ちゃんぽん

ちゃんぽん発祥の地は長崎!発祥の店から絶品ちゃんぽん大人気店5選

2022.12.01

ちゃんぽんと聞くと、長崎の郷土料理と思う人が多いはずです。「さまざまなものを混ぜること、もしくは混ぜたもの」という意味を持つ言葉で、そのような料理の名称を指します。

「リンガーハット」を代表とするちゃんぽんの全国チェーン店があるほど、ちゃんぽんは日本人から長く愛され続けています。

この記事では、ちゃんぽんの発祥から歴史と由来、オススメの大人気店まで紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 長崎はちゃんぽん発祥の地!名物「長崎ちゃんぽん」
  2. 歴史と由来について解説
  3. 長崎ちゃんぽん発祥の店「四海楼(しかいろう)」
  4. 実は、長崎のほかにもご当地ちゃんぽんがある
  5. 絶品ちゃんぽんが味わえる大人気店4選
  6. まとめ

1.長崎はちゃんぽん発祥の地!名物「長崎ちゃんぽん」

長崎県長崎市で生まれた長崎ちゃんぽんは、鶏ガラやとんこつで出汁をとったスープに、豚肉や魚介、ネギやキャベツ、かまぼこなどラードで炒めた大量の具材がのっています。そこにちゃんぽん用の麺を入れて煮立たせたものです。

長崎近海でとれる食材をふんだんに使用していたことが、ちゃんぽんの起源となりました。季節によって炒める具材も変わっているので、「ちゃんぽん一杯で四季が感じられる」と言われています。長崎の豊富な山海の幸を使用していて、和食と中華が融合していることから、長崎だからこそ創り出された郷土料理として位置づけられています。

調理法は、鉄鍋を煙が出るまで焼き、そこに肉や野菜など具材を入れて炒めていきます。ここで強火でよくかき混ぜることで風味を出すのがポイントです。スープは、鶏骨と豚骨、丸鶏を2〜3羽入れ、3〜4時間かけて出汁をとっていきます。出汁のとり方と火加減が味の決め手です。

麺には、小麦粉に加えて中国から伝わった唐灰汁(とうあく)が練り込まれています。唐灰汁を練り込むことで、麺に弾力が生まれモチモチとした食感に仕上がります。他にも、独特な風味を出したり、腐敗防止の効果があったりするのが特徴です。

2.歴史と由来について解説

鎖国時代、日本で唯一の開港地として外来文化を受け入れていた長崎。海外との交流が盛んだったことにより、長崎独自の文化を育ててきました。料理にも反映されており、異国の味が漂うと言われています。中でもちゃんぽんは、当時関わりの深かった中国の影響を大きく受けています。日中混合の庶民から親しまれる味は、長崎だから生まれたのです。

ちゃんぽんの語の語源は、いくつか諸説があります。

  1. 中国語で、さまざまな物を混ぜることを意味する「攙 (chān)」と、食べ物を油で炒めて調味料を混ぜ、すぐに火から下ろして煮る料理法を意味する「烹(pēng)」を合わせた「攙烹」とする説。
  2. 福建語の「飯は食ったか?」という挨拶である「吃飯(シャンポン)」もしくは「吃飯了」が訛ったところからきている説。
  3. 当時の中国人の呼び名「チャン」と日本人の「ポン」を取って合わせてチャンポンと名付けた説。
  4. ポルトガル語の「チャンポン(混ぜる・混合する)」が訛ったところからきている説。

そして、ちゃんぽんの由来にもいくつか諸説があります。

  • 明治中期に福建省の人々が長崎に出るようになった頃、陳平順(ちんへいじゅん)が貧しかった中国人留学生に安くて栄養がたくさん摂れる食事をとらせるために作った。
  • 明治初年に、長崎に住む本吉某が、丸山にて支那うどんをちゃんぽん(チャンポン)と名付け開業したことで広まった。

語源や由来の諸説をみると、名前の通り日本と中国が混ざった(ちゃんぽんになった)料理と言えるでしょう。

3.長崎ちゃんぽん発祥の店「四海楼(しかいろう)」

長崎ちゃんぽんのルーツは、福建料理の「湯肉絲麺(とんにいしいめん)」です。湯肉絲麺は、あっさり目のスープに豚肉、ねぎ、椎茸、たけのこなどを入れた麺を主体とする食べ物です。これに、四海楼の初代 陳平順が濃い目のスープと大量の具材、コシのある麺にアレンジし日本人に合うようにしました。

陳平順は、福建省福州出身で19歳のときに日本に渡ってきました。当時の華僑は、仕立て屋・料理・散髪という「三刀の仕事」ぐらいしか選べない状況でしたが、陳平順は保証人の益隆号からお金を借りて反物をリヤカーに積み、島原まで足を伸ばしながら開業資金を貯めています。

その後、日清戦争が開戦してから華僑は世間の風当たりを強く受けるようになりました。しかし、陳平順はそれに屈さず働き続け、念願の四海楼を創業します。当時の四海楼は、従業員30人を抱えるほどの大きな組織で、意欲に満ちた開業だったと言われています。

四海楼が長崎ちゃんぽん発祥の店として認知されている理由は、陳平順が、自分と同じく日本に渡ってきた中国人留学生の貧しい食事を見るに見かねて、どうにかしたいという想いからちゃんぽんを作り、それが長崎全体に広まったからです。

ちゃんぽんが有名になってからは、長崎市内に数十店舗のちゃんぽん屋が開業したほどでした。四海楼自体も、発祥の店としてさらに成長し続け、今もなお人気店です。

4.実は、長崎のほかにもご当地ちゃんぽんがある

ちゃんぽんの発祥は長崎ですが、実は日本全国にご当地ちゃんぽんがあることを知っていますか?有名なちゃんぽんの名前をあげると、長崎の小浜ちゃんぽん・熊本の天草ちゃんぽんや水俣ちゃんぽん・滋賀の近江ちゃんぽん・愛媛の八幡浜ちゃんぽんなどがあります。まだ他にもちゃんぽんの種類は存在していますが、長崎ちゃんぽん以外の有名なちゃんぽんの特徴も紹介します。

1.長崎県 小浜ちゃんぽん

長崎県には、長崎市の長崎ちゃんぽんだけでなく、雲仙市の雲仙岳の麓にある小浜温泉(おばまおんせん)地域にも「小浜ちゃんぽん」という名物があります。

小浜ちゃんぽんの特徴は、鶏ガラやとんこつ、カタクチイワシや小エビなどから取った出汁をベースにスープを作るのでスッキリとした味わいです。麺はもっちりとした太麺が使用されていることが一般的で、たくさんの野菜と一緒に魚介類、そして卵がトッピングされていることが多いです。卵のトッピングは無しにすることも選べるそうですが、生卵の黄身が中心にのっていたり、半熟の卵がのっていたりとお店によって少し違いがあります。

食べている途中から卵を崩して味の変化を楽しむのがオススメの食べ方です。

2.熊本 天草ちゃんぽん

天草ちゃんぽんは、長崎ちゃんぽんの影響を受けながら独自のスタイルを確立しました。ちゃんぽんで町おこしをするほど力を入れており、100店舗以上の飲食店で天草ちゃんぽんを提供しています。

特徴は、味や麺も幅広く、鶏ガラやとんこつ、魚介、醤油、塩、味噌など飲食店ごとに様々です。具材や麺の太さ、濃い味からさっぱり味まで多様なちゃんぽんを楽しむことができます。

3.熊本 水俣ちゃんぽん

水俣ちゃんぽんは、長崎ちゃんぽんと比べてあっさりとした味付けと白っぽい麺が特徴です。スープをしっかり吸い込む卵を使わないモチモチの麺が水俣ちゃんぽんの秘訣になっています。

うどんと間違えるほど白い麺ですが、麺を仕込む際のかん水の量は半分です。かん水を練り込んで麺を細くカットするまではかん水の色が判りますが、一晩寝かせて湯がくと白く変化します。

4.滋賀 近江ちゃんぽん

近江ちゃんぽんは、長崎ちゃんぽんとの共通事項をほとんどもっていません。近江ちゃんぽんの歴史は、「麺類おかべ」という飲食店がきっかけでスタートします。

当時の麺類おかべは、うどんやそばを提供する飲食店でした。彦根という土地柄、京都に近いのもあり、出汁は昆布や削り節から取った「京風出汁」を使用しています。

具材は、イカやエビなどの魚介は入れず、野菜と豚肉だけです。麺も、唐灰汁を練り込んだちゃんぽん麺ではなく、かん水を使った中華麺になります。調理方法は、中華鍋で炒めず手鍋で炒め煮込みます。このように、長崎ちゃんぽんとは大きく異なる近江ちゃんぽんですが、唯一共通点をあげるなら「具材がたくさんのった麺料理」といったところでしょう。

5.愛媛 八幡浜ちゃんぽん

八幡浜ちゃんぽんは、鶏ガラ、昆布、カツオなどで出汁を取っているので黄金色のスープが特徴です。あっさりした味付けに、太い麺、大量の野菜と豚肉、そして八幡浜の特産品であるかまぼこやじゃこ天がのっています。

八幡浜ちゃんぽんも、天草と同様にちゃんぽんで町おこしをしています。市民からも、八幡浜のソウルフードとして愛されており、多数の飲食店でさまざまなちゃんぽんを食べることができます。

5.絶品ちゃんぽんが味わえる大人気店4選

1.長崎ちゃんぽん発祥の店 四海楼

https://shikairou.com/

やはり、ちゃんぽん発祥の地 長崎で最も有名な「四海楼」は、ちゃんぽんを語る上で欠かせない存在です。

鶏ガラととんこつをじっくり炊いた鶏ガラ豚骨スープに麺を入れ、ラードで炒めたキャベツ、モヤシ、ネギ、豚肉、イカ、エビ、キクラゲ、かまぼこを大量にのせます。豊富な具材の旨味や、味わい深いスープに幸せを感じ、麺の量にお腹が満たされます。一食で食事が完了する絶対に食べたい一品です。

2.中華料理館 会楽園

http://www.kairakuen.tv/

会楽園は、長崎の中華街の中に店を構えています。特徴は、鶏ガラととんこつを7:3でブレンドした自慢のスープです。しっかりとしたコクを味わいながら、後味はさっぱり感がある黄金比のスープとなっています。さらに、野菜や魚介からの旨味も加わるので、行列に並んでも食べたい一品です。

3.三角亭

https://tabelog.com/nagasaki/A4201/A420101/42000856/

創業50年を超える、地元の人が愛する街中華屋です。ちゃんぽんは一杯700円と、庶民派価格が嬉しいですね。

スープは鶏ガラ100%で、早朝から火入れを行いじっくりと出汁を取っています。具材も、キャベツや豚肉、かまぼことシンプルで、優しい味付けのちゃんぽんです。昭和感漂うお店の雰囲気と比較的甘めなちゃんぽんの味わいは、毎日通いたくなります。

4.皇上皇

https://tabelog.com/nagasaki/A4201/A420101/42000291/

長崎駅直結のビル5階にある本格広東・台湾料理の店です。台湾出身の料理人が作るちゃんぽんは、とんこつの旨味がしっかり溶け込んだコク深い味わいが特徴です。濃いめのスープが後を引く美味しさになっています。具材も、野菜と一緒にエビやアサリ、イカなどの魚介がたっぷりでボリューム満点な一品です。

6.まとめ

この記事では、ちゃんぽんの発祥から歴史や由来、絶品ちゃんぽんが味わえる大人気店について紹介しました。

ちゃんぽんは、中国から長崎へと伝来し、今や日本全国で愛されている食べ物です。今後、ちゃんぽんが有名な地に旅行した際にはぜひ、いろんなご当地ちゃんぽんを食べてみるのも楽しいですね。最後までお読みいただき、ありがとうございました。