うどん

そばは消化に悪い?うどんとの比較と消化良く摂取する方法を解説!

2022.02.04

風邪を引いた時に食べるうどん。では、同じ麺類のそばも消化に良いのでしょうか?

そばの栄養素やほかの麺と比較して紹介!

日本で古くから食べられている「そば」。健康的なイメージがあり、胃腸にも良い食品だと思っている方もいるのではないでしょうか?

実は、うどんやおかゆなどの消化によい食べ物に比べると、そばは消化に良い食品ではありません。

しかし、食べ方に工夫をすれば消化よく食べることも可能です。


本記事では、そばがなぜ消化に悪いのか、そばを消化よく食べるためなどの方法を解説します。

更に、そばに含まれる栄養素や蕎麦以外に消化に良い食べ物も合わせて紹介します。

1.そばの栄養素100g)

そばには体に良い影響をもたらす栄養素が含まれており、その事実は昔から知られていました。

そのため、日本人の食文化にはそばが深く根付いています。

そこで、ここからは、そばの主要栄養素から他の麺との比較してご紹介して行きます。

(1)そばと他の麺との比較

そばとそば以外の主要栄養素を比較したものが以下の表になります。

エネルギー炭水化物脂質たんぱく質
そば114kcal22.1g0.7g4.8g
うどん105kcal21.6g0.4g2.6g
そうめん114kcal25.8g0.4g3.5g

そばは、他の麺類と比べると意外にもエネルギーが高い食品です。 

脂質も他の麺と比べると高いため、減量目的での食事には向きません。

しかし、たんぱく質の含有量が高いため、筋トレやボディメイクを行う際はおすすめできる食品です。

2.蕎麦は消化に時間がかかる

まず「消化に悪い」とは、食べた食品が胃の中に留まる時間が長いことをいいます。

消化が悪いと消化器官に負担をかけてしまい、風邪や疲労感がある時に体をしっかりと休ませることができなくなります。

ただ、残念ながら、今回ご紹介する「そば」は消化に時間がかかる食品の1つです。

ここでは、なぜそばが消化に悪いのかご紹介していきます。

(1)他の麺に比べて脂質と食物繊維が多い

人間の胃は、脂質と食物繊維をほとんど消化しないようにできています。

そばと他の麺類の脂質と食物繊維量を比較したのが以下の表です。(100g当たり)

脂質食物繊維
そば0.7g1.5g
そうめん0.4g0.9g
うどん0.4g0.8g

表にある通り、そうめんやうどんに比べて、倍程度の脂質と食物繊維が含まれていることが分かります。

そのため、同じ麺類の中でも特にそばが消化に悪い食品です。

しかし、消化に悪いということは「腹持ちが良い」ということでもあるため、食事時間がなかなか取れない方はそばを食べて空腹感を抑えるのも良い方法といえるでしょう。

(2)つなぎの割合により変わる

そば粉100%の十割そばや、つなぎに小麦粉や卵を使用している二八そばなど蕎麦には多くの種類があります。

実はこの「つなぎ」に含まれている食品によって消化スピードも変化します。

つまり、つなぎが多ければ多いほど、食物繊維が豊富なそば粉の使用量が減り、消化速度は早くなると言うことです。

もちろん、卵が使われたり、地方によっては「山ごぼう」が使われたりしているため、つなぎの種類によっても消化スピードは変化します。

(3)トッピングにも左右される

そばは、するすると口に入り食べやすいため、大人の男性や成長期の子供に限らず、女性の方でも物足りなく感じる方もいます。

そのため、天ぷらをトッピングで足す方も多いのではないでしょうか?

しかし、天ぷらには脂質が多く含まれているため、消化に時間がかかってしまいます。

胃への負担を軽減させるのであれば、天ぷらなどの揚げ物は避けましょう。

また、カップそばは、高温の油で麺を揚げています。

当然ながら、大量の脂質が含まれているので、なるべく生麺や乾麺を選ぶのがおすすめです。

3.消化良くそばを食べる方法

そばは食物繊維や脂質が多く消化に時間がかかってしまうことが分かりました。

しかし、消化の悪いそばも工夫1つで消化を助けることができます。

ここからは、そばを食べた時に消化を助ける工夫をご紹介します。

(1)消化に良いトッピングを加える

そばにぴったりで消化を助けてくれるトッピングは、「大根おろし」です。

大根には「アミラーゼ」「プロテアーゼ」「リパーゼ」という3種類の消化酵素が含まれています。

でんぷん、たんぱく質、脂肪と主要な栄養素の消化を助けてくれるので、そば以外に使う際も、胃腸を助けてくれるおすすめの食品です。

また、大根をすりおろしたり切ることで「イソチオシアネート」が生成されます。

「イソチオシアネート」は、抗菌作用や免疫力を高めることが期待されているため風邪予防にもおすすめです。

(2)夜食に食べない

「仕事が忙しく夜中に帰ってきた」「時間に追われていて夜中にお腹が空いてきた」と時間に追われて夜中に食事をする人が多い現代。

しかし、あまり消化が良くないそばを夜食にするのは控えた方が良いでしょう。

日中よりも運動量が少ない夜中に食事をすると、余分なエネルギーが脂肪となって蓄積されてしまうからです。

さらに、消化に力を使ってしまい睡眠の妨げにもなるため、できるだけ我慢しましょう。

どうしてもお腹が空いてしまって我慢できない場合は、消化によいうどんがおすすめです。

(3)茹で時間を長くする

喉越しの良さや食感など、コシが特徴の蕎麦ですが、湯で時間を長くすることで消化しやすくなります。

食物繊維は茹で時間が長くなることで、分解されることはありませんが、加熱することで柔らかくなるため加熱したほうが消化しやすくなります。

体力が落ちている時は、設定時間の1〜2分程度長めに茹でてみましょう。

また、加熱は電子レンジがおすすめです。

茹で調理や煮る調理と違い、食材が水に触れておらず、脂溶性のビタミンが逃げないため、栄養素が残りやすいためです。

4.蕎麦に含まれている栄養素

近年、そばの栄養の豊富さに体への健康効果が見直されています。

そばにはルチンを始めとして成人病や生活習慣病を予防する効果のあるものが含まれています。

ここでは、そばに含まれる健康に良いとされている栄養素をご紹介していきます。

(1)ルチン

そばには「ルチン」と呼ばれる苦味や色素成分のポリフェノールの1種が含まれています。

ポリフェノールは、果物、野菜、お茶など植物性の植物に含まれており、抗酸化作用も持っています。

ポリフェノールには以下の効果が期待されています。

  • 血管を丈夫にする

ルチンは弾力が減って損傷しやすくなった毛細血管を修復し、血液の流れをサラサラにしてくれ、血圧を下げる働きがあります。

  • ビタミンCの吸収を促進する

ルチンはビタミンCの吸収を促進し、体内のコラーゲン合成をサポートしてくれる機能が期待できます。

そば自体には、ビタミンCが含まれていないため、ビタミンCが多く含まれている大根との相性は最高です。

(2)ビタミンB群

そばには、ビタミンB1やビタミンB2が多く含まれています。

ビタミンB1は、糖質の代謝を助ける栄養素です。

不足すると、糖質をエネルギーに変換しにくくなるため、疲労の原因になる可能性があります。

調味料に入れるネギと一緒に食べると、ネギに含まれる「アリル化合物」がビタミンB1の吸収を促進してくれるためおすすめです。

ビタミンB2は脂質の代謝を助けて、皮膚や粘膜、髪などの細胞の再生に使われています。

活発に運動して、エネルギーを多く消費する人ほどビタミンB2が必要だと言えます。

(3)カリウム

カリウムは、人間の体に欠かすことのできない栄養素である「必須ミネラル」の1つです。

一般的に知られている事実として「塩分を摂りすぎると高血圧になる」というものがあります。

実は、カリウムには「血圧を正常に保つ効果」が期待されているため、高血圧の状態を改善できる可能性があります。

また、カリウムは水に溶ける性質があります。

「ざるそば」は、水で冷やす際にカリウムが流れ出てしまうため、できるだけ、汁を一緒に摂取できる「かけそば」がおすすめです。

5.消化に良い食べ物の特徴   

そばにはたくさんの栄養が含まれていますが、風邪や胃が弱っている時にはお腹に優しい食材で体をいたわってあげたいですよね。

では、お腹に優しい食材とはどんな特徴があるのでしょうか。

ここからは、消化に良い食品に共通している点をご紹介します。

(1)食物繊維の量が少ない

食物繊維は体内で消化されないという特徴があるため、決してお腹に優しい食品ではありません。

食物繊維は野菜に多く含まれていますが、以下の野菜は比較的食物繊維が少ないため胃の調子が悪い時におすすめです。

  • 白菜
  • ほうれん草
  • 大根 など

ただ、食物繊維は腸に存在し腸内環境を整えてくれる「善玉菌」のエサになり、善玉菌の増殖を助けると考えられています。

風邪や胃腸の調子が戻れば、日本を代表する和食のおかず「きんぴらごぼう」や「ひじき煮」を食べるのがおすすめです。

(2)脂質量が少ない

近年日本人の食生活が変化しており、脂質の多い食事が増えています。

しかし、脂質は、他の栄養素と比べ体内で吸収されにくいため、体に対しての負担が大きいと言われています。

胃では、ほとんど消化されずに十二指腸に送られ、吸収のために消化管ホルモンが分泌されます。

これは、胃の蠕動運動を抑制する働きもあるため、胃もたれに繋がるおそれも。

胃の調子が悪い時は、できるだけ脂質が少ないものがおすすめです。

(3)消化に良い調理方法を使用している

食物繊維や脂質が多く含まれているものでも、調理法で消化しやすく変える事ができます。

以下の調理法がおすすめです。

  • 繊維質な食材は、時間をかけて柔らかく煮込む
  • 揚げるよりも「煮る」「茹でる」の調理法を選択する。
  • 繊維の多い食材は、繊維を断ち切るように切る
  • ミキサーで、細かく刻んだり、すりおろす
  • 味付けは薄味にする
  • 香辛料や酸味のあるものは使用を控える

外食やコンビニ弁当だとどうしても脂質の量が多いものが多くなってしまいます。

胃腸が弱っている時は、できるだけ家で調理を行ない、上記のような方法で胃に優しい食事をしましょう。

6.そば以外に消化の良い食品3選

脂質や食物繊維が多い食品や調理法に気をつけることは分かったけど、実際にどんな食材が良いのか分からない方も多くいらっしゃるかもしれません。

そこで、ここからは、消化に良いとされる食品を3つご紹介します。

(1)お粥

風邪の時に定番の「お粥」は胃腸が弱っている時に非常におすすめです。

お粥には炭水化物が最も多く含まれています。

炭水化物は、たんぱく質や脂質と比較して、胃での滞留時間が短くなっているため消化に良い料理です。

ご飯よりも水分が多いため、咀嚼回数が少なくても飲み込みやすいことも消化に良い点と言えます。

また、お粥には、卵や柔らかく煮た魚を加えたり、アレンジを加えて栄養バランスを整える事ができます。

レトルトのお粥を食べるときは、成分表示を確認して栄養が偏らないようにしましょう。

(2)白身魚

白身魚は、たんぱく質が豊富に含まれていますが、脂質や食物繊維が少ないため、消化に良い食品とされています。

しかし、白身魚が消化に良いと言われていても、フライヤバター焼きなど油を多く使う調理をしてしまうと意味がなくなってしまいます。

煮たり茹でたり、そのまま焼くなど油の摂取が少なくなるようにしましょう。

青魚や赤身の魚を食べるのは、胃の調子が戻ってからにしましょう。

代表的な白身魚は以下の通りです。

  • タラ
  • タイ
  • カレイ など

(3)豆腐

大豆は、繊維が多く消化の良くない食品とされていますが、豆腐へ加工した場合は消化に良い食品へと変わります。

豆腐は、大豆を一度組織から破壊したんぱく質や脂肪等を遊離させ、消化に悪い繊維を除いて固めたものです。

消化に悪い脂質や食物繊維ができるだけ取り除かれているため、消化には最適です。

つまり、栄養価の良い豆腐を吸収しやすいように吸収に悪いものを限りなく取り除いたものが豆腐ということです。

冷奴や湯豆腐などシンプルながらアレンジを加えやすい食品ですが、薬味には気を付けましょう。

生姜やネギなどは胃に刺激を与えてしまうため、これらの食品は胃腸の調子が戻ってからにしましょう。

7、消化に良い食品と消化に良い調理法がある

本記事では、そばが消化に良いのかやそばの栄養素をご紹介してきました。

そばは、食物繊維や脂質が高いため消化に良い食品とは言えませんが、調理の工夫やトッピングで消化に良い食品へと変えることが出来ます。

ぜひ、今回の記事を参考に消化しやすいそばの調理法を試してみてください。

しかし、胃腸が悪いということは体がひどく疲れているという事でもあります。

そんな時は、消化に良いと言われている食品でも消化に時間がかかるため余計に体力を使ってしまいます。

そばだけでなく、自分の体に合う、栄養バランスの良いものをしっかりと食べて体の調子を整えていきましょう。