麺コラム

冷やし中華の発祥はどこ?アレンジレシピもご紹介!

2022.03.15

夏の風物詩である「冷やし中華」。冷やし中華の発祥はどこなのか知らない方も多いのではないでしょうか?

本記事では、冷やし中華の発祥はどこなのかを説明します。

夏になると街でもよく見る広告「冷やし中華はじめました」。

そんな中華という名前ながら日本でも親しみの深い冷やし中華はどこで生まれたものなのでしょうか?

本記事では、

  • 冷やし中華の発祥
  • 冷やし中華が広まった理由
  • 冷やし中華の他の麺との比較

をご紹介します。

1.そもそも冷やし中華とは

冷やし中華は、茹でた中華麺を冷水で冷やして、麺の上にきゅうりやトマト、ハムなどの具材を盛り付ける料理で、夏の代表的な食べ物となっています。

具材としてよく使われているのは肉類(ハム、蒸し鶏)、錦糸卵、夏野菜(きゅうり、トマト等)が使用されるのが一般的で、彩りよくかつ中心から放射線状に麺の上に盛られています。

かけ汁は、醤油ベースと胡麻ペースの2種類がポピュラーです。

2.冷やし中華の発祥

冷やし中華は、名前に中華がつくため中国生まれの料理だと思われがちです。

しかし、実は日本生まれの料理です。

発祥とされているお店も多数存在しており、日本では古くから食べられてきた食品の1つです。

ここでは、冷やし中華の歴史を紹介していきます。

(1)元祖は仙台

冷やし中華は意外にも日本で生まれた料理です。

その元祖は、宮城県仙台市にある中国料理店「龍亭」ではないかと言われています。

龍亭での冷やし中華誕生は、昭和12年の夏にできたのではないかと言われています。

東北といえ、夏は熱く、中華料理は熱いイメージがあるため売上が低下していました。

仙台では、毎年夏に仙台七夕まつりというお祭りが開催されています。

その時期に、観光客をターゲットにし売上を伸ばす考えとして考案されたのが「冷やし中華」でした。

誕生した当時は、キャベツや人参などの野菜をのせただけのものでしたが、少しずつ改良されていき、肉や野菜など多くの具材が乗った現在の形になっていきました。

(2)西日本では冷麺 北海道では冷やしラーメン

西日本の一部では、冷やし中華の事を「冷麺」と呼びます。

冷麺は、もともと朝鮮半島の冷たい料理を指すものです。

そば粉や小麦粉を原料に作られる、コシのある麺が特徴の「韓国冷麺」もその1つです。

西日本では、このような冷たい冷たい麺の料理を総称して「冷麺」とよんでいます。

ちなみに、北海道では「冷やしラーメン」と呼ばれています。

なぜ冷やしラーメンと呼ばれているのかは諸説ありますが、北海道では北海道ラーメンなど「ラーメン」の人気が高かったからではないかと言われています。

3.冷やし中華が広まった理由

全国的に人気の高い「冷やし中華」。なぜこんなにも日本で人気が高くなり、広まっているのでしょうか?

ここからは、冷やし中華が日本で広まった理由をご紹介していきます。

(1)戦後から全国的に広まった

冷やし中華の原型となる料理は、第二次世界大戦後頃に作られたと言われています。

その原型は、細切りに切った具を皿に盛り付けるという現在の形に近いものです。

これは、2代目オーナーの周子儀氏が、上海料理のもやしと細切りの肉を冷えた麺の上に乗せる料理)と日本のざるそばから発想して生まれたとされています。

また、この料理の1番の特徴である、細切りの具麺の上に飾る盛り付け方は、富士山と積もる雪をイメージして作られたと言われています。

現存する、神田神保町の揚子江菜館では、「五色涼拌麺」というメニューとして当時のままで現在も提供されています。

(2)家庭向け商品の登場で人気が拡大

冷やし中華が、全国的に広がったのは「家庭向け冷やし中華」の販売があったからではないかと言われています。

仙台にある製麺会社「だい久製麺」が家庭用の冷やし中華「元祖だい久 冷やし中華」を販売したのが、初めてだと言われています。

当時は、画期的だった生麺と液状のタレがセットになった商品で、いつでも手軽にたべられるとして消費者の心を掴みました。

「元祖だい久 冷やし中華」が販売されるまで、「冷やしそば」や「冷やし中華そば」など統一されていませんでしたが、これを機に「冷やし中華」と統一されていきました。

それほどまでに、この商品がブームになっていた事がわかります。

4.冷やし中華はダイエットに向かない

冷やし中華は、さっぱりとしており、カロリーも少ないそうなので、ダイエットに向いているのではないかと思われがちです。

しかし、冷やし中華は意外にもダイエットには向かない食品の1つです。

ここからは、他の麺を比較しながらダイエットという面から冷やし中華を紹介していきます。

(1)他の麺類との比較

同じ麺類と冷やし中華をエネルギーと糖質量で比較したのが以下の表です。

冷やし中華醤油ラーメン冷やし担々麺冷麺
エネルギー526kcal481kca839kcal503kcal
糖質量69.3g66.9g 74.9g 77.6g

冷やし中華の糖質量は、比較するとかなり高いというわけではなく、この中では控えめの糖質量です。

担々麺や冷麺よりも控えめ、キムチや果物などの糖質含有量の高い冷麺に比べ、冷やし中華の具はきゅうりやもやしなど、野菜が中心の具材などが中心のため、糖質量が抑えられています。

(2)カロリーが高い理由

冷やし中華には、きゅうりやトマトなど定番の食材がありますが、そのなかでも注意したいのがロースハムです。

100gあたりのカロリーは196kcalであり、同量で比較すると冷麺などの具材にもなる「焼豚」よりもカロリーが高くなっています。

多く乗せることで彩りよくなりますが、ダイエット中でカロリーが気になる方は、使う量に気をつけましょう。

ロースハムだけでなく、低カロリーなプレスハムやチョップドハムを使うのもおすすめです。

また、中華麺も意外とカロリーが高い原因です。

一人前(230g)で、343kcalと冷やし中華のカロリーの7割以上になっています。

冷やし中華を食べる際は中華麺の量に気をつけましょう。

5.ダイエット中に冷やし中華を食べる時に気をつけたいポイント

エネルギーや糖質量が高く、ダイエットには注意したい冷やし中華。

ただ、ダイエット中に冷やし中華を食べたい時にはどうしたら良いのでしょうか?

ここからは、ダイエット中に冷やし中華を食べたい時に気をつけたいポイントをご紹介します。

(1)麺の量を減らす

先述した通り、冷やし中華自体のカロリーの大半をしめている中華麺。

ダイエット中は、麺の量に注意が必要です。

中華麺を半分にするだけで、かなりのカロリーを抑えることができます。

ただ、ダイエット中はお腹が空いてしまうもの。食べごたえをキープするために、こんにゃく麺やしらたきなど、できるだけ糖質の少ない材料を使用している食材に置き換えるのがおすすめです。

(2)野菜のトッピングを増やす

中華麺を減らすと出てくる問題の1つとして、食べごたえがなくなることが挙げられます。

そんな時は、きゅうりやトマト、もやしといった野菜のトッピングを増やすことを心がけましょう。

冷やし中華の定番である、これらの具材は低カロリーで食物繊維も多量に含まれる食材です。

食物繊維が豊富に含まれており、消化に時間がかかるため空腹感も抑えられます。

野菜を増やすことは、便秘気味の方にも効果的なのでおすすめです。

                                         

(3)食べる順番を意識する

食べる順番に気をつけることで、ダイエットを効率よく進められます。

糖質が多く含まれる中華麺から食べてしまうと、血糖値が急激に上昇してしまい、脂肪の蓄積が促進されてしまいます。

できるだけ、盛り付けられている「野菜」から摂取する事を心がけましょう。

野菜に豊富に含まれている「食物繊維」には血糖値の急上昇を抑え腸内環境を整えてくれる働きがあります。

また、よく噛むことに繋がり、食事に満足感を与えられるため腹持ちも良くなります。

6.冷やし中華のアレンジレシピ

野菜を多く摂取することができる冷やし中華は、アレンジレシピもたくさんの種類が存在しています。ここからは、家庭でできるおすすめの冷やし中華のアレンジレシピをご紹介して行きます。(1)おろしきゅうりのさっぱり冷やし中華きゅうりは細胞が壊れると、栄養が摂取しやすくなります。ビタミンCやカリウムなど多くの栄養素が含まれており、熱を排出する効果も期待できます。マンネリ化した冷やし中華もきゅうりをおろすだけで、変化がでるのでおすすめです。【材料】中華麺  2玉きゅうり 1本みょうが 1本オクラ 1本ミニトマト 2個ハム 4枚【A】醤油 大さじ4酢  大さじ4砂糖 大さじ3【B】ごま油 大さじ1生姜 2cmレモン果汁 大さじ1【作り方】きゅうりをすりおろし、みょうが、ハムを千切りにするオクラヘタを取り、ミニトマトはヘタを取って2糖分にする【A】をAを小鍋に入れて沸騰させたらBとすりおろしたきゅうりを入れて冷やす。沸騰させたお湯にオクラを入れてさっと茹で、縦に2等分に切る中華麺を茹でるよく水気を切った中華麺を器に盛り、上から冷やした3をかける残りの具材を乗せる【参考】おろしきゅうりのさっぱり冷やし中華(2)さっぱり梅風味冷やし中華外気の暑さと家の中のクーラーの温度差などでなってしまう「夏バテ」。そんな夏バテに効果的だと言われているのが、クエン酸だと言われています。そんなクエン酸が豊富に含まれているレシピをご紹介します。【材料】(1人前)中華麺 1玉きゅうり 1/2本トマト 1/2個ハム 2枚卵 1個片栗粉 小さじ1サラダ油 大さじ1【A】梅肉 3g酢 大さじ2砂糖 小さじ2塩 少々しょうゆ 小さじ1/4ごま油 大さじ1白いりごま 大さじ2【作り方】きゅうりを千切りにし、トマトは半月切りにする。ハムは1cmの短冊切りにするボウルに卵、片栗粉を入れてよく混ぜ合わせるフライパンにサラダ油を熱し、2を入れて中火で薄焼き卵を焼き、冷まして千切りにしますお湯が沸いた鍋に中華麺を入れて茹でるボウルに【A】を混ぜ合わせる器に4を盛り、上に1,3を盛り付け、5をかける【参考】さっぱり梅風味冷やし中華(3)冬の冷やし中華 あつあつトマトあんかけ一般的に「冷やし」という言葉のため、夏に食べることが多い冷やし中華ですが、温かくするアレンジもあります。ぜひ、このレシピで夏だけではなく冬も冷やし中華を楽しみましょう【材料】中華麺 2玉トマト 1個長ネギ 10cmきゅうり 2/3本ザーサイ 20g焼豚 80g卵 1個片栗粉 大さじ2【A】水 小さじ2片栗粉 小さじ½【B】しょうゆ 大さじ2酢 大さじ2酒 大さじ1鶏ガラスープの素 大さじ½ごま油 大さじ2水 400ml【作り方】お湯を沸かしておくトマトは半分をくし切りで6等分、もう半分を1cmの角切りにする長ネギは半分の長さにし、繊維に沿って切り込みをいれて芯を出す白い部分を重ね、繊維に沿ってできるだけ細く切って、氷水に入れるきゅうりは縦半分に切り、中心のワタの部分をスプーンでかき出してから、斜め薄切りにするザーサイ、焼豚は細切りにするボウルに卵を入れて溶き、【A】を入れてよくかき混ぜる薄焼き卵を作り、できたら5cmの長さに千切りにするきゅうりとザーサイを加え、塩、こしょうを振って炒める小鍋にトマトと長ネギの芯、Bを入れ中火にかけるトマトが煮崩れたら、水溶き片栗粉を溶き入れるしっかりととろみが付いたら火を止めておいておく沸騰した湯に中華麺を入れ、表示時間通り茹でる。冷水でヌメリを洗い水気を切ったら器に盛る麺の上に具材を乗せる【参考】冬の冷やし中華 あつあつトマトあんかけ

7.冷やし中華は日本に根づく「日本の」料理

本記事では、冷やし中華の発祥、冷やし中華のおすすめレシピをご紹介してきました。

中華と名前がついているものの、日本が産んだ日本の料理という事がわかりました。

ぜひとも、今日は冷やし中華ができた頃の日本を思い出しながら、冷やし中華を食べてみるのはいかがでしょうか?