冷麺
冷麺の発祥は韓国じゃない?ビビン麺と水冷麺って何が違うの?冷麺のお店とおうちで食べれる市販の冷麺をご紹介
2022.12.22
韓国の定番麺料理として知られている冷麺。コシが強い麺で、夏に食べたくなる麺料理ですよね。今回は、冷麺の歴史やビビン麺と水冷麺との違い、そして美味しいお店とおうちで食べられる冷麺を紹介していきます。是非参考にしてください。
なお、ビビン麺はビビン冷麺ともいわれますが、冷麺と混同してしまうため統一してビビン麺にさせていただきます。
目次
- 冷麺とは?
- 冷麺の歴史
- その他の冷麺
- 冷麺が食べられるお店5選
- おうちで食べれる市販の冷麺
- まとめ
1.冷麺とは?
冷麺は主に「スープのない辛いソースを絡めて食べるビビン麺」と、「スープのある牛骨スープの水冷麺」があります。
『ビビン麺』
韓国料理のひとつビビン麺。ビビンククスともいわれます。
「ビビン」は韓国語で「混ぜる」という意味で、「ククス」は「麺」という意味です。
直訳すると「混ぜた麺」になります。
ビビン麺は、コシがある麺とコチュジャンベースの真っ赤な辛いソースを絡めて食べるのが特徴です。
牛骨スープにコチュジャン、ニンニク、酢、砂糖、ごま油を加えたヤンニョムソースの味で辛味はありますが、甘味と旨味を感じられ、麺によく絡み一口食べると止まらなくなる美味しさです。
麺には、蕎麦粉を主原料にジャガイモやサツマイモのでんぷんを使うことが多く、白っぽいのが色味をしています。
トッピングにはゆで卵、きゅうり、薄切りの牛肉、大根キムチ、梨などをのせます。
『水冷麺』
水冷麺は、通常冷たいスープにコシのある麺が入っているメニューです。
スープは、牛骨から取った旨味の強いもので、麺は、蕎麦粉が主原料で緑豆粉のでんぷんを使うことが多く、黒っぽいです。麺が黒く見えるのは、材料に使われている蕎麦粉によるもので、独特のシコシコした噛み切りやすい麺になっています。
トッピングは、ビビン麺とあまり変わりません。
2.冷麺の歴史
冷麺は朝鮮半島(現在の北朝鮮)を起源としています。
冷麺の始まりは、正確にはわかっていませんが、
1849年朝鮮時代、朝鮮半島の行事や文化を詳細に記した「東国歳時記」に季節料理として冷麺が紹介されています。これが冷麺の最初の文献となります。
冷麺は夏の食べ物と思われがちですが、文献では寒さ厳しい冬の食べ物だったと記されています。
その理由は、もともと朝鮮半島では米や小麦粉より蕎麦粉を多く栽培しており、その蕎麦粉を活かした料理として作られたからです。また、蕎麦の実は、晩秋から冬にかけて栽培されるため冬にオンドル(韓国式床暖房)の上で食べる郷土料理でした。オンドルで暖かくなった部屋の中で食べるキンキンに冷えた冷麺は格別だったそうです。
暖かい部屋のこたつの中でアイスクリームを食べる感覚と似ていますね。
「東国歳時記」によると、
「冷麺とは、蕎麦粉の麺に、大根や白菜のキムチと豚肉をのせた麺料理のことで、チャプチェや梨・栗・牛肉・豚肉を入れたものは骨董麺と呼ぶ。冷麺は、関西地方のものを選ぶのがよい」とも記されています。
骨董麺とはビビン麺、関西地方とは朝鮮半島西部の現在の平壌のことを指します。
このことから、平壌発祥の水冷麺と咸興発祥のビビン麺の2種類に大きく分けられます。
とくにビビン麺は、庶民の間はもちろん宮廷でも親しまれました。朝鮮第22代王の正祖(チョンジョ 1752〜1800)の母親、恵慶宮洪氏(ヘギョングン・ホ氏 1735〜1815)の還暦祝の宴をまとめた書物にも「醤油のタレをかけて食べる骨董麺」という表現が出てくるほどです。
このように、冷麺は平壌と咸興の2つの地域で長い年月をかけて発達していきました。
また、朝鮮全土に普及したきっかけは1950年の朝鮮戦争によるもので、朝鮮北部の人々が南に逃れた際に朝鮮半島の南(現在の韓国)にも伝わったとされています。
3.その他の冷麺
冷麺には、ビビン麺・水冷麺の他にも、さまざまな冷麺があります。
①盛岡冷麺
日本で有名な盛岡冷麺。日本に冷麺が広まったのは、盛岡冷麺が始まりです。
1945年、朝鮮半島(現在の北朝鮮)の咸興生まれの在日朝鮮人が、故郷の味が忘れられず、1954年盛岡で「食道園」を開業したのが最初といわれています。しかし、開業当初は独特の味がなかなか受け入れられなかったようで、改良を重ねて、現在の盛岡冷麺になりました。
盛岡冷麺の麺の主原料は、小麦粉とジャガイモのでんぷんで白っぽいのが特徴です。半透明のやや太めの麺で、つるつるとした舌触りと、強いコシがあります。スープは、牛肉や牛骨、鶏ガラなどがベースですっきりしながらも深いコクを感じられます。
②別府冷麺
1950年頃、大分県別府市で開いた店が発祥とされています。当時、朝鮮系住民が多かった満州(中国北部)から来た料理人が故郷の味を真似して作ったといわれています。以来、別府のソウルフードとして親しまれています。
麺は小麦、蕎麦粉、でんぷんを基本とした太麺です。スープについては牛肉や牛骨ではなくあっさりとした魚介のスープで食べるのが特徴です。
③トトリ麺
「トトリ」とは韓国語で「どんぐり」という意味です。どんぐり粉を練り込んだ麺で、色は黒っぽく喉越しの良い麺です。どんぐりはクルミや落花生などより脂質が少なくヘルシーで、ビタミンCも豊富に含まれています。
④チョンス冷麺
チョンス冷麺は「清水冷麺」と書きます。小麦粉、蕎麦粉、サツマイモでんぷんを使用した冷麺です。黒っぽい色で韓国乾麺、細麺です。
4.冷麺が食べられるお店5選
本格的な冷麺が食べてみたい!そんな方にオススメの都内で冷麺が食べられるお店をご紹介します。
①焼肉を冷麺で包む?本場韓国スタイル「コサム冷麺専門店」(新大久保)
(https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13194657/)
東京のコリアタウンの新大久保駅から徒歩7分ほどの場所にあり、お肉を包んで食べるという冷麺専門店。
冷麺のメニューは「水冷麺」と「ビビン麺」の2種類。麺は自家製でコシが強く喉越しがいいです。炭火焼肉セットがオススメで、焼肉で冷麺を包んで食べる本場の食べ方ができます。また、やかんで提供される冷肉スープを入れて味変もできます。辛味のあるビビン麺を、少しマイルドにできます。また、美味しいパンチャン(お惣菜)も無料でついてきます。
②プラントベースアレンジで進化させた東京冷麺「麺ダイニングつるしこ」(自由が丘)
自由が丘にあるこちらのお店は、盛岡冷麺を進化させた新しい食感の麺、体に優しいスープ、斬新なトッピングの冷麺になります。メニューは定番の盛岡冷麺から、独創的なトマトバジル冷麺やアボカド冷麺などがあります。女性にオススメの見た目と味です。全メニュー化学調味料不使用というこだわりをもち、ビーガンメニューもあります。
③韓国で1位、2位を争う冷麺専門店の日本店「板橋(パンギョ)冷麺」(大久保)
(https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13167930/)
大久保駅から徒歩3分のところにある、冷麺の本場韓国で有名な日本店の「板橋(パンギョ)冷麺」。40年の歴史を持つ老舗の自家製冷麺が大人気です。
お店で一番人気は冷麺とビビン麺の両方が食べられる「ハーフ&ハーフ冷麺」です。麺はサツマイモのでんぷんを練って作られており、注文を受けてから作り始めます。しっかりとした歯応えが特徴で、水冷麺の方は牛骨の出汁と甘酸っぱい味が特徴です。ビビン麺はピリ辛でクセになる味です。
④盛岡冷麺を広めた「ぴょんぴょん舎」(銀座)
(http://www.pyonpyonsya.co.jp/)
盛岡冷麺を広めたといわれる岩手県のぴょんぴょん舎の冷麺が銀座で食べられます。コシの強い麺と牛肉や牛骨に鶏ガラを加えて出汁を取ったスープ、爽やかな酸味と辛味の専用キムチが特徴です。通常の盛岡冷麺に加え、特製ドレッシングを和えた有機野菜を麺の上にのせた「選ナムル冷麺」、桑の葉を麺に練り込んだ「桑の葉冷麺」などオリジナルの冷麺もオススメです。キムチの量を調整しながら、お好みの味を探してみてください。
⑤本場韓国料理が食べられる「韓花」(新宿)
(http://totalwell.co.jp/hanfha/)
新宿駅から徒歩1分。ランチで食べられる水冷麺は韓国の細麺を使用しています。また、おかずも2品ついたセットでさわやかなスープとの喉越しの良い麺が相性抜群。ビビン麺とのハーフ&ハーフもあります。ラグジュアリーで落ち着いた照明の店内は女子会やデートなどでの利用も喜ばれます。
5.おうちで食べれる市販の冷麺
韓国ブームもある中、各メーカーから数多くの商品が発売されています。
おうちで食べれる美味しい冷麺をビビン麺、水冷麺、盛岡冷麺と2種類ずつご紹介します。
・農心ジャパン「ふるる冷麺 ビビン冷麺」
コチュジャンの旨味と辛さ、果実の甘味を熟成させた本格派。ソースに絡めて食べる汁なし麺タイプで本場の辛さを味わえます。辛いのが得意な方にオススメです。
・農心ジャパン「ヘホンドンビビン麺」
韓国語のパッケージは印象的なビビン麺タイプの即席袋麺です。小麦粉・ジャガイモでんぷんなどを使った麺で、お湯だけで簡単に調理できます。辛味が袋なので辛さ調節ができるのも嬉しいです。
・農心ジャパン「ふるる冷麺 水冷麺」
コシのあるノンフライ麺を使用しており、細いのにしっかりとした弾力のある麺です。特製のトンチミスープ(大根の塩漬けから抽出されたスープ)に、りんご酢のほのかな酸味がきいて甘酸っぱくさっぱりとした味わいです。熱風で乾燥させたコシのあるノンフライ麺でツルツルとした喉越しが楽しめます。
・モランボン「韓の食菜 冷麺」
蕎麦粉が香る、コシの強い中細麺が特徴です。さっぱりしながらも、コクと旨味のあるスープで、本場の味を自宅で気軽に味わえます。辛味キムチだれもついているので、好みに合わせて辛さを調節できます。
・戸田久「牛テールで食べるもりおか冷麺」
コクのある牛テールスープ仕立てのため、辛くなく子供でも食べやすいと人気。野菜の旨味と甘味がきいた濃厚なスープに、強い弾力の細麺がセットの商品。
・ぴょんぴょん舎「盛岡冷麺」
盛岡の人気焼肉店「ぴょんぴょん舎」の冷麺を、家庭で簡単に味わえる商品です。コシの強い麺と牛肉、牛骨や鶏ガラで出汁を取ったスープがセットの商品。冷麺専用に漬け込まれた「キャベツと大根のキムチ」もついている嬉しいセット。
6.まとめ
いかがでしたか。今回は、冷麺について詳しく解説しました。冷麺の歴史や食べる時期、冷麺の種類など様々なことがわかりましたね。
冷麺が冬の食べ物だったことはとても驚きです。夏に食べたくなるのはもちろんのこと、冬にも暖かい部屋でキンキンに冷えた冷麺を食べてみてはいかがでしょうか?最後まで読んでいただき、ありがとうございました。