ラーメン

ラーメンの麺の種類は?麺の選び方はスープで異なる!

2022.02.17

ラーメンの麺には水分量や太さ、形状によって色々なものがあります。

この記事ではラーメンの麺の種類や特徴、麺とスープの組み合わせを詳しく解説しています。

仕入れ麺と自家製麺の違いについても触れているため、麺作りの参考にもなります。

普段食べているラーメンを深く知りたい、ラーメンを作りたいけど麺の選び方がわからない、といったことはありませんか?

ラーメンは水分量や太さ、形状の異なる麺を使うことで全く違う味へと変貌します。

この記事ではラーメンの麺の種類や特徴、スープごとの麺の選び方を詳しく解説しています。

ラーメンの麺のことを深く知ることで普段食べているラーメンをもっと楽しめるようになります。ラーメンを作りたい方は麺の必要な基礎を得られます。

彼女や友達と一緒にラーメンを食べに行ったときにラーメンについて語れるようになるのもいいかもしれません。

1.ラーメンの麺の原料は?

ラーメンの麺は小麦粉、水、塩、かんすいだけで出来ています。

かんすいとは炭酸カリウム炭酸カルシウムのことで、いわゆる「食品添加物」に該当します。かんすいを混ぜることで小麦粉のグルテンに作用し、コシと滑らかさがアップします。また、かんすいによって小麦粉の色素が黄色に発色します。うどんやそうめんなどの麺にはかんすいが入っていません。

つまり、かんすいはラーメンの麺を語るうえで外すことのできないものなのです。

小麦粉や水によっても麺の味は変わります。人気のラーメン店では水や小麦粉にこだわっている店も少なくないです。

2. ラーメンの麺の種類や特徴は?硬さや太さはなぜ違う? 

 

(1)麺の水分量による違い

①麺の水分量によって2つの種類に分けられる

ラーメンの麺のうち麺に含まれる水分の割合が約35%以上のものを「多加水麺」、水分量が30%以下で少ないものを「低加水麺」と呼びます。

多加水麺と低加水麺には大きな違いがあるため、しっかり勉強しましょう。

②多加水麺の特徴

多加水麺の特徴として以下のものが挙げられます。

・麺が伸びにくい

・スープが染み込みにくい

・ぷりぷりとした食感がある

・保存が難しい

 麺に水分をたくさん含んでいるため、スープが染み込みにくく、麺も伸びにくいという特徴を持っています。低加水麺よりも弾力のある食感となります。

しかし、水分を多く含むため傷みやすく、長期間の保存には向いていません。

③低加水麺の特徴

低加麺の特徴として以下のものが挙げられます。

・麺が伸びやすい

・スープが染み込みやすい

・小麦粉の味を感じられる

 麺に含まれる水分が少ないため、スープを吸収しやすく、麺も傷みづらいです。

麺の小麦粉の割合が高いため、小麦粉の味がしっかりします。

あっさりとしたスープに使われることが多いようです。

しかし、スープを吸収しやすいため麺が伸びやすく、すぐに食べなければいけないというデメリットがあるため注意しましょう。

(2)麺の太さによる違い

ラーメンには「極太麺」、「太麺」、「中太麺」、「中細麺」、「細麺」、「極細麺」といったものがありますが、実はこの麺の太さは「切刃番手」という数値で決まっています。

 太さ30㎜の麺から何本の麺を切り出すかという違いによって、麺の太さが細かく分けられています。切刃番手という単位で4~30番まで分けられており、数字が大きいほど細い麺です。5番の麺は30mmの麺から5本の麺を切り出したものなので、1本の太さが6mmとなります。

 以下が番手と太さ、代表的なラーメンの一覧です。

切刃番手太さ分類と代表的なラーメン
30番手1mm 
28番手1.07mm極細麺  博多ラーメン
26番手1.15mm細麺 博多ラーメン、熊本ラーメン
24番手1.25mm中細麺 旭川ラーメン 東京ラーメン
22番手1.36mm 中太麺  札幌ラーメン
20番手1.5mm中太麺
18番手1.67mm太麺 白河ラーメン
16番手1.88mm太麺 白河ラーメン 長崎ちゃんぽん
15番手2mm太麺
14番手2.12mm極太麺  喜多方ラーメン 佐野ラーメン
12番手2.5mm極太麺  喜多方ラーメン
10番手3mm 
9番手3.33mm 
8番手3.75mm  
7番手4.29mm  
6番手5mm 
5番手6mm 
4番手7.5mm 
3番手10mm 
2番手15mm(平麺、きしめん)
1番手30mm(平麺、きしめん)

12~18番が主にラーメンの麺として用いられることが多いようです。

1番手や2番手の太さはきしめんや平麺などに該当します。

(3)ストレート麺とちぢれ麺の違い

実はストレート麺とちぢれ麺は全く同じ材料、材料比率で作られているのです。

麺を切り出す工程だけが異なり、切り出し口の刃にシリコンゴムをつけると、麺に力が加わってちぢれ麺となります。

ちぢれ麺の作り方は店によって異なり、麺を手でちぢれさすことで独特なちぢれ麺を作っているところもあります。

3.ラーメンの麺の選び方は?どんなスープと合う?

(1)麺の水分量によるスープの選び方

①多加水麺に合うスープ

多加水麺にはこってりタイプのスープが合います。

麺にスープを染み込ませて食べるというより、スープと麺を一緒に食べるといった感じです。丼ぶりで例えると、上に乗っている具材がスープ、下のご飯が麺というイメージだとわかりやすいかもしれません。

多加水麺を使った代表的なラーメンには二郎系ラーメンなどがあります。

②低加水麺に合うスープ

低加麺にはあっさりタイプのスープが合います。

麺にスープをしっかり染み込ませて、スープと麺を一体化させて味わうといった感じです。

低加水麺だとスープの味をしっかり感じることができます。

 逆にこってりタイプのスープに低加水麺を使ってしまうとスープの味が濃い上に麺からもスープの味がしっかりするため、しつこいラーメンになってしまいます。

(2)麺の太さによるスープの選び方

こってりタイプのスープには太麺、あっさりタイプのスープには細麺が使われることが多いです。

理由としては2つあります。

・麺とスープの印象の強さのバランスを同じにするため

・ラーメンに対するお客さんのイメージに合わせるため

麺とスープの力のバランスが崩れると、どちらかの存在感がなくなってしまうのです。

こってりスープの場合は麺が負けない太麺を使います。細麺を使ってしまうとスープの味ばかりが主張して麺を感じられないラーメンになってしまいます。

逆にあっさりスープの場合は細麺を使うことが多いです。太麺を使うと麺ばかりが主張してスープの味が薄く感じます。

また、こってりスープには太麺、あっさりスープには細麺という印象があるため、スープに合わない太さの麺を使うとお客さんの期待を裏切ってしまうことになります。

(3)ちぢれ麺とストレート麺の違いによるスープの選び方

ちぢれ麺ストレート麺よりもスープが絡みやすいと思っていませんか?

実はストレート麺の方がスープに絡みやすいです。麺同士の隙間が少ないためスープと麺が密着しやすいからです。

そのため、ストレート麺は麺とスープが絡むようにあっさりスープに使われることが多く、ちぢれ麺はこってりスープに使われることが多いです。

(4)具体的にはどのスープにどの麺が合うのか?

・味噌ラーメンにはスープを吸収しにくい中太麺、たまご麺、ちぢれ麺がおすすめ

・醤油ラーメンにはスープに馴染みやすい細麺がおすすめ

・豚骨スープには細麺がおすすめだが、スープによって麺の太さは異なる

4.ラーメンの自家製麺と仕入れ麺の違いは?

(1)自家製麺

①自家製麺の良い点

・自家製麺を使っていることをアピールできる

・スープに合わせた麺を自分で作れる

・期間限定のラーメンを作りやすい

・麺だけで販売することができる

・原料だけで済むので麺のコストがかからない

②自家製麺の悪い点

・製麺機の導入、製麺に必要な人材などの費用が掛かる。

・店舗を増やすごとに麺の輸送の手間がかかる

・遠隔地に新店舗を導入する場合は新しい製麺機、製麺ノウハウがある人材が必要になる

・麺の開発に労力や時間がかかる

 自家製麺は導入コストがかかるうえ、最初から麺を作るにはたくさんの労力と知識が必要になります。

(2)仕入れ麺

①仕入れ麺の良い点

・人件費や製麺機の費用が掛からない

・製麺所がつくる麺なので品質が安定している

・自分では作りにくい極細ちぢれ麺などでも作ることができる

②仕入れ麺の悪い点

・麺自体のコストがかかる

・麺に対して細かいこだわりがある場合は反映させづらい

 仕入れ麺はコストが抑えられますが、麺にこだわりを反映させにくいというデメリットがあります。

(2)自家製麺と仕入れ麺のどちらがおすすめ?

ラーメンの店を開くのは初めてという場合には、仕入れ麺をおすすめします。

仕入れ麺は自家製麺と比べると低コストで済むうえ、麺で失敗することがないからです。

自家製麺を作るためには原材料、材料の配合知識、製麺機など様々なものが必要になります。中途半端な知識で麺を作ると失敗する可能性も高いです。

初めてラーメンの店を開くという場合には自家製麺は避けた方が無難でしょう。

自分のスープに合う麺がわからないという場合は製麺所に相談するのもアリです。

最近ではスープごとにおススメの麺を紹介してくれる製麺所もあります。

5.たまご麺や全粒粉麺とは?

(1)たまご麺の特徴

たまご麺とは卵・小麦粉・水・塩などで作られた麺です。

以下のような特徴があります。

・卵特有の香りや甘みが感じられる

・のどごしがよい、なめらか、ぷりぷり感がある

卵白が小麦粉のタンパク質と混ざることでコシと弾力が増します。卵の殻を混ぜると麺の粘りやコシが強くなります、卵の殻は炭酸カルシウムで出来ているからです。

たまご麺でも卵のどの部分使うかで麺の特徴は大きく変化します。

(2)全粒粉麺の特徴

全粒粉麺とは通常の小麦粉ではなく、全粒粉で作られている麺のことです。

全粒粉とは小麦の胚乳、皮、胚芽などを全てまとめて挽いて粉にしたものを指します。

 全粒粉麺には以下のような特徴があります。

・つるつる、モチモチした食感がある

・小麦粉のすべての部位を含んでいるため、栄養価が高い

・カロリー、糖質、グルテンが低い

・ダイエット志向の女性に人気がある  

6.まとめ(ラーメンの麺とスープの組み合わせは無限大)

ラーメンの麺の種類や特徴、合うスープについて説明してきました。

 まとめると以下のようになります。

・麺の水分量の違いによって低加水麺と多加水麺がある

・麺の太さは切刃番手のいう数字で分かれている

・こってりしたスープには多加水麺、ちぢれ麺、太麺がおすすめ

・あっさりしたスープには低加水麺、ストレート麺、細麺がおすすめ

・自家製麺は仕入れ麺よりもコストがかかるがアレンジしやすい

 ラーメンをこれまで以上に楽しみたい人、ラーメンを本格的に作ってみたい人にはどれも必要な知識ですよね。ラーメンの麺を深く知ることでさらに楽しいラーメンライフを送れるようになるのではないでしょうか。