そうめん

流しそうめんの歴史 「流しそうめん」と「そうめん流し」は違う?オススメスポットもご紹介

2022.12.22

夏の風物詩「流しそうめん」。竹を縦半分に割り、水と一緒にそうめんを流し、流れてきたそうめんをお箸ですくいながら食べる、想像するだけでワクワクしますね。大人も子供も楽しめる流しそうめんですが、どこでいつから始まったのでしょうか?

この記事では、流しそうめんの歴史から、なぜ流すのか、実は知らない流しそうめんとそうめんの流しの違いなどを説明していきます。最後に、流しそうめんを食べられるスポットもご紹介します。是非、参考にしてください。

目次

  1. 流しそうめんの歴史
  2. そもそもなぜ流す?
  3. 「流しそうめん」と「そうめん流し」実は別物!?
  4. 全国各地のご当地そうめん
  5. 流しそうめんが食べられるスポット5選
  6. まとめ

1.流しそうめんの歴史

流しそうめんの発祥地は九州、宮崎県の高千穂町。昭和30年に生まれた意外と新しい食べ方なんです。

始まりには諸説あります。

①暑い夏の時期に野良仕事をしていた際、涼を得ようと野外で茹でた熱いそうめんを高千穂峡の冷たい水でさらして食べていた。このことからヒントを得て商業的にはじまった説。

②江戸時代に薩摩藩の支配下にあった沖縄の人々が、たびたび来る薩摩藩の役人へ接待としておこなっていたものをヒントに。那覇湾の崖から落ちる美しい泉流を利用してそうめんを流し食べ、夏の暑い時期には沖縄担当の薩摩藩役人にとても喜ばれ、それをヒントに商品化された説。

どちらも綺麗な水がある土地ならではですね。

2.そもそもなぜ「流す」?

流しそうめんの歴史がわかったところで、そもそもなぜそうめんを「流す」ようになったのでしょうか。

夏のそうめんは冷たく冷やして食べたいものですよね。

ですが、昔は冷蔵庫・冷凍庫も当たり前にあるわけではなく簡単に冷水を作る事ができませんでした。

湧水や井戸の水は地下から湧き出るため、夏は冷たく冬は温かいという特徴があります。

これを利用して昔の農家の人たちは夏に冷たいそうめんを食べており、これが流しそうめんの始まりと考えられています。

また、ただ冷水にさらしているだけだと夏の暑い日には暑さで水がぬるくなってしまいますよね。

そうなると美味しくないので、水を流しっぱなしにすることで常に冷たい状態を維持し、

そこにそうめんを流して食べるというスタイルが生まれたというわけです。

夏の暑い日に外で冷たいそうめんをワイワイしながら食べたことがある私にとっては

とても良い思い出しかないのですが

ネット上を見てみると否定的な意見もありました。

・衛生面の問題

・準備、片付けが面倒

・流す人が食べられない

特に多かったのが、衛生面の問題でした。

確かに、昨今の現状を考えると気になってしまいますよね。

流れてきたそうめんを何人かが箸で触ったものが下流の方で待っている人に流れていくと考えるとリスクが上がってしまいます。

しかし、普段の食事のように取り箸と食べる箸を使い分けたり、工夫すればリスク回避できそうですよね。

「準備、片付けが面倒」「流す人が食べられない」に関して、

流しそうめん自体エンタメ要素の強いイベントの部類と認識しています。

家で肉や野菜を焼いて食べるのと、外でBBQをするのでは何か違いますよね?

BBQも一種のイベントで、コミュニケーションを楽しんだりすることも食べる事と同じくらい大事な要素です。

流しそうめんも準備・片付けに苦労しながらもコミュニケーションを楽しみながらできるイベントということです。

3.「流しそうめん」と「そうめん流し」実は別物!?

「流しそうめん」「そうめん流し」どっちが正しいの?と思ったことありますか?

実は、別物なんです!

「流しそうめん」とは、冒頭にも記載しているように

竹を縦半分に切って、その筒に水とそうめんを流して高低差を利用して食べる食べ方です。

一方、「そうめん流し」は鹿児島県指宿市の唐船峡(とうせんきょう)が発祥の食べ方で

テーブルに円環(ドーナツ状)の容器にそうめんを流して、それをすくって食べる形式です。

温泉地として有名な唐船峡には、現在でも3つの市営のそうめん流し専門店が3つもあります。

「市営唐船峡そうめん流し」

「唐船峡そうめん流し 鱒乃家」

「長寿庵 開聞店」

もっとも古い歴史を持つのが1962年創業の「市営唐船峡そうめん流し」。

当時、豊富な湧き水に恵まれており、清水が1日10万トンも湧き出るため、この湧き水を観光資源に活かそうと昭和37年に現在の指宿の役人が回転式の流しそうめん器を発明します。

これはおもしろい!ということで市営唐船峡が導入したところ、皆ものめずらしさもあり一気に人気になっていきました。

また、昭和45年には回転式そうめん流し器の意匠登録をし、全国で第一号のそうめん流しの発祥の地となりました。

現在、唐船峡には年間約20万人もの人々が訪れています。

家族、友人と一緒にテーブルを囲んで食べる冷たいそうめんは美味しいのはもちろん、楽しいこと間違いなしです。

4.全国各地のご当地そうめん

日本には、全国各地にご当地のそうめんがあります。

その土地毎で製造方法や小麦の種類、形や味が異なります。

特に有名なのが日本三大そうめんといわれる

「播州そうめん」、「三輪そうめん」、「小豆島そうめん」です。

1.播州そうめん(兵庫)

播州そうめんはブランド「揖保乃糸」で知られる日本でもっともポピュラーなそうめん。揖保の糸は、兵庫県手延素麺協同組合が打ち出しているブランドで、厳選した小麦と赤穂の塩を原料に600年受け継がれる伝統製法で作られています。

2.三輪そうめん(奈良)

奈良県三輪市は手延べそうめんの発祥といわれており、その歴史は1200年ほどもあるといわれています。「細きこと糸のごとく雪のごとし」といわれている三輪そうめんの特徴はコシが強いことです。

コシが強いことで細く伸ばす事ができるため、細さも際立っており細ければ細いほど等級が高くなります。

3.小豆島そうめん(香川)

小豆島そうめんは、香川県小豆島でつくられるそうめんで、讃岐うどんの祖先ともいわれており、もちもちとした弾力が特徴です。さらに麺を延ばす際にこちらも特産品である純正のごま油を使用しています。ほんのり黄色がかった麺はほのかにごま油の良い香りがします。

その他にも、

卵麺(岩手)、白石うー麺(宮城県)、大門そうめん(富山)、和泉そうめん(愛知)、大矢知そうめん(三重)、備中そうめん(岡山)、菊川そうめん(山口)、半田そうめん(徳島)、五色そうめん(愛媛)、神崎そうめん(佐賀)、島原そうめん(長崎)、南関そうめん(熊本)があります。

気になったものがあれば、是非食べてみてくださいね。

5.流しそうめんが食べられるスポット5選

最後に流しそうめんが食べられるスポットをご紹介します。

1.「茶屋 かど(ちゃやかど)」(北鎌倉)

 (https://r.gnavi.co.jp/43hphc3b0000/

北鎌倉駅から徒歩約12分のところにあるお家のようなお店。店内からさわやかな風と北鎌倉の緑を堪能できます。竹筒の中を冷たい流水とともに流れるそうめんは、夏の4月〜10月でお庭の裏手で楽しむことができます。とろろ付きや天ぷら付きコースがあり、お店の方がどんどん流してくださりお腹いっぱいになります!

2.「元祖炭火焼き 鮒宿(がんそすみびやき ふなやど)」(調布)

 (https://nagashisoumen-funayado.jimdofree.com/

京王線柴崎駅より徒歩7分のところにある風情ある古民家の中にあります。畳の室内はおばあちゃんの家に帰ってきたような気持ちになります。流しそうめんは7月〜9月の土日祝のみ営業で完全予約制となります。そうめん・天ぷら・トマトセットで大人1,600円です。お子様連れ、デートどちらにもぴったりです。

3.「囲炉里庵 花水木(いろりあん はなみずき)」(埼玉)

 (https://choseikan.com/dininginfo/irorianhanamizuki

緑と清流、荒川の源流に位置する長瀞は、奥秩父の山から流れる豊富な水に恵まれており、美味しい水を使ったそうめんは絶品!さらに、その美味しい水をぜいたくに使った流しそうめんは長瀞の夏の風情あふれる味覚です。料金は1,300円で予約不可のため受付順の案内になります。

4.「ボンゴ ヴィラ」(千葉)

 (https://www.bongovilla.com/

開放感あふれる場所で、お店自慢のつゆ、薬味で食べる流しそうめんは絶品です。予約必須ですが、各ブースに竹が準備してありプライベートで流しそうめんが楽しめます。1人前(2束)500円、3人前からの注文になります。家族、ご友人など大勢でいってものびのびと楽しめます。

5.「渓流 流しそうめん・ほうとう 円右衛門(けいりゅうながしそうめん・ほうとう えんえもん)」(山梨)

 (https://so-men.com/

花崗岩で作られたオリジナルのテーブルには清流が流れており、目の前で流しそうめんが楽しめます。仙峡の冷水を使用しているため、つるっとしたのどごしとさっぱりした味わいのそうめんは最高です!サイドメニューも豊富で野菜天ぷらはサックサクで絶品です。山梨でとれた地産地消の野菜を使用し、天つゆにもこだわっているおすすめの一品です。

6.まとめ

いかがだったでしょうか?流しそうめんの歴史や「流す」理由、流しそうめんとそうめん流しの違い、そうめんの種類や流しそうめんが体験できる場所などを紹介してきました。夏になると食べたくなる流しそうめん。是非、夏が近づいたら本場の九州に赴いたり、おうちやお店で夏の風物詩を味わってみてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。