素を余すこと無く摂取するためにも、蕎麦湯はできるだけ飲むことをおすすめします。
ただ、そばつゆを入れすぎると塩分を摂りすぎてしまうため「すこし薄い」と感じるくらいに留めておきましょう。
(4)GI値が低い
そばは低GI食品と言われており、肥満や糖尿病のリスクを軽減する食品と言われています。
GI値とは、略さずにいうと「グリセミックインデックス(Glycemic index)」といいます。
GI値は、ブドウ糖を摂取した時の血糖値の上昇を100として、それに対してある食品を食べた時の血糖値の上昇がどれくらい上がるのかを求めた値です。
GI値が高いほど、一気に血糖値を上昇させてしまいます。
その結果、体は血液中の糖を処理(体内に取り込む)し、血液中の血糖値を下げ用途働きます。
血糖値が下がることでお腹が空いてしまい、間食をしやすくなってしまいます。
できるだけGI値が低い食品を選ぶことで、ダイエット効果を得ることが出来ます。
3.太るそばの食べ方
そばには、ダイエットに向いている栄養素が多く含まれていますが、食べ方によってはそばも太りやすい食品になってしまいます。
ここからは、太りやすいそばの食べ方をご紹介します。
(1)小麦粉の含有量が高いそばを食べている
そばを食べる時には、できるだけつなぎの入っていないものを選択しましょう。
蕎麦には、そば粉のみを使った「十割そば」とそば粉八割に対して小麦粉を二割混ぜた「二八そば」、そば粉と小麦粉を半分ずつで作る「五分そば」などがあります。
そばは食物繊維が多く含まれているため、GI値が低く、太りにくいといえますが、つなぎに入っている小麦粉はGI値が高く、血糖値が急激に上昇してしまいます。
特にコンビニのそばやカップ麺のそばにはつなぎが多く含まれている事が多いため、できるだけつなぎが多く含まれていないものを選ぶようにしましょう。
(2)そばつゆを飲み干している
そばが好きな方ならよく飲んでいる蕎麦湯。そばつゆは出汁が出ていておいしいのですが、あくまでもつゆのため、塩分や糖分が多く含まれています。
つゆを入れすぎてしまうと、太りやすいだけでなく塩分により高血圧になる可能性も高まります。
どんなに美味しくても飲みすぎないように気をつけましょう。
(3)天ぷらをよく食べている
天ぷらは脂質が高いため、エネルギーが高い食品の1つです。
衣には、小麦粉が使用され、油で揚げています。
小麦粉は、油をよく吸うためかなりの脂質と糖質を摂取することになってしまいます。
ただ、野菜のかき揚げならいいのではと思った方もいるかもしれません。
しかし、かき揚げだと衣がつく面積が大きくなるため特に太りやすくなってしまいます。
できるだけ、トッピングには揚げ物を選ばないようにしましょう。
(4)更科そばをよく食べている
更科そばは、そばの実の中の胚乳部分を使用しているため、白い見た目をしています。
見た目は美しい更科そばですが、実はダイエットという面にはあまり向いていません。
そばが穀物の中でも太りにくいとされているのは、先述した通り、食物繊維が多く、GI値が低いためです。
しかし、それは「ホシ」と呼ばれるそばの殻やそばを茶色くさせているそばの外皮が影響しています、
そのため、外皮を使わない更科そばばかりを食べていると、他の麺や主食と同じく太りやすくなってしまいます。
太りにくい食品として、そばを選択しているのであれば、できるだけそばの外皮が入ったそばを食べましょう。
4.そばの栄養
最後に、そばにはどんな栄養素が含まれていて栄養素はどんな働きをしているのかを確認しておきましょう。
各栄養素の働きを知っておくことで、日々の食生活にいかすことが出来ます。
(1)ビタミンB1、B2
ビタミンB1には、糖質の代謝をサポートする働きがあります。
糖質は、体を動かすためのエネルギーになりますが、ビタミンB1が不足するとビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーに変換しにくくなり、疲労に繋がる可能性があります。
ビタミンB2には、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする働きがあります。
ビタミンB1が糖質の代謝をサポートしているのに対して、ビタミンB2は特に脂質をエネルギーに変換する代謝をサポートしています。
細胞の再生に役立つため、一日の活動量が多くエネルギーを多く消費する人ほど多くのビタミンB2が必要になります。
(2)マグネシウム
マグネシウムには、たんぱく質の合成や、神経伝達や筋収縮を正常に行う働きがあります。
人間が必ず摂取しなければならないミネラルの一種といわれています。
マグネシウムが不足すると、不整脈や高血圧、筋肉のけいれんが起きる可能性が高くなります。
通常、そばなどマグネシウムが多く含まれる食品を摂取していても、過剰になることはありません。
サプリメントを継続的に摂取している方は、過剰になり下痢になる可能性があるため、摂取量には気をつけましょう。
(3)カリウム
カリウムとは、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持する働きがあります。
ルチンと同じく水溶性の成分のため、茹で汁に流れ出てしまうため、蕎麦湯を飲んで栄養を余すことなく摂取しましょう。
そばの他にも、刻み昆布やひじきなど海藻類などに多くの食材に含まれているため、通常の食事をしていれば、欠乏することはありません。
しかし、激しい嘔吐や下痢をした場合、カリウムの排泄量が増え欠乏することがあります。
5,そばは健康的な食事
本記事では、そばが太りやすい食品なのか、そばにはどんな栄養素が含まれているのかをご紹介してきました。
そばは、食物繊維が多いため腹持ちが良いこと、GI値が低いため血糖値が上がりにくいという特徴があるため、ダイエットにはおすすめの食品です。
しかし、つなぎの量やどんなそばを選ぶかで逆に太りやすい食品となってしまいます。
そばだから大丈夫と思わず成分表示やつなぎの量が太りやすいのかどうかしっかりと確認してから食べるようにしましょう。