冷麺

【徹底解説】岩手県のソウルフード 盛岡冷麺の発祥や特徴とは?

2022.11.25

岩手県盛岡市の郷土料理「盛岡冷麺」は、全国的に有名です。最近では、スーパーやコンビニでも販売しており、身近な食べ物になりました。一度は食べたことがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、盛岡冷麺の発祥や由来、美味しさの秘密などを解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

  1. 盛岡冷麺とは?
  2. 盛岡冷麺のルーツについて解説
  3. 盛岡冷麺ならではの特徴
  4. 盛岡からはじまり、全国で愛され続ける盛岡冷麺
  5. 家庭でも簡単に作れる!盛岡冷麺のレシピ
  6. 盛岡冷麺を食べるならココ!厳選4軒を紹介
  7. まとめ

1.盛岡冷麺とは?

盛岡冷麺は、岩手県盛岡市の麺料理です。盛岡三大麺の「わんこそば」「じゃじゃ麺」と肩を並べています。盛岡では、焼肉店の定番メニューとして提供されており、「冷麺」といえば「盛岡冷麺」を指すことが多いです。

日本の行政機関のひとつである公正取引委員会が承認する、特産・名産麺料理の10品目の中で唯一冷製専用品目となっています。

2.盛岡冷麺のルーツについて解説

冷麺は、もともと朝鮮半島の北西部(現・北朝鮮)の平壌で生まれた料理です。

朝鮮半島の咸興生まれの在日朝鮮人、青木輝人が1952年に盛岡で「食道園」を開業しました。その際に、咸興冷麺と平壌冷麺を合体させて創り出したのが「盛岡冷麺」のスタートとなっています。

食道園をはじめた頃は、料理人としての技術を持っていなかったので、独学で故郷の味を再現しようと努力しました。しかし、麺がまるでゴムのような独特の食感であることから、最初は客にあまり受け入れられず、盛岡冷麺が定着するまでには時間がかかったと言われています。

その後、改良を行い現在の盛岡冷麺へと進化を遂げました。咸興冷麺と平壌冷麺、それぞれの良い特徴を組み合わせています。咸興冷麺は、麺と甘辛いソースを混ぜたピビン冷麺。一方の平壌冷麺は、まろやかな高麗キジの出汁と酸味が効いた大根の水漬け「冬沈漬(トンチミ)」の汁を混ぜたあっさりとしたスープ冷麺です。

青木輝人は、高麗キジの出汁に似ている牛のスープに辛味と酸味のあるキムチをトッピングし、オリジナルの形を作りました。また、平壌冷麺のそば粉をねり混ぜた黒い麺は、「食欲をあまりそそらない見た目」と感じ、小麦粉を使って透き通る半透明の麺に仕上げています。

やがて、盛岡の新しいもの好きな若者たちが「一度食べたらまた食べたくなる」と盛岡冷麺を求め、瞬く間に広まっていきました。

盛岡冷麺が岩手県全体で有名になったのは、1979年になります。この年にオープンした「焼肉ガーデン ペコ&ペコ」が、ラジオやテレビ、市内映画館で冷麺を宣伝したことがきっかけです。この宣伝がヒットして、まず岩手県内で冷麺が知れ渡ります。実は、この頃はまだ「盛岡冷麺」として認知されていたわけではなく、ただ単に「冷麺」と呼んでいました。

「盛岡冷麺」の名前を市内の飲食店で初めて使用したのは、1987年に「ぴょんぴょん舎」を創業した在日二世の邊龍雄です。盛岡で開催された「日本めんサミット」に出店した際に、運営に携わっていた職員から勧められたと言われています。

当初「盛岡冷麺」という呼び名は、在日の人達からすると「祖国の食文化を日本に売り渡している」「故郷の味を安売りしている」と思われており、反対されていました。しかし、これを機に「盛岡冷麺」の名が全国に浸透します。盛岡の名物麺料理として確立しました。

3.盛岡冷麺ならではの特徴

盛岡冷麺は、小麦粉と澱粉を混ぜて生地を作ります。成形は、スパゲティなどのパスタと同じく、生地を機械に入れて上から強い圧力をかけ、麺の太さに調整した穴から押し出します。この製法によって、麺にコシが生まれています。そして、表面はつるっと喉越しが良いのも特徴です。

牛骨に鶏ガラを加えて出汁をとるスープは、和食の出汁とは異なり旨みとコクがたっぷりです。冷たいスープで食べるので、麺のコシをより感じることもできます。また、具材にはカクテキをのせます。辛味と酸味がスープをより味わい深くさせ、キムチの量を調節すれば、自分好みの辛さに合わせることもできます。キムチの他には、ゆで卵や牛肉のチャーシュー、三杯酢で漬けたきゅうりが添えられています。

このように、スープ・麺・キムチが一体となっているのが盛岡冷麺の美味しさの理由です。

4.盛岡からはじまり、全国で愛され続ける盛岡冷麺

盛岡冷麺は、盛岡の素材を活かしてたくさんの工夫が加えられ、盛岡の市民から育まれてきました。

それによって、焼肉店も盛岡冷麺を食べるための店として有名になっていたり、専門店でしか食べることができなかった冷麺を、岩手の製麺所が家庭でも手軽に食べられるように生・半生製品を販売したりしています。

今では、全国のスーパーやコンビニで盛岡冷麺が置かれていることから、食生活に欠かせない麺料理です。盛岡にある人気店は、全国各地の焼肉店で提供されている冷麺と明らかに違うので、その味わいを求めて県外からやってくる観光客の間でも評判が高まっています。

5.家庭でも簡単に作れる!盛岡冷麺のレシピ

いざ「盛岡冷麺を食べに行きたい!」と思っても、すぐに盛岡まで足を運ぶのは難しいですよね。そんな人にオススメな、家庭でも簡単に美味しい盛岡冷麺が作れるレシピを紹介します。

絶品!本場の極旨盛岡冷麺

https://cookpad.com/recipe/6783882

【材料(2人分)】

  • 盛岡冷麺 2玉
  • 水(麺茹で用) 適量

■冷麺スープ

  • 水(スープ用) 400cc
  • ダシダ(牛肉だし) 小さじ1

※ ダシダ(牛肉だし)が無い場合、中華だし又は鶏がらスープの素で代用

  • 玄米酢 大さじ3
  • 砂糖 小さじ2
  • 薄口醤油 大さじ1
  • 塩 少々

・コチュジャン 小さじ1

■後入れスープトッピング

  • 金ごま 小さじ2

■具材

  • 玉子 2個
  • 焼き豚 6枚
  • きゅうり 1/3本
  • 白菜キムチ 60g
  • 梨(薄切り) 4枚

※梨が無ければ、スイカ、りんご等お好みで代用可

【作り方】

1.スープの材料を全て鍋に入れ、中火で軽く沸騰させたらボウルに移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす

2.鍋に湯を沸かし、沸騰したら中火にする。玉子を静かに入れ、10分間茹でたら、火を止めて冷水で冷やす。

3.茹で卵は半分に切り、焼豚はお好みの厚さ(薄切りがおすすめ)に切る

4.きゅうりは薄切り、白菜キムチは食べやすい大きさに切り、梨は薄切りにする

5.鍋に湯を沸かし、冷麺を入れて袋の表記時間通り茹でたら、水にさらし、ざるで水気を切る

6.器に麺を盛り、具材(茹で卵、焼豚、きゅうり、白菜キムチ、梨)を乗せたら、冷麺のスープを掛けて完成

5.盛岡冷麺を食べるならココ!厳選4軒を紹介

1.ぴょんぴょん舎 稲荷町本店

http://www.pyonpyonsya.co.jp/

盛岡冷麺と言えば、必ずぴょんぴょん舎の名前があがるほど有名なお店です。地元の冷麺通に愛される、行列ができる人気店となっています。

麺は、独自の配合で練り上げられており、しっかりしたコシと弾力、つるりとした喉越しが特徴です。味の決め手となっているのは、冷麺専用で手作りしている自家製キムチです。牛骨の出汁が効いたスープと一緒に食べれば、より旨みを感じます。

スープの深いコク、キムチの乳酸発酵の爽やかな酸味と唐辛子の辛味、麺のつるりとした喉越しともちっとした食感、それぞれが三位一体となり、絶品と呼べる逸品です。

地元の冷麺通によって育てられたぴょんぴょん舎の盛岡冷麺は、盛岡に訪れた際にぜひ行ってみてください。

住所:〒020-0142 岩手県盛岡市稲荷町12-5

営業時間:11:00〜23:00(ラストオーダー22:00)

定休日:無休

2.焼肉・冷麺 盛楼閣

http://www.gen-plaza.com/

盛楼閣では、7段階の辛さが用意されており、好みによって辛さが選べるのが魅力的です。初めての人には、辛味別が別がオススメ。

辛味・酸味・甘味のバランスが絶妙になっており、修行を重ねた職人によって丹念に練り上げられた太めの麺は、もっちりと弾力が強く噛みごたえ抜群です。スープは、すっきりとしていながら、牛骨の出汁を感じられるので、完飲する人も多いです。ボリュームたっぷりで、一食で満足感を得られます。

オープン以来、通い続ける常連のお客さんもいるほどなので、変わらぬ味を守るために常に良い材料と腕のいい職人を揃えています。お店は盛岡駅の向かいのビル内にあるので、さっと行って食べることができるのも嬉しいです。

住所:〒020-0034 岩手県盛岡市盛岡駅前通15-5

営業時間:11:00AM〜翌日2:00AM

定休日:無休

3.焼肉・冷麺 髭(ひげ)

http://www.yakiniku-hige.jp/

髭の盛岡冷麺は、専用の工場で製造されています。素材の独自の配合により、独特の風味と 食感を追求しているのが特徴です。

毎日半日以上かけて仕込まれるスープは、黒毛和牛の骨スジ、地元産をメインとした野菜などを贅沢に使用しています。こうして丁寧に作られるスープは、黄金色に輝き澄んでおり、旨みがぎっしりと凝縮されています。

また、辛味だけでなく味深いキムチも絶品です。岩手で採れた野菜にこだわり、調味料も独自の調合で作り上げています。酸味と辛味のバランスが良く、スープと相性抜群です。

住所:〒020-0055 盛岡市繋字尾入野47-15

営業時間:11:00~15:00 / 17:00~21:30(LO 21:00)

定休日:木曜日

4.やまなか屋 盛岡大通店

https://yamanakaya.jp/

冷麺の味わいを追求し、考えられる全てのことにこだわり抜いて作り上げられた逸品です。味や素材を徹底しているのはもちろん、麺も店ごとに手で練り上げられています。

旨みを凝縮したスープは、厳選した食材を8時間以上じっくりと煮込んでいます。キムチも冷麺用に開発し、スープに合わせてさっぱりとした辛味に仕上げています。アクセントとなるのは、牛チャーシューの濃厚な旨みです。

スープ、麺、トッピング全てが選び抜かれており、傑作の一品です。

住所:〒020-0026 岩手県盛岡市開運橋通1-36 コマツビル2F

営業時間:【月〜木】17:00~23:00(L.O.22:30)

     【金】17:00〜23:30(L.O.23:00)

     【土】11:30~23:30(L.O.23:00)

     【日】11:30~22:30(L.O.22:00)

定休日:12月31日

7.まとめ

いかがでしたか。この記事では、盛岡冷麺の発祥から特徴などを解説しました。

コシの強い麺、時間をかけて出汁をとったスープ、辛味と酸味のバランスが絶妙なキムチが合わさって盛岡冷麺は完成します。基本スタイルは同じでも、味や具材などの細かな違いは、一人ひとりの好みによります。ぜひ自分の好みの味を探してみてください。