そば

そばには栄養がない?ダイエットに効果的?栄養面からしっかり解説!

2022.02.17

日本人に古くから親しまれているそばですが、どんな栄養が含まれているのか詳しくは知らない方もいらっしゃるかと思います。本記事では、そばの栄養についてしっかりと解説します。

そばは日本を代表すると言っても過言ではないほど、日本人に親しまれている食材です。

しかし、この記事を読んでいるあなたは

「そばって美味しいけど、どれくらいの栄養が摂れるの?」

「そばはダイエットにいいって聞くけど本当?」

という疑問をお持ちではないでしょうか。

本記事では

  • そばに含まれる栄養素
  • そばがダイエットに効果的か否か
  • そばをより美味しく、栄養価の面でも効果的に食べる方法

を紹介していきます。

温めても冷やしても、色々な方法で美味しく食べられるそばの栄養についてマスターし、日頃の食事に役立ててくださいね。

1.そばに栄養がないって本当?

そばに限らず、うどんやそうめんなど、麺類全般に対して「あまり栄養がない」と思っている方も多いと思います。

実際にはそんなことはなく、そばにはビタミンやミネラルなど、人の身体には欠かせない栄養素が多く含まれています。

「そばに栄養がない」というイメージ自体は間違いです。ただ、このように言われる理由としては「そばだけでは1日の栄養を十分に摂取できない」ためだと考えられます。

細かく見ていくと、例えばそばに含まれるカルシウムは1食(ゆであがり時260g)あたり約21mg含まれています。しかし、成人男性の1日の摂取目安量は750mg~800mgと言われており、そばだけでは全く足りないことが分かります。

そのため、食事にそばを取り入れる際は、そばだけでは足りない栄養素を、他の食材で補う必要があります。

2.そばに含まれる栄養を一挙紹介

そばに含まれている栄養素は、炭水化物はもちろん、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど多岐に渡ります。

ここからは、そばに含まれている栄養素とその作用について、詳しく見ていきます。

(1)たんぱく質

タンパク質は、血や骨、内臓など、身体を作るのに欠かせない、非常に重要な栄養素です。

タンパク質を多く含む食材には、鶏ささみや卵、納豆、チーズなど多くあり、中でも鶏むね肉は「高たんぱく低カロリー」と男女問わず親しまれています。

そば1食分に含まれるタンパク質は約11gと、成人男性の一日の摂取目安量の約六分の一程度です。しかし、タンパク質が多く含まれる食材は豊富にあるため、色々な食べ合わせで不足している分を補えます。

(2)炭水化物

身体を動かすエネルギーとして、欠かせないのが炭水化物です。最近では「ダイエットの敵だ」と、炭水化物を抜く食事をしている方も多いですが、炭水化物が不足すると

  • エネルギーが不足し、疲れやすくなる
  • 体内のブドウ糖を消費してしまい、判断力が低下する

などの問題が生じるため、注意が必要です。

ただし、同時にエネルギー量も多いため、確かに「太りやすい」栄養であることも間違いではありません。

そばに含まれる炭水化物は、白米に比べると約三分の二程度なので、白米よりはダイエットに適した主食と言えるでしょう。

(3)食物繊維

食物繊維は、整腸効果や血糖値上昇の抑制血液中のコレステロール値を下げてくれるなど、目に見えづらいものの非常に重要な役割を持っています。

特に現代の日本人には不足している栄養素と言われています。成人男性の必要摂取量が1日21gであるのに対して、日本人の平均摂取量は1日14g程度であるという調査結果が出ています。

実はそば1食には約6.7gと、成人男性が1日に必要な食物繊維の約三分の一が含まれており、全体的に見れば決して栄養価に優れているといえないそばの中では、非常に優秀な栄養素と言えます。

(4)ビタミンB1

ビタミンB1は、エネルギーの生産に欠かせない栄養素です。ビタミンB1が不足すると、食欲不振や疲労身体のだるさなどの症状が現れます。

特に身体をよく動かす人などは、エネルギーの生産が多く必要なため、欠かさないように注意する必要があります。

そば自体にはあまり含まれていませんが、豚肉やほうれん草など、手軽にそばと合わせて食べられる食材に多く含まれています。

料理のレシピアレンジを楽しみながら、栄養素を補うこともできるため、料理好きな人はぜひ試してみてください。

(5)ビタミンB2

ビタミンB2も、B1と同じくエネルギーの精製に必要な栄養素ですが、特に脂質の代謝をよくする働きがあります。

髪の毛や爪、皮膚や粘膜など、身体の外に出ている部位の細胞の再生に深く関わっているため、美容に気を遣う方にとっては、特に重要な栄養素の一つと言えます。

同時に、脂質を分解してエネルギーに変えることから、ダイエットをしている人や、脂っこい食事が多い人には欠かせない栄養素です。

こちらもビタミンB1と同じく、そばだけで十分な量を摂取することはできません。納豆やアーモンド、卵などと合わせて、しっかりと摂取していきましょう。

(6)ナトリウム

ナトリウムは、主に食塩として摂取しています。現代の食事では、不足するどころか摂取しすぎる点に注意が必要な成分です。

ナトリウムの過剰摂取は、身体のむくみの原因になります。他にも、胃がんや食道がんなど、いわゆる「生活習慣病」の原因としても知られています。

他の主食類と比べた際、白米1人前には約1.3g含まれているのに対し、そばには約2mgしか含まれておらず、食塩を摂りすぎている人には優良な主食と言えます。

しかし、そば単体で食べることはほぼなく、多くの場合はつゆや薬味などからもナトリウムを摂取するため、過信は禁物です。

(7)カリウム

カリウムは、主に細胞の浸透圧を維持する働きを担っています。他にも、心臓や筋肉の働きを調整しています。

身体の働きを保つために非常に重要な栄養素の一つですが、現代の日本人の食事であれば、不足することはほとんどありません。そばに含まれている量も僅かではありますが、通常の食事をしていれば問題ないと言えるでしょう。

また、カリウムにはナトリウムの排泄効果があります。そのため、濃い味付けが好きで塩分過多になりがちな人は、特に意識して摂取すると良いでしょう。

「そばのつゆは濃い目が好き」という方は、カリウムが多く含まれる藻類や野菜類などを一緒に食べることで、塩分過剰を防ぐことができます。

(8)カルシウム

カルシウムは、体重の1~2%を占めると言われており、骨や歯を健康に保つためには必須の栄養素の一つです。そして、日本人に最も不足している栄養素の一つとも言われています。

そばにはほとんど含まれていないため、カルシウムの面だけで見れば、そばは優良な食材とは言い難いでしょう。また、カルシウムを多く含む食材としては乳製品や魚介類が挙げられますが、そばとの食べ合わせとしてはあまり一般的でない食材が多いため、そば以外の食事の際に摂取するよう、心がけましょう。

(9)マグネシウム

マグネシウムは主に、血圧の低下や栄養素の合成・分解に使用されています。

マグネシウムが不足すると、不整脈が生じやすくなる他、動脈硬化などのリスクが高まるとされています。

日本人の平均的な食事ではやや不足しているとされていますが、そばには摂取目安量の約16%が含まれており、決して低いとは言えません。

マグネシウムは、主に藻類や魚介類に多く含まれるとされており、そばとの相性も良い食材が多いです。そばを食べる際は、マグネシウムの摂取をより意識すると、効果的と言えるでしょう。

(10)リン

リンはカルシウムと共に、骨や歯を正常に発達させるために不可欠な栄養素です。それだけではなく、

  • 細胞膜の構成成分になる
  • 心臓や腎臓の機能の維持
  • 神経伝達

など、非常に多くの役割を担っています。

現代の食事では、リンが不足することはほぼないと言われています。逆に、添加物を多用する食生活では、リンの過剰摂取に注意が必要です。

そば1食には約180mgと、目安摂取量の20%弱が含まれています。リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げてしまうため、そばを食べる際は特にカルシウムを多く摂取するよう心がけましょう。

(11)ルチン

ルチンは、実は人にとって「必須の栄養素」ではありません。しかし、決して栄養素に優れているとは言えないそばにおいて、健康へ与える役割として欠かせないのが「ルチン」です。

ルチンには強い抗酸化作用があり、生活習慣病や認知症の予防、血圧の低下などの健康的な効果に加え、記憶力の保持にも有用だとする説もあります。

ルチンの摂取目安量は、1日当たり30mgとされています。蕎麦1食には約20mg含まれているため、実に必要摂取量の三分の二はそばのみで摂取できます。

そばの中でも「韃靼そば」という種類のそばには、通常のそばの約100倍ものルチンが含まれるとされています。

生活習慣病に代表される抗酸化作用を得たい方は、ぜひ「韃靼そば」を食事に取り入れてみてください。

3.生麺と乾麺のそばに栄養の違いはあるの?

結論から言うと、生麺でも乾麺でも、栄養価にはほとんど違いがありません。栄養表示などを比べた際に違って見えるのは、生麺と乾麺では販売されている時点での重さに違いがあるためです。

乾麺は茹でると約2.5倍ほどの重さになると言われています。そのため、単純に計算すると、生麺100gと乾麺100gとでは、2.5倍の栄養価の違いがあります

ちなみに、そば1人前として適切な量は、茹でた後の状態で200g~250gほどと言われています。

4.そばはダイエットに効果的?栄養素の面から解説

そばがダイエットに効果があるのかどうか、気になる方は多いのではないでしょうか。

そばは、決して「ダイエットに効果的」な栄養素が多く含まれているわけではありません。しかし、他の主食と比べてみると、多少なりダイエットに向いた食材であると言えます。

白米とそばを同じ100gで比べてみると、白米のカロリーが168kcal,炭水化物が37gなのに対し、そばは114kcal、炭水化物は22gです。

これだけ見れば、そばの方が多少太る要素が少ない程度に見えますが、これはあくまでそばと白米、それぞれ単体でのみ比べた数値です。

白米を食べる際は、他の食材をおかずとして一緒に食べることがほとんどです。結果、上記のカロリーや炭水化物量より、基本的には多く摂取してしまうと言えます。

対してそばは、かけそばであればそば以外に摂取するのはつゆだけですし、トッピングも藻類など、低カロリーの食材が多いです。

そばだけ食べていれば痩せられる、というわけではありませんが、白米を初め他の主食類に比べると、多少なりダイエットに一役買ってくれる食材だと言えます。

5.そばの栄養を更に高める!食べ合わせにオススメの食事2選

そばだけでは十分な栄養が摂れるとは言い難いものの、決して悪くはない食材だということを説明してきました。

ここからは、そんなそばに不足している栄養を補ったり、そばに含まれる栄養を更に効果的に吸収できる「オススメの食べ合わせ」を紹介していきます。

(1)不足しがちな食物繊維を更に摂ろう!具だくさん味噌汁

そばには多くの食物繊維が含まれていますが、1日の摂取目安量から考えると、もう一声欲しいところです。

そんなときは、じゃがいも、かぼちゃ、ごぼうなど、食物繊維を多く含む食材をふんだんに使ったお味噌汁を添えていただきましょう。

お味噌汁であれば、たくさん作って他の食事の際に一緒に食べてもいいですし、ざるそばで食べる場合は、身体が冷えすぎないように調整してくれます。

更に、味噌にはミネラルも豊富に含まれているため、そばだけでは摂りきれないカリウムやマグネシウムなども補えます。

(2)ビタミンを合わせてバランスよく!卵かけ納豆

ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質を燃焼させてエネルギーに変えてくれるため、ダイエットをしている人は特に意識して摂取したいですよね。

そばには微量のビタミンしか含まれないため他の食材で補いたいところですが、そばは1杯でもお腹いっぱいになってしまうため、一度に他の食事をするのは難しくなっています。

そんな方にオススメなのは、納豆と卵の組み合わせです。納豆にはビタミンB1が、卵にはビタミンB2が多く含まれていますし、それだけではお腹にもそれほど溜まらないため、そばを食べる際の副菜としてはもってこいです。

更には良質なタンパク質も含まれているので、筋肉トレーニングをしてる人にも嬉しい食材です。「和食」を代表するような食材たちの食べ合わせなので、一緒に美味しくいただけるのも嬉しいですね。

6.そばは他の食材とかけ合わせることで十分な栄養を補える優良食材

そば単体の食事では、十分に栄養を摂れるとは言い難いです。しかし、他の食材との食べ合わせを工夫することで様々な栄養を摂取できますし、ダイエットをしている方にもオススメできる食事です。

そばを効果的に食事に取り入れることで、健康的な生活を目指しましょう。