パスタ
パスタって消化に悪いって聞いたけど本当?消化に悪い原因を分かりやすく解説!
2022.06.08
様々なアレンジがしやすく調理が簡単なパスタですが、胃腸の調子が悪い時に食べても大丈夫なのでしょうか?本記事ではパスタは消化に良いのか、消化によいパスタのレシピをご紹介します。
「パスタは消化に悪いって聞いたけどなんで?」
「パスタを食べると太るときいたけど本当?」
手軽に食べられて美味しいため、白米やパンよりパスタを食べることが多いという方も多いのではないでしょうか?
一方で「パスタは消化に悪いからあまり食べない」「パスタを食べると太るイメージがある」という方もいますよね。
本記事では、
- パスタはなぜ消化に悪いといわれているのか
- パスタを消化良く食べる方法
- 消化に良いおすすめのパスタレシピ
をご紹介して行きます。
ぜひ参考にしてみてください。
1.パスタは消化に悪い
みなさんは、パスタは腹持ちが良いということをどこかで耳にしたことはありませんか?腹持ちがいいということは、消化が悪いとも言えます。
では、パスタは胃や体調が悪い時に避けたほうがいい食品なのでしょうか。ここでは、パスタが消化に悪いと言われている原因は何なのかをご紹介していきます。
(1)「グルテン」が消化に悪い
「パスタが消化に悪い」と言われている理由として「グルテン」が含まれていることがあげられます。
テレビやインターネットで「グルテンフリー」という言葉が流行っているためなんとなく「グルテンは避けた方がいい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。グルテンとは、小麦などに含まれているたんぱく質が水と結合することによってできる、麺やパン特有のもちもちとした弾力・食感を生み出す成分です。しかし、実はこのもちもちとしたグルテンが消化を悪くしてます。グルテンの構成成分は粘り気が強く、網目状に絡まっているため、グルテンが多く含まれているパスタは消化が悪いと言われています。
(2)他の麺類との比較
食べ物 | 消化にかかる時間 |
---|---|
春雨 | 約1時間半 |
白粥 | 約2時間 |
白米 | 約2時間半 |
食パン | 約2時間半〜3時間 |
うどん | 約3時間 |
そば | 約3時間〜4時間 |
パスタ | 約4時間 |
食べ物が消化されるのにかかる時間は、食べ物の種類によって少しずつ変わってきます。
食品を大きく分類したときによく利用される3大栄養素を比較してみると、炭水化物、たんぱく質、脂質の順に消化時間・胃内の停滞時間が長くなります。そのため、炭水化物は比較的消化が早いと言えます。さらに、同じ炭水化物でも食材によって消化時間は異なり、上記の表の通り、白米に比べ、パンやうどん・パスタなどの小麦を使用しているものは比較的消化時間が長くなりやすい傾向にあります。小麦に含まれるグルテンやたんぱく質含有量の影響により消化時間が長くなりますが、中でもパスタに使われているデュラム小麦はグルテンを多く含み、消化時間が非常に長いのが特徴です。
2.パスタの消化が悪くなる原因
ここまでパスタがなぜ消化が悪いと言われているのかを解説してきました。それに加え、パスタは調理方法や一緒に食べる食材によっても消化の良さが、変化します。では、消化が悪くなる原因としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。1つずつわかりやすく紹介していきます。
(1)低温で茹でたため
パスタを茹でる目的は、パスタのデンプンをα化(糊化)させることです。
α化とは硬く結合したデンプンを、熱と水により柔らかくし、消化・吸収しやすい状態にすることです。このα化が起こりやすいのは、パスタの場合85〜90度と言われているため沸騰したお湯で茹でる必要があります。沸騰が不十分な低温のお湯で茹でてしまうと、十分なα化が起こらないため消化が悪くなってしまう原因となります。
(2)一度茹でたパスタが冷めたため
一度茹でたパスタが冷えることで、デンプンに入り込んでいた水分が抜け出て、固くなり消化しにくくなります。この状態になると、水や酵素が馴染みにくくなり、硬くて消化しにくくなってしまいます。例えば、ご飯を放置しておくと硬くなり消化が悪くなってしまうのと同じ現象です。また、一度冷えてしまうと、再加熱しても消化の良さは戻りません。できるだけ温かい間に食べるようにしましょう。
(3)食べ合わせが悪いため
消化に悪い食材を使用することは、パスタの消化が悪くなってしまう要因の一つとなります。
脂肪分の多い食材や食物繊維の多い食材は胃の中に溜まる時間が長くなるので消化に時間がかかります。
主に以下の食品は消化が悪いとされているため食べすぎないように気をつけましょう。
- ベーコン
- ナッツ類
- たこ
- いか 等
また、調理する際に調味料油を多く使用することも、消化を悪くする原因となるので注意しましょう。そのため消化をよくしたい場合はできるだけこれらの食材を避けることが望ましいでしょう。
(4)長時間茹でているため
パスタをしっかりと茹でることで柔らかくなり消化が良くなりますが、一方で茹ですぎると消化が悪くなってしまう可能性が高くなります。
一般的にパスタのグルテンはデンプンに包み込まれる形で存在しており、それによって消化酵素が入り込みやすく、消化しやすくなっています。しかし、長時間茹でてしまうとパスタの周りのデンプンが流れ出てしまうため、消化酵素が入りにくく、柔らかくなくなってしまいます。茹で時間が短すぎても、長すぎても消化が悪くなってしまうため、袋に記載されている茹で時間を参考に、程よい時間で茹でるよう心がけましょう。
3.パスタを消化よく食べるためには
先述しましたが、パスタの消化の良さは、茹で時間や一緒に食べる食材によって影響を受けます。せっかく食べるなら消化の良い状態で食べたいですよね。では、実際にどのように食べたら消化が良くなりやすいのか見ていきましょう。
(1)よく茹でる
消化を良くするためには、調理の段階でよく茹でておきましょう。 茹でる前の乾燥パスタは、グルテンを包み込むようにデンプン分子が隙間なく結合しており、この状態では消化酵素が入りにくくなっています。しかし、茹でることによってこの硬い結合が緩み、消化酵素が中に入りやすくなり、それによって消化しやすくなります。そのため、消化に良い状態でパスタを食べたい場合は柔らかくなるまで茹でるようにしましょう。
(2)しっかり噛む
消化よくパスタを食べるために、食事の際はよく噛むようにしましょう。
パスタを消化するためには、体内から分泌される消化酵素が必要です。体内ではさまざまな消化酵素が分泌されており、唾液に含まれるアミラーゼという酵素もその一つです。アミラーゼはデンプンを消化しやすいマルトースという成分に分解する働きがあり、それにより体内に消化吸収されやすくなります。アミラーゼはよく噛むことで分泌が促進されやすくなるため、よく噛むことは消化を良くすることにつながるといえます。また、しっかりと噛むことによってパスタが細かくなり、より消化しやすい状態にもなります。
(3)消化を補助する食材と一緒に食べる
パスタには炭水化物(糖質)が多く含まれているため、炭水化物の消化に必要なビタミンB1が多く含まれる食材を積極的に摂ることで消化が促進されやすくなります。
ビタミンB1は主に
- 肉類
- 魚類
- 豆類
- 穀類
- 種実類
などに多く含まれています。これらの食品と一緒に食べることで、パスタだけで食べるよりも消化・吸収が良くなります。 また、レモン、ヨーグルト、ニンニクなどには唾液分泌促進作用や、胃酸分泌促進作用があるため、消化を助ける働きがあると言われています。
4.消化に良いパスタレシピ5選!
(1)舞茸と大根おろしのパスタ
大根おろしとポン酢を組み合わせたさっぱりとしたレシピです。大根おろしには殺菌効果や抗酸化作用が期待されるイソチオシアネートという成分が含まれています。さらにポン酢には、胃酸の分泌を促す作用があり、それによって消化が促進されやすくなります。
具材
- パスタ 100g
- 舞茸 1/2パック
- 卵 1個
- 大根 1/4本
- 麺つゆ 200cc(お好みで調整)
- ポン酢 お好み
- サラダ油(炒め用) 大さじ2
作り方
- パスタを茹でる。表示より1分くらい短い時間で茹でるとアルデンテになる。
- パスタを茹でている間に舞茸を一口大に千切り、大根をおろす。
- フライパンでサラダ油を熱し、卵を炒める。
- 炒め終わったら別の皿に移す。卵を炒めたフライパンで舞茸を炒め、火が通ったらパスタと卵を加える
参考:舞茸と大根おろしの麺つゆパスタ
(2)レモンとキャベツのパスタ
キャベツを使うことでボリューム感があり、レモンの風味が香るヘルシーな一品です。レモンには胃酸分泌を分泌を促進、消化促進作用があります。また、キャベツにはビタミンUという胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療や予防にも用いられているビタミンが含まれ、胃の整腸作用があります。
具材
- キャベツ 4枚
- レモン 1/4個
- 塩(キャベツ用) 小さじ1/2
- 胡椒 少々
- パスタ 2束
- 塩(パスタ用) 10g
- オリーブオイル 適量
作り方
- お鍋にたっぷりお湯を沸かします。キャベツは芯を取って洗っておく
- 沸騰したところで、キャベツをサッと茹でるキャベツの水気をしっかり取り、ざく切りにするキャベツ、スライスしたレモン、塩、粗びき胡椒を混ぜ合わせる
- 塩10gを入れた、たっぷりのお湯でパスタを茹でる
- お湯を切り、少し冷ます麺を鍋に戻し、オリーブオイル(サラダ油)を艶が出る程度混ぜ、4.も入れて混ぜ合わせる。
参考:爽やか!サッパリ☆レモンキャベツパスタ☆
(3)トマトとバジルのパスタ
トマトには色素の一種であるリコピンと呼ばれる成分が含まれています。リコピンには高い抗酸化作用があり、健康や美容の面から多くの人に注目されています。簡単に本格的な料理が作れる一品なので、ぜひ一度試してみてください。
具材
- パスタ 100g
- お湯(茹で用) 1000ml
- 塩(茹で用) 小さじ2
- ソーストマト 1個
- 玉ねぎ 1/2個
- 薄切りハーフベーコン 30g
- ニンニク 1片
- カットトマト缶 200g
- ローリエ 1枚
- 砂糖 小さじ1
- 調味料コンソメ顆粒 小さじ1
- 塩 小さじ1
- 黒こしょう 少々
- オリーブオイル 大さじ1.5
- 茹で汁 50ml
- バジル 5g
作り方
- トマトは8等分にし、さらに斜め半分に切る。
- 玉ねぎは薄切り、ニンニクは薄切り、薄切りベーコンは1cm幅に切る。
- フライパンにオリーブオイル、2を入れて弱火で加熱する。
- ニンニクの香りが立ったら、1を加えて中火で1分程度炒める。
- カットトマト缶、ローリエ、砂糖を加えて強火で3分程度煮る。
- 調味料を加えてさらに3分程度煮る。
- ある程度水分が飛んだら火から下ろす。
- 鍋でお湯を沸かし、沸騰したら塩、スパゲッティを入れてパッケージの表記通りに茹でる。
- 茹で汁50mlを取って水気を切る。
- 6を再度火にかけてローリエを切り抜き、8を加えて中火で混ぜ合わせます。
- 茹で汁を加えて味を調え、バジルをちぎり入れます。
- 器に盛り付けて、飾り用バジルを添えて出来上がりです。
参考:トマトバジルスパゲッティ
(4)サーモンと大葉のトマトパスタ
サーモンにはアスタキサンチンという成分が含まれ、脂質の酸化防止や悪玉コレステロールの低下、動脈効果予防・改善効果などが期待されています。さらに、抗酸化作用が期待されるリコピンを多く含むトマトと、消化促進作用が期待される大葉を組み合わせたさっぱりとした一品です。
具材
- サーモン(お刺身用) 60g
- トマト 中1個
- 大葉 3〜4枚
- オリーブオイル 大さじ5
- すりおろしニンニク 小さじ半分
- 塩・こしょう お好み
- イタリアンパセリ お好み
- パスタ 2人分
作り方
- 千切りにした大葉と、すりおろしニンニク、オリーブオイル大さじ2杯を合わせる
- 湯むきしたトマトとサーモンを1cm角の角切りにし大さじ2杯のオリーブオイルと合わせてよく混ぜ合わせて塩こしょうしておく
- パスタを茹で冷水で洗って水をよく切り1とまんべんなく合わせ塩・こしょうをする
- パスタを皿に盛り付けてから2のサーモンとトマトを乗せ、残りのオリーブ油を回しいれる
- かいわれ大根などを盛り付ける
参考:簡単トマト・サーモン・大葉の冷製パスタ
(5)野菜スープスパ
野菜がどうしても不足しがち…そんな方におすすめの野菜をたくさん使った一品です。野菜には食物繊維が豊富に含まれており便秘気味の方や胃腸の調子が悪い方におすすめ。
具材
- にんじん 1/2本
- きゅうり 1/2本
- 大根 10cm
- 玉ねぎ 1/2個
- コンソメスープの素 2個
- 塩・こしょう 少々
- 乾燥パセリ(パセリのみじん切り) 少々
作り方
- 野菜はパスタに合わせて、細切りにします。
- 鶏ささみは、筋をとって、食べやすく切ります。
- パスタは、固めにゆでておきます。
- お鍋に野菜、ささ身、水カップ2を入れて、お野菜が柔らかくなるまで煮て、コンソメ、塩、コショウで味を調えます。
- パスタを入れてひと煮立ちしたら、パセリを加えて完成です。
参考:疲れた胃に優しい!野菜スープスパ! レシピ・作り方
5. パスタは工夫次第で消化よく食べられる
今回はパスタがなぜ消化の悪い食べ物と言われているのか、消化が良くなる食べ方など詳しく解説してきました。
もちろん、パスタが消化に悪いから食べない方が良いというわけではなく、美味しい、腹持ちがいいなどパスタの良い部分もたくさんあります。
ぜひ、今回紹介した内容やレシピを参考に、消化によいパスタを作ってみてください。