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カップラーメンはなぜ誕生したのか?歴史から発展まで楽しく学ぼう!

2022.10.25

カップラーメンはお湯を注ぐだけで簡単にすぐ調理できるので、食べる機会が多い人もいるでしょう。インスタント食品でも、代表的なカテゴリーです。最近では、キャンプに持参し食事したり、カップラーメンのアレンジレシピを紹介したり、多くの注目を浴びています。この記事では、歴史が発展した背景などについて解説していきます。

1.誕生するまでの歴史と発展するまでの経緯

カップラーメンは、日清食品の創業者である安藤百福が開発しました。1971年の9月18日に発売した「カップヌードル」が、カップラーメンの記念すべき第一号です。

実は、カップラーメンはインスタントラーメンが販売されたのちに商品化されました。カップラーメンが発売に至るまでには、インスタントラーメンの存在が大きく関わっています。なぜ、カップラーメンが開発されたのかについて紐解いていきます。

まず、インスタントラーメンの始まりとなった商品は「チキンラーメン」です。お湯をかけて2分間待つだけで食べられる即席ラーメンは、魔法のラーメンと呼ばれ、大ヒットを飛ばしました。

「チキンラーメン」を開発したきっかけは、第二次世界大戦後、安藤百福が大阪の梅田の闇市で開かれていたラーメン屋台に、一杯のラーメンを求めて多くの人が長い行列を作っていたのを目にしたからでした。このとき、日本人は麺類が大好きであることを確信し、麺業界に参入することを考えたと言われています。

そして、当時の日本は敗戦によって、大変貧しく食べるものもない劣悪な食生活でした。安藤百福は、「おいしいこと・長い間保存できること・簡単な調理であること・価格が適正なこと・衛生的で安全であること」の5つの目標をかかげて、研究の末「チキンラーメン」を開発しました。

この画期的な商品は、またたく間に広く知れ渡り、発売後すぐに品切れとなってしまいました。ですが、生産者の頑張りによってすぐに安定供給でき、誰もが認める優れた食品となったのです。

インスタントラーメンは人気が衰えることを知らず、需要も維持していくために商品開発や価格の競争によって大きく成長していきました。

第一期黄金時代と呼ばれる1961年から1965年までは、わずか4年で約5倍ほどのメーカーがインスタントラーメン市場への参入をしたのです。

しかし、どんなインスタントラーメンでも売れるということは無く、品質をより良くする課題もありました。これによって生み出されたのが、スープ別添えタイプのインスタントラーメンでした。麺やスープの味も深まり、トッピングもアレンジできるなどの理由で主婦からの好感を高めることができました。

そして、第二期黄金時代に突入し、さらに激しい競争が繰り広げられます。数多くの新商品が発売されるようになり、ブームを起こすと一躍大手メーカーへと成長しました。1961年は生産食数5億5千万食でしたが、1963年には20億食、1965年には25億食にまで達しています。各メーカーが生産の増強を図ったことで、インスタントラーメンはますます大きな市場へと拡大したのです。

その後も、新しいブランドの誕生、ノンフライ麺の登場などが続き、発売されて10年が経ちました。この時期には、メキシコオリンピックの開催や、日本では三億円事件が起こりました。1968年には企業が続々と倒産し、主原料である小麦粉の販売価格を2.5%値上げする結果になります。この先も、小麦粉だけでなくラードまで大幅値上げとなり、価格は上昇していきました。

そうして、インスタントラーメンの伸び率停滞を迎えてしまうことになります。こうした状況を打破するために開発されたのが、1971年9月に発売された日清食品の「カップヌードル」でした。

小売価格は当時で100円、発泡スチロールの容器に入った味付け麺、そして1食ごとにフォークが付属されており、新発想で革新的なカップラーメンの登場です。袋麺とカップ麺の2大ジャンルを築き上げました。インスタントラーメン市場に大きな影響を与えたと言えます。

「カップヌードル」をきっかけに、多くのメーカーがカップラーメンの開発・販売に参入しています。この時期の1969年は、第二次資本自由化にともない、翌年の1970年から日本マクドナルド、日本ケンタッキーフライドチキンなどが誕生します。また、「すかいら〜く」1号店が開店するなど、高度消費時代を迎えて食に対する価値観やライフスタイルが大きく変化していったタイミングです。「カップラーメン」は、時代の移り変わりに対応できた商品だからこそ、歴史に残ることができています。

2.カップラーメンと袋ラーメンのメリット・デメリット

「カップラーメン」と「袋ラーメン」のどちらも、お湯を注ぐことや鍋で煮ることで簡単に調理できる即席ラーメンです。プラスチックの容器に入っているのが「カップラーメン」、袋で包装されているのが「袋ラーメン」になります。

 2つのラーメンの製法は、「瞬間油熱乾燥法」を使用しています。「瞬間油熱乾燥法」とは、麺を高温の油に入れると、水と油の温度差によって麺に含まれる水分が外に弾き出されるという仕組みです。そうすると、麺はほぼ完全に乾燥状態になるので、長い間保存できます。

ここからは、「カップラーメン」と「袋ラーメン」を比較してメリット・デメリットについて解説します。

【カップラーメンのメリット】

  • 食器の代わりになるので後片付けが楽で手間がかからない
  • お湯だけあればどこでも作れる
  • 数多くの商品が販売されている

【カップラーメンのデメリット】

  • 袋ラーメンよりもゴミが出る
  • コストがかかるので単価が高くなりやすい
  • 荷物がかさばりやすい

【袋ラーメンのメリット】

  • 価が安く購入しやすい
  • 1袋売りや5袋入りなど個数を選べる
  • 好きなトッピングを入れてアレンジができるので調理の幅が広がる

【袋ラーメンのデメリット】

  • カップラーメンに比べて調理や後片付けに時間がかかる
  • 付属のかやくが少ない傾向にある
  • パック販売が基本なので食べ飽きやすくなる

種類が豊富かつ手軽なカップラーメン、アレンジがしやすく単価が安い袋ラーメン。どちらにも魅力があり、どんなシーンで食べるかで選び方も変わりそうです。

3.自分だけのオリジナルカップヌードルを作ってみよう!

現在は日本に限らず世界まで進出している「カップラーメン」。その歴史のはじまりとなるカップヌードルですが、自分だけのオリジナルカップヌードルを作れることを知っていますか?

横浜と大阪池田には、カップヌードルミュージアムがあり子供から大人まで楽しめることができます。この施設には、さまざまな展示やアトラクションがありますが、その中の一つに「マイカップヌードルファクトリー」という工房が設置されています。

自分でデザインしたカップに、スープ・具材を選ぶことができます。スープはしょうゆ・シーフード・カレー・チリトマトの4種類から、具材はたまご・ねぎ・チーズ・謎肉など12種類もあり、自分好みのカップラーメンを作れます。休日に訪れる際には、待ち時間が発生する可能性もあるので、早めに行くのがおすすめです。

この記事では、カップラーメンが開発された背景や歴史について説明してきましたが、カップヌードルミュージアムでは、アニメーションで概要をわかりやすく把握できたり、安藤百福が「チキンラーメン」を開発するために建てた研究小屋の再現していたりで、楽しみながら学べること間違いなしです。

4.カップラーメンの人気ランキング紹介!

普段から食生活を支えてくれて、身近な存在の「カップラーメン」ですが、数多くの種類がありありとあらゆるメーカーから販売されています。

ここでは、TBSのテレビ番組ジョブチューンで以前放送された「人気ラーメン店店主122人がぶっちゃけ!本当に美味しいと思うカップラーメン」のランキングからTOP3を発表します。

同率第3位 蒙古タンメン中本

人気チェーン店の味がカップラーメンになった商品で、大きな話題になりました。再現度の評価が高く、第3位にランクインしています。

「食べてみたいけど辛そう!」という蒙古タンメン初心者さんには、アレンジをしてみるものおすすめです。ここで投入するのは、たまご豆腐です。一般的なお豆腐だと水っぽくなってしまい味が薄くなりますが、たまご豆腐であれば出汁が入っているので、その心配もありません。たまご豆腐を崩しながら食べると、まろやかさと辛さが中和されます。ボリュームも増えるので、ちょっと物足りないときにもおすすめです。

同率第3位 すみれ

すみれと言えば、多くのラーメン店の中でも名店として名高く有名です。こちらも名店の味と特徴をしっかり再現していることで第3位にランクインしました。すみれの味噌ラーメンは、味噌を焼いていることがポイントです。試作品の段階でしたが、先方が試食に持ってきたラーメンの完成度が高く、特徴を捉えていたことから、1発OKで商品化となったそうです。

第2位 日清ラ王 背脂コク醤油

1992年に発売されてから、今もなお人気が高く第2位にランクイン。製麺方法が独自的で、外側はつるつるで内側はもっちりという違った食感が特徴的です。アレンジレシピとして、ラ王流の油そばの作り方も紹介されていたので、こちらにも記載します。とても簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。

【ラ王流 油そばの作り方】

  • かやく、チャーシュー、熱湯を注いで5分間待つ
  • 5分間経ったら、麺をざるで湯ぎりする
  • 液体スープと粉末を半分づつ入れ、ごま油を回しかける
  • 仕上げに黄身をトッピングして完成

第1位 カップヌードルシリーズ

堂々の第1位は、「カップラーメン」の歴史を築き上げるきっかけとなったカップヌードルシリーズでした。世界初の「カップラーメン」として登場してから、売上もトップを獲り続けています。麺自体に味がついていて、スープの味ごとに麺の太さが異なるのが特徴です。シリーズ全てで評価されており、どの味を食べても完成度が高いことが分かります。