うどん
7月2日はうどんの日!その由来や季節ごとのオススメレシピも紹介
2023.01.05
うどんは、日本全国で手軽に食べられる国民食といっても過言ではありません。暑い日でも寒い日でも、さまざまな調理法で食べることができ、私たちの食生活を支えてくれています。
「安い・早い・旨い」の三拍子が揃ううどんですが、実は香川県生麺事業協同組合が1980年の7月2日に、「うどんの日」を制定しています。知らなかった人も多いのではないでしょうか。すこしマイナーなイメージを持たれがちな「うどんの日」は、「半夏生(はんげしょう)」と親密な縁で結ばれています。
この記事では、なぜ半夏生にうどんの日が制定されたのか、由来と歴史、季節ごとのオススメレシピなど幅広く紹介します。
目次
- なぜ7月2日はうどんの日なのか?
- 「半夏日」にちなんだ食材でうどんの日を楽しもう
- うどんの歴史について解説
- 季節ごとにオススメ!冷凍うどんで手軽に作れるアレンジレシピ4選
- まとめ
1.なぜ7月2日はうどんの日なのか?
「うどんの日」は、制定されてから40年以上の歴史を持ちます。「讃岐うどんをよりたくさんの人に食べてほしい」という想いから、うどんの消費をもっと拡大するため、香川県生麺事業協同組合が定めました。
「半夏生」はふだん聞き慣れない言葉ですが、「雑節」という日本の暦日の一つになります。1年のうちで昼間の時間帯が最も長くなる、夏至から11日目の、7月2日頃から七夕までの5日間です。
かつて稲作が中心だった日本では、「半夏生」は田植え時期を見極めるために重要な日として認知されていました。特に農家の人は、「夏至が終わったら、半夏生を迎えるまでに田植えを終わらせると良い」という言い伝えを守り、習慣としていたそうです。
現在は、品種改良や農業改革が進んだおかげで、半夏生を基準として田植えを行う農家はほとんどいません。ですが、7月2日である理由には、香川県の農家がうどんを食べて辛い農作業の労を慰労するという古くからの風習が結びついています。
2.「半夏日」にちなんだ食材でうどんの日を楽しもう
半夏生にまつわる風習は、全国各地にさまざまに存在しています。「うどんの日」が生まれるきっかけとなった「うどん大国」の香川県では、田植えや麦の刈入れが終わるタイミングになると、その年に収穫された麦を使ってうどんを打っていました。
農作業を手伝ってくれた人たちには、打ったうどんを振る舞っていたそうです。このしきたりによって、半夏生にうどんを食べる決まりが根付いていきました。
毎年7月2日には、約1,000食ものうどんを無料で提供するイベントなどが開催され、盛り上がりをみせています。香川県では、半夏生にうどんを振る舞う習わしが、今もなお受け継がれています。
「半夏生」にちなんだ食材は、地域によって異なります。農作業の労を慰労するためとあって、栄養価の高いものが多いです。
・関西地方 タコ
関西地方では、植えた稲がタコの吸盤のように立派に実り、しっかり土地に根付き、立派に育つようにと願いを込め、半夏生にタコを食べる習慣があります。そして、商売上手な関西の商人がこの風習に便乗して、半夏生あたりでタコを盛大に売り出すようになったとも言われています。
タコには、タウリンや亜鉛などの栄養素がたっぷりと含まれており、疲労回復や高血圧の改善、視力改善などの効果が期待できます。疲れた身体を早く治したり、疲れを溜め込まなかったりするための絶好の食材です。
うどんの副菜にタコはイメージしにくいかもしれませんが、きゅうりやキムチと和えて冷やしたうどんと混ぜたり、天ぷらにしてトッピングしたりとアレンジを加えてみるのもオススメです。
・福井県 サバ
福井県大野市を中心とした地域では、半夏生にサバの丸焼きを一人一匹ずつ家族全員で食べる「半夏生鯖(はげっしょさば)」という昔からの風習があります。
江戸時代にまでさかのぼる話ですが、当時の福井県周辺では、サバの水上げ量が多く、年貢として納められていました。その頃の大野藩主が、田植えで疲労困憊した農民の栄養を補給するために、サバを食べるように令書を出したと言われています。
その後、この機会に目をつけた町の魚店が、半夏生に焼きサバを販売しはじめたことがきっかけで、「高価だけど、半夏生ぐらいはサバを食べて栄養をつけよう」と庶民に伝わっていきました。
サバには、コレステロールや中和脂肪を抑えたり、血液の流れを改善したりする効果があるので、21世紀のスーパーフードとも称されています。うどんと合わせるときは、手軽に使えるサバ缶がオススメです。青ネギ、大根おろし、大葉、ミョウガなどを入れて混ぜれば、さっぱりと食べることができます。
・奈良県 きな粉餅
奈良県では、半夏生餅(はんげしょうもち)といって、田んぼへの感謝の気持ちや田の神様を称え、豊作を願うために、小麦ともち米を混ぜてきな粉をかけた、きな粉餅を半夏生に食べる風習があります。
小麦は、その年に収穫した新鮮なものを使っています。そうして作られた半夏生餅を、神様にお供えして食べてから、農閑期を迎えていました。奈良県では室町時代から伝わっており、初夏を知らせるイベントとして、現在も大切に受け継がれています。
きな粉餅とうどんの相性は「よい」とは言えないので、デザートとしてきな粉餅も食べたり、代わりに焼き餅にしてみたりするのも良いです。
きな粉は大豆を原料に作られているので、うどんに不足しがちなタンパク質を補ってくれます。ぜひきな粉餅を選んで、うどんと一緒に食べてみてください。
3.うどんの歴史について解説
うどんの起源は、中国とされています。シルクロードを渡って西へ伝わり、まずはイタリアのパスタになりました。それが日本では、うどん、そばとして広がっていったと言われています。そして、それぞれの土地の気候や風土によって少しずつ変化し、各地へ伝わっていきました。
うどんは手軽な庶民食、お米と同様に主食として、また祝い事に際して振る舞われる「ハレ」の食べ物として、古くから日本全国で食べられています。うどんの種類の中でも、稲庭うどんは献上品として扱われていたので、一般人の口には全くは入らなかったようです。
手延べ麺や切り麺などの製法、そして、生麺や半生麺、乾麺など保存方法も多様ですが、うどんが根付いた地方には共通点があります。それは、良質な小麦が取れること、きれいな水があることです。たかがうどん、されどうどん。地域差はありますが、昔から日本人に愛されてきた日本の食文化です。
4.季節ごとにオススメ!冷凍うどんで手軽に作れるアレンジレシピ4選
春分にオススメのうどんレシピ 【あさりとキムチのチゲつけうどん】
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昼と夜の長さが同じになるのは3月21日頃です。いよいよ暖かくなり、この日は彼岸の中日です。彼岸は春と秋の2回あり、それぞれ「春分の日」「秋分の日」を中日とし、前後3日間を合わせた7日間を表します。日本各地で、それぞれの桜を楽しめる春の到来です。
【材料(1人分)】
- 冷凍「稲庭風うどん」 1玉
- あさり(殻付き) 200g
- キムチ(みじん切り) 50g
- 木綿豆腐 100g
- 水 300cc
【A】
- 酒、みそ 各大さじ1
- 豆板醤 小さじ1/2
- しょうゆ 少々
- ごま油 小さじ1
- 青ねぎ(小口切り) 大さじ1/2
【下準備】
・あさりは砂抜きする
・木綿豆腐は水切りする
【作り方】
1.鍋にごま油を熱し、あさりとキムチを入れ、さっと炒めてから水を加える
2.(1)が煮立ったら【A】を加えて、あさりの殻が開いたら、飾り用のあさり以外の身を殻から取り出す
3.豆腐をくずしながら入れ、再び煮立ったら火を止め、器に盛って青ねぎをちらす
4.うどんを別の器に盛り付け、(2)につけて召し上がれ
夏至にオススメのうどんレシピ 【えびとゴーヤのぺペロンチーノ風うどん】
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1年で昼の時間が一番長く、夜の時間が一番短い頃です。夏至を過ぎると、本格的な夏が始まります。近頃ではこの短い夜を、電気を使わずろうそくの灯りで過ごすキャンドルナイトが人気になってるそうです。
【材料(1人分)】
- 冷凍「さぬきうどん」 1玉
- ゴーヤ 1/4本(正味約50g)
- ボイルえび 5尾
- 温泉卵 1個
- うす口しょうゆ 小さじ2
- 塩 少々
【A】
- にんにく(薄切り) 1/2かけ
- 鷹の爪 (輪切り) 1本分
- オリーブ油 大さじ1
【下準備】
・ゴーヤは縦半分に切り、スプーン等で種とワタを取り除き、約3mm幅の半月切りにする。塩(ひとつまみ)でもみ、水にさらして苦みを取る
【作り方】
1.フライパンに【A】を入れて弱火にかける
2.ゴーヤ、ボイルえびの順に加え炒める。(鷹の爪は焦げる前に、にんにくは色付いたら取り出しておく)
3.うどん、お湯大さじ1、うす口しょうゆを順に加えて炒め合わせる
4.必要に応じて塩少々を加えて味をととのえる
5.器に盛り付け取り出しておいた鷹の爪、にんにくをちらし、温泉卵をのせる
秋分にオススメのうどんレシピ 【さんまのアンチョビパスタ風うどん】
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昼と夜の長さが同じになる秋分。ここからがまた季節の変わり目を感じる頃です。夕方から気温もだいぶ下がってきます。過ごしやすくなりますが、肌寒くなってくるので羽織るものなど、衣服の調整にも気をつかいたいです。
【材料(1人分)】
- 冷凍「さぬきうどん」 1玉
- さんま 1尾(約150g)
- トマト(くし形切り) 1/2個(約40g)
- イタリアンパセリ 適量
【A】
- 白ワイン 小さじ1
- 塩 ひとつまみ
【B】
- 白ワイン 小さじ2
- しょうゆ 大さじ1
【C】
- にんにく(みじん) 1かけ
- 鷹の爪 1/2本
- オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
1.さんまは3枚におろして一口大に切り、【A】をふっておく
2.さんまの肝に【B】をよく混ぜ合わせておく
3.フライパンに【C】を入れて火にかけ、香りがしてきたら(1)の両面を焼く
※鷹の爪は焦げる前に途中で取り出しておく
4.火が通ったらトマト、「さぬきうどん」を順に加えてさっと炒め合わせ、(2)を加えて調味する
5.必要に応じて塩で味をととのえ、イタリアンパセリを飾る
冬至にオススメのうどんレシピ 【かぼちゃとチーズのみそスープうどん】
https://www.tablemark.co.jp/recipe/udon/detail/0366.html
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1年で最も昼が短く、夜が最も長くなります。昔は太陽の力が弱まると考えられ、生命の終わる日ともいわれ、厄払いの祈願をしていました。言い換えれば、この日を境に太陽が一日ずつ復活していく転換期でもあります。
【材料(1人分)】
- 冷凍「丹念仕込み 本場さぬきうどん」 1玉
- かぼちゃ 約150g
- ベーコン(短冊切り) 1枚
- スライスチーズ 1枚
- だし汁 400cc
- 白みそ 大さじ1 1/2
- 水菜 適量
【下準備】
・かぼちゃは5mm厚の大きめの扇型に切る
【作り方】
1.鍋にだし汁とかぼちゃを入れて火にかけ5~6分煮る
2.ベーコンを加えて白みそを溶き入れ、ひと煮立ちしたら凍ったままの「丹念仕込みさぬきうどん」を加える
3.箸でほぐしながら1~2分煮て、スライスチーズを加える
4.チーズがとろりとしたら、器に盛りつけて召し上がれ
5.まとめ
いかがでしたか。この記事では、半夏生にうどんの日が制定された由来や歴史、季節ごとのオススメレシピなどを紹介しました。日常的に親しまれているうどんですが、今年の「うどんの日」には、農業者や農作物への感謝をかみしめながら、美味しいうどんを食べてみてください。