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乳化って何?家のペペロンチーノをワンランクアップさせるポイント!

2022.07.11

「家で作るペペロンチーノは水と油が分離している」

「お店と家のペペロンチーノは何が違うの?」

上記のような、不満や疑問を持ったことはないでしょうか。

普段おうちで作るペペロンチーノはお店で食べる味と比べると何かが違う気がするのではないでしょうか。

それは、きちんと「乳化」ができていないからかもしれません。

本記事では、

  • 乳化とは何か
  • 乳化の方法
  • 乳化をつかった美味しいパスタレシピ

をご紹介していきます。

1.ペペロンチーノに乳化は必要!

みなさんは『乳化』という言葉をご存知でしょうか?

実はペペロンチーノを作るときにこの乳化が出来ていないと残念な仕上がりになってしまうことが多いです。

ここでは、乳化とは何かを解説していきます。

(1)乳化とは

本来、水と油は混ざりあわない性質なのですが、それらが綺麗に混ざり合った状態のことを言います。

普段良く見慣れている代表的なものを例に挙げると『マヨネーズ』がまさにそうです。

マヨネーズは酢(水)と油からできていますが、分離しておらずクリーミーな状態ですよね。

実はマヨネーズには乳化剤として卵黄が使用されています。

これは卵黄に含まれるレシチンが乳化剤として働いて綺麗なマヨネーズに仕上がります。

このようにある乳化剤によって水と油がきれいに混ざり合った状態を乳化と言います。

(2)乳化させる理由

乳化させている理由は、以下の2つです。

乳化させるとソースにとろみが出て、麺に絡みやすくなることで美味しく仕上げることができる

脂が水分と乳化されることでクリーミーな状態になり、ギトギトとした油っぽさが軽減され口当たりがよくなる

少しの手間で口当たりも味も大きく変えられるテクニックです。

しかし、特段難しいわけではなく簡単にだれでもできるため次の章でしっかりと説明します。

2.ペペロンチーノのソースを乳化させる方法

美味しいペペロンチーノを作るにあたって大きく分けて3つの工程があります。

それぞれの工程では塩加減や火加減などとても細かい部分にはなりますが、気をつけるべきポイントがあります。

同時に記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。

(1)パスタを茹でる

まずは、パスタをゆでます。

パスタをゆでる際には下味をつけてソースの絡みを良くする目的で塩を入れます。

大体0.5〜1%の塩分濃度が良いと言われているため、お湯1Lあたり小さじ1〜2の塩を入れるようにしましょう。

茹で時間は、商品によって時間は異なります。

しかし、フライパンに移して炒める際にも火が入るため、表示時間の1分少なめを目安に茹でるのがおすすめです。

いわゆる麺の中に細い芯が通ったような「アルデンテ」の状態です。

アルデンテの状態であることで、麺の仕上がりが柔らかくなりすぎるのを防ぎます。

(2)にんにくと唐辛子をオリーブオイルで炒める

ソース作りに入ったら、まずは火をかけない状態でオリーブオイル、にんにく、唐辛子を入れましょう。

普通、料理では油を加熱してから炒める食材を入れるのが一般的です。

しかし、それではにんにくや唐辛子があっという間に焦げてしまい、せっかくの風味を損ねてしまうのでご法度です。

まずは弱火から加熱してじわじわ音がしつつ、にんにくの良い香りがしてくるのを待ち、それ以降もにんにくが焦げないように注意しましょう。

(3)ソースを乳化させる

ここの段階でいよいよ乳化させます。

にんにくの香りがしたら、パスタを入れて炒めていきますが、この時パスタの茹で汁をお玉1/2〜1杯ほど加えていきます。

水と油が混ざらないことは先述しました。

しかし、パスタの茹で汁に含まれるでんぷんが水と油を乳化させる乳化剤の役割を担ってくれます。

「じゃあ茹で汁いれればいいんだ」と思うかもしれませんが、入れるだけでは残念ながら乳化が追い付かずに失敗してしまう可能性があります。

3.ペペロンチーノの乳化を成功させるポイント

ペペロンチーノの乳化を成功させるには以下の4つのポイントがあります。

  • 茹で汁は少しずつ追加する
  • 茹で上がる直前の汁を使う
  • 十分に空気を含ませる
  • 茹で汁に昆布を加える

1つずつ分かりやすく解説します。

(1)茹で汁は少しずつ追加する

茹で汁は少しずつ追加することを心がけましょう。

乳化剤である茹で汁を一気にフライパンの中へ入れてしまうと、水と油が乳化しきれずに分離したまま失敗してしまう恐れがあります。

茹で汁を加えるときは様子をみながら2〜3回に分けて入れるのがおすすめです。

お玉で入れることで入れる回数を少なくすることが出来ますが、慣れるまでは大きめのスプーンなどを使用した方がこぼしにくく安心です。

(2)茹で上がる直前の汁を使う

必ず茹で上がる直前の汁を入れるようにしましょう。

先述した通り、ペペロンチーノソースの乳化ではでんぷんが含まれた茹で汁が必要となります。

茹で始めのお湯を使用すると、麺からお湯にでんぷんが余り溶け出ていない可能性があるためうまく乳化しない恐れがあります。

せっかく同じお湯を使うなら、茹であがる直前のでんぷんが多く溶け出たお湯を使用することで、より乳化を安定させることができます。

(3)十分に空気を含ませる

乳化を成功させるには、十分に空気を含ませながら混ぜるのも大きなポイントです。

フライパンを縦に揺すりながら、菜箸で手早く混ぜると上手く混ぜることができます。

この動作によって、油が空気によって膨らみやすくなり、そこに水分が入って馴染みやすくなると言われています。

見た目では少し、白っぽくクリーミーになってきます。

炒めながら空気を含ませるように混ぜ続けるのは少し手間ですが、美味しいペペロンチーノを作るには重要なポイントです。

(4)茹で汁に昆布を加える

この方法は新たに昆布を使用することとなりますが、乳化を安定させるには良い方法です。

昆布に含まれるグルタミン酸はアミノ酸の一種になるのですが、このグルタミン酸が乳化剤の役割を持つと言われています。

大きく味に変化があることはありませんが、和風のパスタを作るときなどは昆布の風味やうま味が加わりますのでより美味しいペペロンチーノに仕上がります。

昆布を使用するときは繊維に逆らうように切り込みを入れると、よりアミノ酸が出やすくなります。

4.乳化を使って作る絶品パスタレシピ

パスタと茹で汁をしっかり乳化させることでいつもの普段のおうちパスタが絶品パスタへと早変わりします。普段のおうちランチやディナーにはもちろん、おもてなし料理として作れば家族も友達もビックリすること間違いありません。

今日は乳化を使って作る絶品パスタレシピを紹介していきます。

(1)柚子胡椒ボンゴレ・ビアンコ

パスタの中でも大人気のボンゴレビアンコにゆず胡椒をプラスしてみました。

青柚子の独特な辛みにさわやかな香り。

チューブタイプのゆず胡椒で作れるのでどの季節でもお手軽に作れるのがうれしいですね。

【材料(2人分)】

  • あさり  200g
  • パスタ 160g
  • 白ワイン  50ml
  • 柚子胡椒 小さじ1
  • あらびき黒こしょう   少々
  • 大葉     3枚

【A】

  • にんにく(みじん切り )1片分
  • しょうが(みじん切り) 1片分
  • 唐辛子(輪切り) 小さじ1
  • オリーブオイル 大さじ2

【作り方】

  1. あさりを塩水(分量外)につけて砂出しし、殻をこすり合わせて洗う。
  2. 大葉は千切りにする。
  3. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、スパゲッティを加えて袋の表記時間より1分短くゆでる。
  4. ゆで汁を100ml残しておく。
  5. フライパンに【A】を入れて弱火にかけ、香りが立ったら2を加えて中火でさっと炒める。
  6. 白ワインを加えて蓋をし、あさりの口が開くまで蒸す。
  7. 蓋を外し、スパゲッティ、ゆで汁、柚子胡椒を加えてさっと混ぜ合わせる。
  8. 器に盛り付け、あらびき黒こしょうをふり、大葉をのせる。 

【参考】柚子胡椒ボンゴレビアンコ

https://cookpad.com/recipe/7048194

(2)本格カルボナーラ

カルボナーラって難しいイメージがありませんか?

基本的な乳化と、火加減さえ注意すれば家でも本格的なカルボナーラを楽しむことができます。

【材料(2人分)】 

  • スパゲッティ 200g
  • 水    1L
  • 塩      小さじ2
  • 卵 2個
  • パルミジャーノチーズ 60g
  • 生クリーム  100ml
  • オリーブオイル 大さじ2
  • にんにく(チューブでも)  1片
  • パンチェッタ  80g
  • 塩 少々
  • こしょう  少々
  • 粗挽き黒こしょう 適量 

【作り方】

  1. 鍋に分量のお湯を沸かして、分量の塩をする。
  2. 卵を溶きほぐし、パルミジャーノチーズと混ぜ合わせる。
  3. 生クリームを入れ、混ぜ合わせる。
  4. にんにくの芽を除き、叩き潰す。
  5. フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火で香りを出す。
  6. スパゲッティを茹で始める。
  7. (自分のタイミングで)パンチェッタを入れ、こんがり色づくまで加熱する。
  8. 茹で汁をお玉1杯入れて混ぜ、乳化する。茹で上がったスパゲッティを入れ、⑥のソースを吸わせる。
  9. 3を加えて弱火で混ぜ合わせる。
  10. 塩、こしょうで調味する。皿に盛り付け、粗挽き黒こしょうを振る。

【参考】プロ直伝!意外と簡単本格カルボナーラ

https://cookpad.com/recipe/7158307

(3)トマトソースとベーコンのパスタ

ガーリックオイルとトマトソースがマッチして絶品なパスタ。

日持ちしやすいトマト缶やベーコンでお手軽に作れるのも嬉しいポイントです。

パンやワインと一緒に楽しむとより一層本格イタリアンが楽しめます!

 【材料 (2人分)】

  • パスタ                            200g 

A (ガーリックオイル)

  • ニンニク              1片
  • オリーブ油           25ml

B (トマトソース)

  • トマト缶              1缶
  • ベーコン              75g
  • 塩                         小さじ1/2

【作り方】

  1. ガーリックオイルを作っておく。
  2. オリーブ油50mlにニンニクみじん切り2個位。
  3. 万能調味料として色々な料理に使えます。
  4. トマトソースも作っておく。
  5. フライパンにガーリックオイル、トマト缶を入れて煮込み、最後に塩を入れ味調整、約10分。
  6. ベーコンを軽く炒めてそこへトマトソースを入れて軽く煮込む。
  7. 多めの水に塩を入れ沸かしてパスタ投入。茹でる。
  8. フライパンにトマトソースを入れておき、パスタを入れる。
  9. 茹で汁大さじ1、ガーリックオイル大さじ1を入れて弱火で軽くあえる

【参考:簡単 トマトとベーコンのパスタ】

https://cookpad.com/recipe/7176864

(4)ベーコンとほうれん草のペペロンチーノ

ジューシーなベーコンにみずみずしい食感のほうれん草はどんな味付けにも合う鉄板の組み合わせです。今回はペペロンチーノにしてシンプルだからこそ抜群に美味しいペペロンチーノを楽しみましょう! 

【材料(2人分)】

  • ベーコン  120g
  • ほうれん草   2株
  • スパゲティ    160g
  • 鷹の爪   1個
  • にんにく 少々
  • オリーブオイル  大さじ2
  • 塩 小さじ1/3
  • 胡椒  少々  

【作り方】

  1. ベーコンは食べ易い大きさに切り、ほうれん草は綺麗に洗う。
  2. 鷹の爪は種を取り出す。
  3. 鍋にお湯を沸かし沸騰したら塩を入れる。
  4. ほうれん草を入れて1分茹でる。
  5. 湯切りして食べ易い大きさに切る。
  6. ほうれん草を茹でた鍋にスパゲティを入れて規定時間茹でる。
  7. 茹で汁を大さじ4程度取り分ける。
  8. フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、鷹の爪・にんにく(みじん切り)を入れて炒める香りが立ったら、ベーコンを入れて炒める。
  9. 茹で汁を入れしっかりと混ぜて、乳化させる。
  10. ほうれん草・湯切りしたスパゲティを入れる。
  11. 塩こしょうを少しずつ入れて味見しながら味を整える。

【参考】ベーコン&ほうれん草のペペロンチーノ

https://cookpad.com/recipe/7147146

(5)ナスとベーコンの和風パスタ

【材料(2人分)】

  • パスタ  2束
  • お湯  500ml
  • ベーコン     適量
  • 茄子 1本
  • にんにく 少量
  • オリーブオイル 大さじ2
  • 野菜類 お好み
  • コンソメキューブ  1つ
  • ポン酢  大さじ1
  • 塩  少々
  • 粗挽き胡椒  少々

 【作り方】

  1. 茄子は皮を削ぎ、ベーコンと共に適当な大きさに切る
  2. フライパンにオリーブオイルを熱して、にんにく、ベーコンを炒め、焦げ目がついたら茄子を投入して軽く火を入れる
  3. フライパンにお湯を注ぎ、パスタ、塩、コンソメ、野菜類を入れて、強火で1分加熱強火にして、ポン酢を入れて水分を飛ばす

【参考:味変する茄子とベーコンの和風パスタ】

https://cookpad.com/recipe/6334021

5. 家でもお店のようなパスタが作れる!

本記事では、乳化とは何か、ペペロンチーノの乳化方法や家で作る乳化方法をご紹介しました。

本格ペペロンチーノをおうちで作るとなると少し難しいのではないかと思っていた方もいるかもしれませんが、ほんのひと手間でおうちでも絶品ペペロンチーノが味わうことが出来ます。

ぜひ、本記事を参考にして家でも美味しいペペロンチーノを作ってみて下さい。