そば

蕎麦は糖尿病に良い?糖尿病に良い食事やポイントを紹介!

2022.03.10

糖尿病を患っている方は蕎麦を食べても問題ないのでしょうか?

糖尿病の方が蕎麦を食べてよいのか、食べる時のポイントをご紹介します。

「糖尿病になったけど何を食べたら良いの?」

「そばが好きだけど、糖尿病の時は食べていいの?」

日本では、糖尿病患者の割合が徐々に増えています。

平成9年度に行われた厚生省「糖尿病実態調査」によれば、糖尿病が強く疑われる人は690万人、可能性を否定できない人を含めると約1370万人と推測されています。

そんな糖尿病になる人が多い日本ですが、上記のような疑問を持ったことはないでしょうか?

本記事では、糖尿病とそばの関係、糖尿病でおすすめの食材や食事のポイントをご紹介します。

1.糖尿病患者にもそばは食べられる

先に結論をお伝えすると、糖尿病の方も蕎麦は食べられます。

古来から日本の文化に根付いているそばは、健康的なイメージを持っている方が多いかもしれません。

しかし、そば=安心というわけではありません。

食品には、「GI値」という糖質の吸収しやすさを表したものが存在しています。

以下が主な麺類のGi値と糖質量を比較したものです。

そばうどんそうめん
GI値598068
糖質/100g63.7g69.5g75.2g

麺類で比較すると、蕎麦はGI値が最も低くなっており糖尿病に良いのではないかと考えられますが、糖質量は他のものと比較をしても差があまりありません。

そのため、そばも血糖値を上げにくいと言えますが、糖質量が多い食品のため多量に摂取してしまうと、血糖値は上がってしまいます。

食物繊維を含む食材を先に接種することで、血糖値が上がりすぎる事を抑えられるため、わかめや山菜などの食物繊維を多く含む食品を活用し、血糖値の上昇を抑える工夫が必要です。

2.うどんとそばの比較

麺類の中で、特に人気の高い「うどん」と「そば」。どちらも炭水化物を多く含むため、どちらが糖尿病に良いのか分からないという方もいると思います。

ここでは、うどんとそばを比較しどちらの方が糖尿病の方に向いているのかをご紹介します。

(1)そばとうどんの栄養素の比較

エネルギー炭水化物脂質タンパク質
そば114kcal22.1g0.7g4.8g
うどん105kcall21.6g0.4g2.6g

100gあたりで2つを比較すると、白米が最もカロリー、炭水化物が低い事が分かります。

白米よりはカロリーが低くなっていますが、うどんよりは炭水化物や脂質が高いことがわかります。

しかし、うどんよりもそばには、筋肉を作る材料になる「たんぱく質」が多く含まれています。

糖尿病には継続的に運動を行い、血液中の糖を使用し高血糖状態にならないことが重要です。

筋肉をつけることで、代謝もあがりより効率の良い運動になるためそばを食べることはおすすめです。

(2)蕎麦湯を飲むのはあまりおすすめしない

糖尿病の方は、蕎麦湯を飲むのはあまりおすすめしません。

外食でそば屋を訪れた際「そば湯」が出てくる事もあります。

蕎麦湯には食物繊維やミネラルなど多量の栄養素が含まれているため、血糖値や血圧を避けうる糖尿病の方は蕎麦湯を飲んでも良いのか迷ってしまうかもしれません。

そもそも「蕎麦湯」は、そばつゆに醤油やみりん、鰹節など旨味の多い食材を使用し手間暇をかけたそばつゆを美味しく飲むために作られたと言われています。

そのため、蕎麦湯にはそばつゆに含まれている塩分や糖分が多く含まれています。

糖尿病の方は、高血圧や高血糖を避けることが重要です。

そばが好きな方でも、蕎麦湯を飲むのは避けるようにしましょう。

3.糖尿病の方が外食で気をつける点

糖尿病の方は食事に気をつけなければならない点が多くあるため、家で作り血糖値をコントロールしているという方が多いのではないでしょうか?

しかし、付き合いや仕事の忙しさで時間がとれず外食するということも大いにあるでしょう。

しかし、外食には塩分や糖分が過多であり、糖尿病の方に体にはあまり適さないものとなっています。

ここからは、糖尿病の方が外食時に気をつけるべき点をご紹介します。

(1)食物繊維の多いものを選ぶ

野菜や海藻などに豊富に含まれる食物繊維は、腸の中に長時間滞在し、糖質の吸収を抑える働きがあります。

糖質の吸収が抑えられることで、血糖値の上昇を抑えることができ、糖尿病に最も良くないとされる血糖値の上昇を緩やかにします。

食物繊維をあまり摂取できないと、急激に血糖値が上昇して血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こすリスクが上がります。

できるだけ、食物繊維を摂取できるようにサラダなど生野菜だけでなく汁や鍋にいれたりとかさを減らすことでより多くの食物繊維を摂取できます。

(2)脂質が少ないものを選ぶ

肉の脂身や揚げ物の脂、アヒージョの油に多く含まれるのが「脂質」です。

血糖値を上昇させる大きな原因は糖質ですが、脂質を摂りすぎることで起きる問題は内臓脂肪の増加です。

内蔵脂肪から分泌されるTNF-αという物質は血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを妨げる働きがあるため、間接的ではありますが、血糖値をあげる要因にになります。

また、脂質は少なくとも7時間以上、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるとされています。

そのため、脂質に偏った食事をすると血糖値が高い状態が続くことになります。

高血糖が1ヶ月〜2ヶ月など長期間上昇すると、網膜症や神経障害などを引き起こす可能性が生まれてしまいます。

(3)塩分が少ないもの選ぶ

塩分を多く摂取していると、糖尿病の方は、高血圧を合併して発症してしまうケースが多くなっています。

そして、糖尿病と高血圧を合併して発症してしまうことは、体にとってとても危険な状態です。

血管を傷つけてしまい、血管の弾力性が失われた状態をより促進させてしまうからです。

血管の弾力性が失われた状態を続けていると、心臓の血管に被害が起きやすいといわれています。

心臓の血管の状態が悪いと、心筋梗塞や狭心症を引き起こしたり、脳血管に被害があると脳梗塞や脳出血が起きてしまいます。

商品の裏に書いてある食品成分を見たり、料理では減塩の商品を使うなど日々工夫をして塩分の少ない食事をしましょう。

(4)間食は1日に200Kcalまでにする

お菓子やケーキなど間食したいからといって、1食抜いてその分を食べなければいいというわけではありません。

3食のなかで、

  • ごはんやパンなどの主食
  • 肉や魚などのたんぱく質
  • ビタミン、ミネラルが豊富な野菜

一回の食事で、以上のポイントを踏まえた食事をしたあとに、間食はおまけとして考えておきましょう。

1日当たりの間食の目安は、80〜160kcal, 多くても200kcal程度に収めておきましょう

ただ、間食は糖質量も気にして食べましょう。

菓子パンなど糖質量の多いものを毎日200kcal食べていると、血糖値が急激に上昇したままになってしまい、意味がありません。

1回に食べる量を半分から〜1/3程度にして2日に分けて食べるなど工夫が必要です。

4.糖尿病の人が控えたい食品

血糖値が下がらない高血糖状態が長く続くと、いわゆる「ドロドロ」の血液状態となっています。

そんなドロドロの血液を改善するために、最も有効な方法は食事です。

しかし、血糖値が上がりやすく糖尿病の方が控えた方が良い食品も存在しています。

ここからは、そんな糖尿病の方が控えたい食品を3つご紹介します。

(1)せんべい

日本人には馴染みのある「せんべい」は甘くないために食べても良いだろうと思う方がいるかも知れません。

しかし、せんべいの原料は「お米」です。

意外にも、糖尿病の方には控えていただきたい食品の1つです。

例えば、各種せんべい2枚当たりの糖質は21.2gとなっており、これはお茶碗一杯分と同等の糖質量です。

せんべいはプレスして焼いているので、見た目は薄くても多くの米を使っているため、米と同じく血糖値を上げてしまう食べ物であることを知っておきましょう。

ちなみに、「おかき」も控えておきましょう。おかきも原料は「もち米」で米と同じく血糖値を上げる食べ物となっています。

(2)シャーベット

さっぱりとしていて、暑い夏にぴったりのシャーベットも控えた方が良い食品の1つです。

例えば、市販のシャーベットの糖質量は平均的に30g程度です。

対して、血糖値を上げやすいとされているバニラアイスクリームの平均的な糖質量は35gとあまり差がありません。

そのため、どちらも血糖値の上がりやすい食品となっています。

バニラアイスクリームが糖尿病の方に悪いと知っている方ほど、さっぱりとしたシャーベットを選んでしまいがちですが、食べる量には気をつけましょう。

(3)のど飴

喉が乾きやすくなるのは、糖尿病の方の特徴ですが、のど飴をよく舐めるという方は要注意です。

糖尿病の方は、インスリンの働きが不足することで、全身にエネルギーを行き渡らせなくなってしまいます。

その結果、血糖が尿に漏れてしまうこととなり、体が脱水傾向になり喉が渇いてしまいやすくなります。

のど飴は平均して、1粒で2.5g〜3.5gの糖質が含まれています。

砂糖が原料のため、体への吸収も早く、空腹時に続けて摂取すると血糖値が一気に上昇してしまう可能性が高くなります。

しかし、どうしても喉が痛くてのど飴をなめたいという方は、ノンシュガーの物を選んだり、成分表示を見て、糖質が含まれていないものを選びましょう。

5 . 糖尿病におすすめの食品

ここまで、糖尿病で気をつけるべき食品や食べるのを控えた方がよい食品をご紹介してきました。

ただ、糖尿病の方にも食べることをおすすめする食品が存在しています。

ここからは、糖尿病の方が間食や食事に使える食品をご紹介していきます。

(1)ハイカカオチョコレート

チョコレートと聞くと、砂糖が多く含まれているため食べてはいけないと思う方が多くいるかも知れません。

確かに、砂糖が多量に含まれたミルクチョコレートなどは糖尿病の方にはおすすめできません。

ここで、ご紹介するのは、カカオ成分が70%以上のハイカカオチョコレートのことです。

実は、カカオ豆に含まれるポリフェノールの一種「カカオポリフェノール」が役立つ働きがあると言われています。

カカオ分が70%以上のチョコレートを患者に少量ずつかつ長期間食べてもらった調査では、過去1〜2ヶ月の血糖値を図る「HbA1c」に低下傾向が見られましたという報告もあります。

理想は1回につき1枚です。1日5枚程度(25g程度)にするチョコレートの糖質による血糖の上昇を気にせず、ハイカカオチョコレートの効果を得ることができるでしょう。

参考:高カカオチョコ、血糖値改善に期待 「食事前に口にすれば、満腹中枢も刺激して食べ過ぎを防げる」

(2)炒り豆

大豆に含まれている抗酸化物質の一種「イソフラボン」には、インスリン感受性(インスリンの効きやすさ)を改善することが分かっています。

そのため糖尿病の方は、ぜひ摂取したいおすすめの食品ですがその中でもとりわけおすすめなのが「炒り豆」です。

炒り豆には食物繊維が豊富に含まれており、先述した通り食物繊維は血糖の上昇を緩やかにしてくれる働きがあります。

節分以外にも一年通して食べられると良いですね。

(3)ヨーグルト

ヨーグルトに含まれるたんぱく質「ホエイプロテイン」は血糖値を下げる働きがあるといわれています。

体内ホルモンの1つで血糖値を下げる働きのある「インスリン」は膵臓にあるβ細胞から分泌されます。

そのインスリンを分泌しやすいように働きかけるホルモンが、小腸から分泌される「インクレチン」です。

「ホエイプロテイン」を摂取することで、インクレチンの分泌が刺激されインスリンの分泌に繋がり、血糖値の上昇が抑えられます。

ただ、甘いヨーグルトには砂糖が多量に含まれており血糖値を上げる要因になります。

ホエイプロテインの効果が弱くならないように、無糖のものを選びましょう。

6.糖尿病でも選び方によっては蕎麦も食べられる

本記事では、そばの栄養素やうどんとの比較、糖尿病の方が控えるべき食品や、摂取をおすすめする食品をご紹介してきました。

そばはGI値も低く、糖尿病の方でも、おすすめできる食品の1つです。

しかし、糖質量は他の麺類とさほど変わらないため摂取する量が多すぎると血糖値が急激に上昇してしまいます。

血糖値の上昇は糖尿病の方が最も注意したい点です。

今回紹介した食品や、違う商品を買う時も成分表示をよく見て糖質量や塩分の少ないものを選択するようにしましょう。