ラーメン
ラーメンの発祥と歴史について徹底解説【人気のご当地ラーメンも紹介!】
2022.10.19
ラーメンは日本の国民食であり、数多くの飲食店が存在しています。最近ではラーメンのお取り寄せができたり、インスタントラーメンも有名店とコラボすれば話題に上がったりと、世間のラーメン熱は高く大好きな人も多いでしょう。
海外でもラーメンは日本食として親しまれていますが、中華料理店にもラーメンは置いてあります。今回は、ラーメンが日本食なのか中華料理なのかを発祥や歴史をみて紐解いていきます。
1.ラーメンとは?
ラーメンは、小麦粉を原料とする中華麺とスープを主とする食べ物のことです。トッピングには、チャーシュー・メンマ・味付け玉子などさまざまな具材が組み合わされます。
漢字では「拉麺」や「老麺」と表記することができ、太平洋戦争より前はそば粉は使わないものの、「支那そば」や「南京そば」と呼ばれていました。
太平洋戦争後からは、日本政府によって中国の国名として支那という単語を使用することを自粛するよう要請する外務省事務次官通達があり、それをきっかけに中華そばやラーメンという呼び方が一般化したと言われています。
2.ラーメンの発祥
日本のラーメンのルーツは、1859年に開港した横浜・神戸・函館・長崎に多くの外国人が移り住み海外の食文化が流入し、中国の麺料理も日本に伝わることとなります。
しかし、室町時代の史料にラーメンに関与する記述が書かれていることが発見されました。1488年に現代のラーメンの麺とほぼ同じであった、日本初の経帯麺が食べられたと記されています。
ちなみに、日本人で初めてラーメンを食べたと言われている人物は、水戸黄門と呼び親しまれている徳川光圀です。中国から招いた儒学者朱舜水が、光圀の接待に対して自国の汁そばをふるまいました。この汁そばがラーメンだと言われていますが、この時点では、庶民にまで広まることはなかったようです。
3.ラーメンの歴史
ラーメンのルーツについて解説したように、日本では1859年頃から一般的に知れ渡ったことが分かります。
その後、1870年に横浜の居留地(現在の横浜中華街)にて、日本で初めての中華料理店がオープンしました。そうして日本人も南京そばを食べるようになったのです。しかし、この時の南京そばは現代のラーメンと違いました。
1884年には、函館の「養和軒」が、南京そばを日本で初めて正式に中華麺として宣伝した可能性があります。詳しい資料は残っていないものの、一杯15銭の塩ラーメンだったとされており、日本のラーメンのルーツを作ったのは「養和軒」と言えます。
1899年には、居留地の廃止によって中華料理が広まり、長崎『四海楼』の陳平順氏が長崎ちゃんぽんを考案したり、中国からの留学生が増えたことによって、本郷・神田・牛込あたりに大衆中国料理店が増えたりとしていきました。
そして1910年には、日本初の一大ラーメンブームを起こした「浅草 来々軒」が登場します。横浜税関を退職した尾崎貫一氏が、南京町から中国人コックをスカウトし、一杯6銭のしょうゆラーメンを提供しました。
一杯6銭は約300円ほどに換算でき、当時でも値段が手頃だったため、連日行列が絶えなかったという人気振りです。スープは、鶏ガラや昆布などの出汁にしょうゆダレを入れ、あっさりとした味付けが特徴とされています。
「来々軒」の前にも、ラーメンを提供している飲食店はあったようですが、ラーメン店の発祥となったのは「来々軒」です。現在最古のラーメン店は、1914年から中央区日本橋茅場町で続く中国料理 大勝軒とみられます。
「来々軒」が成功したことによって、東京ではラーメンを提供する数多くの中華料理店が開店していきました。ラーメンの屋台も増え、庶民的な中華料理の定番メニューとして広まったのです。影響は大きく、家庭向けの中華料理本がベストセラーになるほどでした。
1923年の札幌では、「竹家食堂」が営業を開始。札幌ラーメンと言えば味噌ベースのラーメンが有名ですが、元祖にあたるのが「竹家食堂」です。当時の札幌ラーメンは、現代のような濃厚な味噌味ではなく、比較的あっさり目のしょうゆ味が中心でした。今でも神戸市にある「竹家」が味を引き継いでいます。
そして、「竹家食堂」がスタートした同じ年には関東大震災が発生しました。大規模な地震によって、東京や横浜を中心に営業していたラーメン店は全国へと散らばり、屋台が増加しました。結果的に、ラーメン専門店が増えたのです。
1925年には、喜多方で初めてのラーメン店「源来軒」、1937年には久留米市に「南京千両」というお店が生まれました。
「南京千両」は、九州最初のラーメン店であり、営業開始以降、現在まで屋台の営業をしています。提供していたラーメンは、とんこつラーメンです。最初はとんこつを沸騰させずに長時間煮込んで作っていたようで、スープは澄んでいたと言われています。ですが、1947年に誤ってとんこつを沸騰させてしまい、白濁したスープが誕生しました。そうして九州全体では、白濁したとんこつスープが提供されるようになったそうです。
ここまでラーメンの文化を着々と培ってきた日本でしたが、1939年には第二次世界大戦が開戦したことにより多くのラーメン店が閉店しました。
終戦後は、中国からの引揚者によって各地域に闇市が誕生し、ラーメンが人気になりました。中国でたくさんの人がラーメンの作り方を覚えてきたのに加え、安い材料で美味しく栄養が摂れるラーメンは、戦後の貧しい時代にピッタリの食べ物だったのです。
これをきっかけに、ラーメンは再び日本に定着していきました。1958年には初めてのインスタントラーメン「日清チキンラーメン」が販売されるなど、大きな発展を遂げていったのです。
2000年頃からは、個性的で独自のラーメンを提供しリードしていくラーメン店も現れ始めました。地域の素材や特徴に着目した「ご当地ラーメン」が開発され、旭川・和歌山・徳島と続き、全国各地のご当地ラーメンブームが起こったほどです。
そして、有名店がのれん分けをしたお店が地域にしばられず日本各地に広がったり、世界進出したりと、今もなお日本のラーメンは多様化しながら進化しています。
4.日本と中国のラーメンの違いとは?
発祥や歴史を理解すると、ラーメンはもともと中国から来たことが分かりました。ですが、日本で独自の文化を築いたので、日本と中国のラーメンは全くの別物と言ってもいいでしょう。それでは、日本と中国のラーメンの違いを2点解説します。
1.麺
日本と中国のラーメンの大きな違いと言える点が、麺にかん水を使用しているかです。日本はかん水を使用していませんが、中国はかん水を入れることによって、うどんのような食感になります。
そして、麺の弾力や太さなどは中国にも多くの種類がありますが、日本の場合は、麺がスープに合うように研究されているので、麺の製法がラーメン店ごとに異なります。ラーメン店によっては、麺の硬さやスープの濃さなどアレンジできますね。
2.スープ
中国のスープは、基本的に薄味で豚肉・牛肉・海鮮などを主に出汁をとります。ですが、日本のスープは肉や魚介だけでなく、野菜やしょうゆ、味噌など複数の種類から出汁をとります。より奥深い味わいになり、数多くの種類のラーメンを楽しむことができます。
5.ご当地ラーメンランキング TOP3を紹介!
ラーメンが定着し、発展してきた日本では「ご当地ラーメン」が一大ブームを起こしました。「ご当地ラーメン」は、ランキング化されるほど人気が高いです。なかには、未だに食べたことがないラーメンもあるのではないでしょうか。ここでは、gooランキングが発表した正直一番うまい「ご当地ラーメン」ランキングを紹介します。
第3位 長崎ちゃんぽん
“唐灰汁(とうあく)を用いた太くコシのある特製麺に、とんこつ(または鶏ガラ)ベースのスープと、炒めた豚肉や新鮮な魚介類、野菜を合わせるのが一般的。ボリュームの多さも特徴の一つ。
ご当地:長崎県長崎市”
たっぷりの肉野菜炒めがトッピングされており、栄養がしっかり摂れる長崎ちゃんぽんが第3位にランクインしました。
「ちゃんぽん」は、「さまざまなものを混ぜること、または混ぜたもの」を意味する言葉であり、そのような料理の名称です。長崎ちゃんぽんを耳にすると、「リンガーハット」をイメージする人も多くラーメンの定番と言えます。
スープはとんこつがベースで、つるっともちっとした麺によく絡みます。炒めた具材によって、より濃厚な旨みを感じることができる一品です。
第2位 博多ラーメン
“強火でとんこつを煮立てた濃厚な白濁スープと、加水率の少ないストレートの細麺が特徴。具材はネギとチャーシューで、薬味として白ゴマや紅ショウガ、おろしニンニクなどを加えるのが一般的とされている。
ご当地:福岡県福岡市”
日本の三大ラーメンとして有名な博多ラーメンが第2位にランクインしました。白濁した濃厚なスープに細麺が相性抜群です。具材には、チャーシューやネギの他にも、紅生姜や白ゴマ、おろしにんにく、高菜など他のラーメンよりも薬味が充実しています。とんこつのコクを味わいながら、トッピングをアレンジできる癖になる一品です。
第1位 札幌ラーメン
“とんこつ(またはとんこつ+鶏ガラ)ベースにラードやニンニクを加えたスープを、中華鍋で炒めた野菜、ひき肉などの具材と合わせ、みそだれを溶かしたものが一般的。麺は中太の縮れ麺となっている。
ご当地:北海道札幌市”
第1位を獲得したのは札幌ラーメンです。北海道の札幌は国内旅行でも人気の場所ですね。玉ねぎやキャベツ、もやしなどたっぷりと炒め野菜がのっていて、栄養満点でボリュームにも満足できます。ちぢれ麺に絡む味噌ベースの味付けがとても美味しい魅力的なラーメンです。