まぜそば
まぜそばのルーツに迫る。油そばとはどう違う?
2022.12.20
誕生以来根強い人気のあるまぜそば。たまに、とても食べたくなる麺料理のひとつではないでしょうか。今回は、そんなまぜそばについて紹介します。
目次
- まぜそばはどこの発祥?
- 油そばとまぜそばの違いは?
- まぜそばをおうちで食べよう!オススメの食べ方やレシピを紹介
- まとめ
1.まぜそばはどこの発祥?
そもそも、まぜそばは油そばを別の言い方で呼んでいたものです。
まぜそばとは、どんぶりの底に入っているごま油や醤油ベースのたれを、ラー油、酢などの調味料を好みで足して、極太の麺に絡めて食べる麺料理のひとつです。代表的なトッピングはたまご・刻み海苔・メンマ・焼豚・ネギなどです。背脂やチーズ・マヨネーズ・天かすなどをトッピングしている店もあります。地域やお店によって、もんじゃそば、油そば、あぶらーめんなど、呼び方が異なります。
発祥については、次の2説が有力候補として挙げられています。
- 昭和30年代前半頃、国立市の一橋大学近くのお店「三幸」が、のびたラーメンを手がかりに酒の肴として提供を開始したとする説
- 昭和30年代に武蔵野市境の亜細亜大学近くの「珍々亭」が中国の「拌麺」を手がかりに油そばを提供しはじめた説
どちらにしても、東京都武蔵野地区あたりから他の地域にも広がっていったと考えられます。1996年頃から、まぜそばの人気は徐々に高まり、翌年の1997年には読売新聞の『今年ヒットした話題の商品』の13位にランクインしました。2002年には、明星食品から武蔵野市吉祥寺「ぶぶか」の油そばの即席麺が商品化・発売され、今では多くのスーパーやコンビニなどで手に入れることができるようになり、手軽に味わうことができます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B9%E3%81%9D%E3%81%B0#%E3%81%A4%E3%81%91%E3%82%81%E3%82%93
「まぜそば」自体が有名になったのは、愛知県が発祥だとされていますが、こちらは「台湾まぜそば」を意味しています。台湾まぜそばは、愛知県名古屋市で「名古屋めし」として有名なラーメンのひとつです。鷹の爪とニンニクで醤油ベースに味付けした台湾ミンチを、極太の麺にトッピングした「油そば」のことを指します。
トッピングは主に台湾ミンチ、刻みニラに刻みネギ、魚粉、卵黄、おろしニンニクなどお店によってさまざまです。食べる前に、どんぶりの中身を麺に絡むようにかき混ぜて食べていきます。名古屋市中川区に本店を持つ「麺屋はなび高畑本店」で初めてつくられ誕生したといわれており、もとは台湾ラーメンを作ろうと試行錯誤していたのですが、当時つかっていたスープと台湾ミンチが合わず、スタッフの提案で台湾ミンチを乗せ、汁なしのスタイルで食べたのがはじまりとされています。
現在では、名古屋だけでなく、東海地方や近畿地方、関東地方でも広く食べられるようになりました。この流れは全国的に広がり、台湾まぜそばに限らず店舗独自の味付けの個性あるお店も増えてきています。人気沸騰中のまぜそばは、元祖の油そばとはまた別のジャンルとして親しまれているようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%81%BE%E3%81%9C%E3%81%9D%E3%81%B0
2.油そばとまぜそばの違いは?
もともとは油そばと同義のまぜそばですが、現在では別ジャンルの麺料理といわれることも少なくありません。では、この2つの違いはどんな点でしょうか?いくつか比較していきます。
- トッピングの違い
まず、油そばとまぜそばではトッピングに違いがあります。
油そばの主なトッピングは、かなりシンプルな場合が多いようです。
具体的には、メンマ・焼豚・ネギが代表的なトッピングで、お好みで海苔を乗せたり、玉子を乗せたり、元来の油そば自体の味を尊重したトッピングがメインとなっています。
一方、まぜそばの場合は店舗や種類によって多種多様な展開を見せています。
台湾まぜそばの場合は、先述したように台湾ミンチ、刻みニラに刻みネギ、魚粉、卵黄、おろしニンニクなどが主流ですが、お店によっては明太子、キムチ、マヨネーズ、チーズ、納豆、醤油バターなどをトッピングとして取り入れているお店もあります。ここで挙げた以外にも、お店によってトッピングの種類は多種多様です。また、油そばの場合は味を変えたい時に使用する調味料も酢やラー油などシンプルな場合が多いですが、まぜそばの場合は酢やラー油はもちろん、タバスコやカレー粉、豆板醤などお店によって味変の調味料はさまざまです。トッピングを豊富にしたり、調味料に独自のものを使ったりすることで、他のお店と差別化を狙っているようです。
- たれと麺の合わせ方の違い
油そばとまぜそばはもとは同じ料理を指していましたが、現在では麺とタレの合わせ方が異なります。油そばは、どんぶりの底に入れてあるタレと油の上に麺が盛り付けられており、自分の手で全体を混ぜて食べます。
それに比べ、まぜそばのタレははじめから麺に絡めてあり、麺に味がついている状態で提供されることが多いです。これは、油そばと比べ、トッピングの量が多いことで、うまく麺とたれを混ぜ合わすことが難しいからだと考えられています。お店によってはまぜそばのタレがスープとは言えないものの、タレが多めに入れられて提供されることもあります。まぜそばは、麺とタレをしっかり絡ませたものを食べることができるので、最初から最後まで濃い味を楽しむことができます。
- 使われる油の違い
油そばとまぜそばの違いは、使われる油にもあります。油そばに使われる油は、基本的にはサラサラでスルッとのどごし良く食べられる植物性のものです。サラッとしていて、味付けもシンプルなのでさっぱりと食べれます。それに比べ、まぜそばの場合はラードなどのこってりした動物性を使うことが多いです。まぜそばは油そばよりもトッピングが多い分、こってりと存在感のある味付けで麺を和え、バラエティー豊かな料理といえるでしょう。
油そばとまぜそばには明確な違いの定義はされていないものの、それぞれ独自に進化していることがわかりました。今後も新たなメニューとして発展していくでしょう。
https://www.olive-hitomawashi.com/column/2020/10/post-12371.html
3.まぜそばをおうちで食べよう!オススメの食べ方やレシピを紹介
ここまでは、まぜそばの歴史や油そばとの違いについて紹介してきました。では、実際においしく食べるためのオススメな食べ方やおうちでつくれるまぜそばのレシピをご紹介していきたいと思います。
まずはどのお店でも共通で提唱されているポイントをご紹介します。
【まぜそばをおいしく食べるためのポイント】
- トッピングと麺はしっかりと混ぜる
まずは麺とトッピングをしっかりと絡めます。
よく混ぜることで味が均等になり、美味しさもアップします。
- 途中で調味料を加えて味変を楽しむ
まぜそばに、酢やマヨネーズ、ニンニクなどを追加して自分好みの味付けにしましょう。
- 〆の追い飯のために少し具を残す
まぜそばを提供する店舗では、食べ終わりに少量の白ご飯を追加するお店もあります。まぜそばのトッピングは量も多いですし、麺だけでなく白ご飯にもピッタリです。
どれも簡単ですので、まぜそばを食べる際はぜひお試しください。
【まぜそばをおうちでつくろう!】
一見自宅でつくることが難しそうなまぜそばですが、意外と簡単につくることができます。実際にレシピを紹介します。
台湾まぜそば
【材料2人分】
- 中華めん(太麺)…2玉
(A)
- ごま油…小さじ1
- 塩…少々
(台湾ミンチ)
- 挽肉(豚)…200g
- ごま油…小さじ1
- 豆板醤…小さじ2
(B)
- オイスターソース…大さじ1
- 醤油…大さじ1
- 酒…大さじ1
- 砂糖…小さじ2
(トッピング)
- ニラ…1/2束
- 小ネギ…4本
- ニンニク…2~4片
- 焼き海苔…2枚
- かつお節…10g
- 卵黄…2個
【作り方】
①トッピングを準備する。
かつお節は袋の上からよくもみ、細かくします。
※魚粉の代替で使用
②小ネギは小口切りにし、ニラは5mm幅に切る。
焼き海苔はキッチンバサミで細かくカットする。
ニンニクはガーリックプレスで潰す。※お好みですりおろしやみじん切りにしてもOK
③中華めん(太麺)を指定の時間に茹で、冷水にさらしぬめりをとる。
水気をきって(A)のごま油小さじ1・塩少々をしっかり混ぜ、どんぶりに盛る。
④台湾ミンチを作ります。
ごま油・豆板醤をフライパンで熱し、挽肉を加えて中火で炒める。
⑤④に(B)のオイスターソース大さじ1・醤油大さじ1・酒大さじ1・砂糖小さじ2を加えて、中火で2分ほど煮込む。
汁気は完全には飛ばさずに、とろみのあるスープが残る程度になれば台湾ミンチの完成。
⑥③の麵の上に⑤の台湾ミンチを盛り付けて、まわりに小葱・ニラ・ニンニク・海苔・かつお節をトッピングする。
台湾ミンチの中央をくぼませ、そこに卵黄をそっと落として完成。
【台湾まぜそばのオススメアレンジ】
違うトッピングをちょい足しして自分好みの味にしてみましょう。
ダイスカットしたフレッシュトマトを足すと彩りもよく、トマトの爽やかさがこってり台湾ミンチにマッチします。
キムチを足せば韓国風の味わいに、マヨネーズやチーズのちょい足しはまろやかさやコクが生まれます。
細切りキュウリ、かいわれ、紅ショウガ、福神漬けなどもさっぱりとしてオススメです。
4.まとめ
まぜそばはもともとは油そばから派生した、比較的新しい麺料理だと解説してきました。ブームが去ることなく、今もなお人気な理由は時代によって進化し、さまざまなトッピングや味が生まれているからでしょう。
まだ食べたことない方も、すっかりまぜそばのファンの方も、いろいろな味にチャレンジして自分にぴったりの味を見つけてみてください。